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2024年の出張費の相場は?
コスト削減と旅行会社に頼む効果とは

公開日: 2023年9月19日 更新日:
海外出張(管理者向け)海外出張(出張者向け)
2023年の海外出張の動向は?見直すべきポイントを解説!

昨今の経済状況や物価の高騰により、出張費は年々増加傾向にあり、出張管理者のみなさまはその対応に頭を悩ませていませんか。不要にかかっている出張費は削減する必要がありますが、無理な削減は逆効果をもたらす場合があります。
本コラムでは、HISの実績データから見える2024年の海外出張費の相場と削減への具体的なアプローチ方法を解説します。

<出張の実績データについて>

以下の実績データは、HISの出発データより作成しています。

2024年の出張費の相場は?

現在の海外出張の動向は?

それでは、データをもとに、実際に2024年現在の航空券・ホテル代金はどのくらいかかっているかをみていきましょう。

航空券価格はピークを超えて2023年とほぼ横ばい

エコノミークラス航空券価格(中央値)

エリア 2019年 2023年 2024年 2019年比 2023年比
アジア ¥88,543 ¥140,480 ¥136,820 154.52% 97.39%
アフリカ ¥214,810 ¥340,590 ¥340,260 158.40% 99.90%
欧州 ¥225,215 ¥392,860 ¥351,860 156.23% 89.56%
大洋州 ¥156,400 ¥290,600 ¥239,410 153.08% 82.36%
中東 ¥162,370 ¥299,360 ¥268,386 165.29% 89.65%
中南米 ¥253,655 ¥445,750 ¥480,490 189.43% 107.79%
北米 ¥237,895 ¥391,770 ¥385,230 161.93% 98.33%

海外出張市場は7割程度まで回復

航空券代金は、2023年と比較してほぼ横ばいで高値を維持しています。2019年と比較すると150%以上の上昇幅が見られます。
みなさまの企業では出張の手配は渡航のどのくらい前にしてますでしょうか。
2024年の予約日(中央値)は出発29日前というデータがでており、約1か月先の出張手配をする企業様が多いようです。
航空券代金は早めに予約をすれば座席供給量などの関係で料金が下がる傾向があります。また、出発の日付が近づくと、希望していた航空会社や時間帯のフライトに空席がないということもあります。
出張は急遽発生したり、スケジュールの確定に時間がかかることも多いかもしれませんが、有意義な出張のためにも早めの航空券の確保がおすすめです。

<~気になる他社事情~出張時の予約クラスは?>

エコノミークラスとアッパークラスの利用割合
※アッパークラス=エコノミークラス以上のビジネスクラスなどの上位クラス

アジア
欧州・北米

海外出張の予約クラスは役員を中心にアッパークラスを利用する企業様が多いかと思います。では、渡航先で比較してみるとどうでしょうか。
アジアではエコノミークラスが90.5%と圧倒的に多く、アッパークラスは9.5%に留まりますが、欧州・北米ではエコノミークラスが80.6%、アッパークラスが19.4%と、アッパークラスの利用が若干増加しています。企業によっては、長距離路線の場合にはアッパークラスを利用する規定を採用している企業も多いことがわかります。

ホテル価格はさらに高騰

都市別宿泊平均価格

都市 2019年 2023年 2024年 2019年比 2023年比
ソウル ¥13,894 ¥23,005 ¥26,226 188.77% 114.00%
上海 ¥13,815 ¥22,682 ¥23,131 167.43% 101.99%
バンコク ¥13,052 ¥18,404 ¥19,675 150.74% 106.90%
シンガポール ¥18,721 ¥27,912 ¥39,703 212.08% 142.24%
ニューヨーク ¥26,012 ¥42,551 ¥50,517 194.21% 118.72%
ロサンゼルス ¥25,402 ¥40,457 ¥42,494 197.29% 105.03%
ロンドン ¥21,458 ¥31,959 ¥43,223 201.43% 135.25%
パリ ¥22,863 ¥34,266 ¥45,861 200.59% 133.84%
為替レート

出典:NUMBEO Cost of Living
https://www.numbeo.com/cost-of-living/
※ニューヨーク:100を基準とした場合(2024年7月2日現在)


ホテル代金は2019年より大幅に高騰しています。2023年比ではシンガポールでは約140%、欧州では約130%を超える価格で上昇しています。
シンガポールはもともと物価が高いですが、経済が好調なため、さらに影響を受けていると考えられます。また、パリはオリンピックによる注目度の高まりなどが、ホテル代金の上昇に影響している可能性があります。
ホテル代金と物価指数を考慮すると、都市ごとの経済状況や需要と供給のバランスが価格に大きく影響していることがわかりますが、そのほか人的なリソース不足で稼働率を抑えざるを得ない状況もありそうです。 

出張旅費が値上がりする理由とは?

外的要因

航空券やホテル代金の値上がりは、円安や世界情勢など、さまざまな要因が影響しています。


・円安
・燃油サーチャージの高騰
・座席供給数
・各国の情勢による影響
・物価高
・航空会社・ホテルなどの人的リソース不足など


ここで、座席供給数に焦点をあててみましょう。

国際線航空輸送提供座席数推移 (日本着) ※単位:万席

2019年実績数 2024年計画数 2019年比
提供座席数 3,787 3,898 102.9%
海外就航地別 TC1 393 416 105.8%
TC2 278 259 93.1%
TC3 3,115 3,222 103.5%

※夏季スケジュール期間:3月の最終日曜日~10月の最終日曜日の前日の土曜日

※TC1:南北アメリカ大陸と近隣諸島(ハワイ諸島を含む)地域
 TC2:ヨーロッパ・中近東・アフリカと近隣諸島地域
 TC3:アジア(中近東を除く)・オセアニアと近隣諸島地域

※提供座席数は1000の位(一部100の位)を切り捨て、比率は小数点第1位を切り捨て


出典:株式会社ANA総合研究所 2024年夏季スケジュール日本着国際航空輸送提供座席数まとめ https://www.anahd.co.jp/group/ari/news/20240510.html


2024年夏季の国際航空輸送提供座席数は、アジア・アメリカ・オセアニア方面で2019年のコロナ禍前を上回る回復をみせています。一方、ヨーロッパ・中近東方面では93.1%の回復にとどまっており、ロシア上空の飛行禁止や環境配慮がその要因と考えられます。

では、提供座席数がほぼ回復しているにもかかわらず、なぜ航空券代金が高騰しているのでしょうか。その理由のひとつとして、訪日外国人数が急激に増加したことも考えられます。政府は、2024年7月19日、「第24回観光立国推進閣僚会議」を開催し、2024年の訪日外国人旅行者数が3500万人となる見通しを示しました。これにより、供給が需要に追いついていないことが挙げられます。航空券代金は、供給数と需要のバランスが取れてくることで、価格高騰が安定化する見込みです。


出展:トラベルボイス株式会社
政府、2024年の訪日客数は史上最多3500万人の見通し、「地方誘客」と「オーバーツーリズム対策」を重点施策に
https://www.travelvoice.jp/20240719-156011?media=tvm


内的要因

また、以下のような内的要因もあります。


・社員が各自手配してる
社員が各自で手配を行う場合、統制や規定がない状況では、個々の好みに基づいて予約を行ってしまい、結果として通常よりも高額な費用が発生する可能性があります。

・承認フローの中で見落としがある
例えば、承認者が出張の詳細を十分に確認せずに承認することで、不必要な出張や高額な航空券・ホテルが選ばれたり、承認フローが複雑な場合、迅速な対応が難しくなり、結果として購買のタイミングが遅れて、コストが高くなることがあります。

出張費削減へのアプローチと具体例

では、このような航空券代金やホテル代金の値上げなどさまざまな要因がある中で、出張費の削減において重要なアプローチと具体例をご紹介いたします。

出張傾向の把握・分析

出張動向データを分析し、出張の頻度、目的、目的地、期間などの傾向を把握し、削減目標を設定しましょう。ここで重要な点は自社のデータを確認することです。業種や職種により傾向は異なるため、そこも考慮して出張費を見直すことをおすすめします。

すぐに取り組める削減方法一例
先にお伝えしたデータと比較して、みなさまの企業の出張費はいかがでしたでしょうか。
自社のデータと比較して出張費の削減が必要な場合は以下のような方法が検討できるかと思います。


・出張頻度や期間の見直し
【航空券代金が普段より高いがホテル代金がおさえられる場合】
一度の出張で複数の業務が遂行できるように長期間滞在して出張頻度を下げる
【航空券代金はおさえられているがホテル代金が高い場合】
ホテル代金が高いと長期滞在となるとコストがかさむため、一度の出張期間を短くする など


・実際に現地へ出向かなければいけない内容かなど、出張目的に応じてWEB会議などのオンラインツールの利用を推奨する


・航空会社、ホテルの見直し
【航空会社】 航空会社を絞らず、複数の航空会社を比較する
【ホテル】 グレードや立地などの条件を広げる など


手配・承認フローの見直し

出張者の手配にかかる時間や管理者の管理業務にかかる時間など間接コストへも目を向けましょう。
例えば、現在出張承認者が1名のみの企業の場合、複数の承認者を設けることで、属人化による承認者不在時の遅延を防ぐことができ、結果として、組織全体の効率性が向上し、間接費の削減に繋がります。

定期的な出張規定の見直し

出張規定を定期的に見直し、最新の情勢や企業の方針・業績に合わせて更新しましょう。また、出張者や経理部門など関係者からの意見なども反映させ、実用的で適切なものにしていくことが重要です。

その削減では逆効果?重要なのは最適化

現在の海外出張の動向は?

効果的な削減は企業の利益に繋がりますが、その削減で本来の目的を損なってはいないでしょうか。
例えば、ホテルのグレードを下げたり、LCCの航空会社を推奨することで、出張における安全性の保障・快適性や労働条件が損なわれ、社員のハレーションを招く可能性があります。
また、WEB会議などのオンラインツールの活用や出張期間の短縮は場合によっては、出張先での商談や会議の時間や質が制限されるなど、必要な業務が遂行できなくなることで、ビジネスチャンスの損失や業務の遅延が生じる可能性があります。
無理な削減によって、従業員のモチベーション低下や業務効率を悪化させ、逆効果となるようなことは避けたほうがよいでしょう。
すでに適切な出張費にも関わらず削減を行ったり、削るべきでないものや慎重になるべきものを削減すると、企業や出張者にこのように新たな課題が発生する可能性もあります。

削減を考えつつ、最適化させていくことが大切です。

・出張に行く社員や管理者に負担をかけずにコスト削減や見直しを行いたい
・スピード感を持ってデータ分析を行いたいが、自社での見直しにはデータ面やリソース面で限界がある。
・コスト削減方法を知っていてもそれが最適な方法なのか自信がない
・手配・精算・承認のフローを統一し、効率化したい
・現行の旅行会社とコンサルティングサービスの比較をしたい

このような課題をお持ちの場合は、専門知識のある旅行会社の目線を取り入れることもおすすめです。
また、BTM(ビジネストラベルマネジメント)システムを導入することで出張関連業務を一元管理し、渡航費用や手続きの全体像を分析・見直すことでコストを削減し、システム化により業務効率化を実現、リスク管理の徹底も可能となります。
HISでは定期的な報告・改善提案を実施し、継続的な出張管理を支援します。
出張者の渡航中サポートはもちろん、予約代行者や管理者にとっても利便性向上に繋がります。

最後に

業種や職種によって傾向は異なりますが、みなさまの企業の出張費はいかがでしたでしょうか。出張費の削減は費用対効果も考慮し適切に行う必要があります。 目先の成果に捉われずに効率的に削減を行い、出張費の最適化を目指しませんか。

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