中国の湖南省、張家界市に位置する武陵源。「武陵源の自然景観」として世界遺産に登録されており、近年では映画アバターのモデルになった場所として有名になりました。
総面積は約264km²にも及び、高さが200mを超える岩の柱が3,100本以上も林立する岩山の世界は一見荒涼とも見えますが、麓には渓流が流れ豊かな森林が広がり様々な生態系を育んでいることから、「仙境の縮小版」とも呼ばれます。
この圧巻ともいえる岩山の絶景は、数億年の間に起こった地殻変動による隆起や、雨風による浸食によって形作られました。
広く知られるようになったのは、近くに鉄道が敷かれた1970年代に入ってから。それまでは、トゥチャ族やミャオ族といった少数民族だけが暮らす秘境でした。彼ら少数民族は戦乱から逃れるため、この秘境の暮らしを選んだと言われており、今でも武陵源の奇岩には、こうした少数民族の苦難の歴史を伝える伝説が語り継がれています。
観光シーズンは4月~10月とされていますが、
真夏は気温が高くなるため春と秋がおすすめです。
中でも雨季が終わった後の9月頃が過ごしやすい気候で観光に適していると言われています。
袁家界(えんかかい)
標高約1,000mに位置する、武陵源の西北に広がる石柱群。天下第一橋や迷魂台など、武陵源を代表する景色が広がります。映画アバターの「ハレルヤ山」の原型となった場所。
楊家界(ようかかい)風景区
無数の断崖絶壁が広がる景色は「自然の万里の長城」と呼ばれています。
宝峰湖(ほうほうこ)
索渓峪(さくせいよく)風景区に位置する「仙女が住む池」と言われる神秘的な湖。木樹が茂っている山々に囲まれ、湖面も紺碧の美しい景勝地です。
金鞭渓(きんべんけい)
中国初の森林公園である張家界森林公園の中にある渓谷。間近にそびえる奇岩の岩壁を眺めながら沢沿いをハイキングできます。
鳳凰古城
武陵源のある昔ながらの街並みを今に残す、中国で最も美しいと言われる古城。
春秋戦国時代から清の時代まで政治の中心として繁栄した当時の風景がほぼ完全な形で残っています。
静かに流れる沱江(だこう)の川沿いに吊脚楼(ちょうきゃくろう)という独特な家屋が建ち並び、より一層風情のある街並みをつくり出しています。
武陵源のある張家界から約200km、車で約4時間の距離に位置します。
武陵源を目指すには、張家界へ。日本からは北京や上海などの都市で乗り継ぎます。
張家界市内から武陵源へは観光バスが運行しています。所要時間はバスで約40分。