こんにちは。新型コロナウイルス感染症が世界に広まり、各国の海外渡航制限が長期化しています。
HISではコロナ禍の海外渡航の実態をお伝えするために、渡航者にインタビューをしています。今回は当社HISのドイツ赴任者Aさんです。
これからドイツ渡航を予定されてる方、ドイツから帰任する方、海外情報を収集されてる方など必見です!
<ケース>
▶日本帰国日:2021年3月中旬 08:00羽田空港着
▶中国渡航日:2021年4月上旬 全日空(NH203)00:10羽田空港発 → 05:20フランクフルト空港着
▶渡航目的 :日本の一時帰国を終了し、ドイツへ再渡航
▶渡航者情報:HISドイツ 駐在員Aさん(ドイツに自宅あり)/1名で渡航/英語OK
▶インタービュー実施日:2021年4月
※本コラムはインタビューの為、2021年4月時点での情報を基に記載しております。
最新の渡航情報については、在ドイツ日本国大使館ウェブサイトなどをご確認ください。
- ドイツ出発
空港での手続きと書類について - ドイツでの
PCR検査 - 検疫強化国からの日本入国
腕に付けられたタグ - 部屋から一切出られない、
日本の隔離生活 - ドイツへ出発
PCR検査の記載事項に注意!
ポイントは検査時間の有無 - 布製マスクはNG!?
ドイツ入国時に知っておきたいポイント
ドイツ出発 空港での手続きと書類について
一時帰国が決まったAさん。日本へ入国するためのPCR検査陰性証明書も無事取得ができた。スーツケースを片手にフランクフルト空港へと向かう。
空港は3月で駐在を終える人達なのか、家族連れの方も多く、心なしか活気が感じられた。
早速搭乗手続きのため、航空会社のカウンターへ向かった。現在、搭乗手続きは全て有人カウンターで行っている。事前のWEBチェックイン時も搭乗券は表示されず、空港カウンターへ向かうような案内になっていた。
カウンターでは2種類の案内書面が渡される。
①日本での水際対策に係る案内
②日本入国後14日間の健康フォローアップのために、入力が求められる質問票の案内
②の質問票は、WEBから入力し、2次元バーコードを取得する。日本の検疫時に提示が求められるものだ。
日本到着後に入力も可能だが、出発前のタイミングで入力を済ませ、作成された2次元バーコードをスクリーンショットしておくことでスムーズに入国できる。ぜひ搭乗前に済ませておきたい。
2021年3月時点では陰性証明書が必須では無かったため、確認等はなくこのまま出国審査へと進んだ。「現地でのPCR検査は注意が必要です。これは別の方の話なのですが、検体の採取方法が日本政府の指定と異なったようで、内容を詳しく聞かれていました。この時は必須ではなかったので搭乗・入国はできたそうですが、今は難しいですからね。」
2021年5月現在、日本の水際対策として、日本人も含めた全ての入国者・再入国者・帰国者は入国にあたり、出国前72時間以内に実施したCOVID-19に関する検査による「陰性」であることの検査証明の提出が求められている。2021年3月19日以降、検査証明書を提出できない入国者は、検疫法に基づき、日本への上陸が認められず、航空機への搭乗すら拒否されるのだ。
▷▷ 参考:外務省ウェブサイト 有効な「出国前検査証明」フォーマット
出国審査以降は行列もなくスムーズだった。出国エリアの店舗は、引き続き最小限の営業となっている。免税店1か所とカフェ、電化製品、土産物屋が少し開いている程度だ。
搭乗時には特に書類の確認などもなく機内へ進む。機内でのサービスでは頻繁にお菓子や飲み物の配布があり、コロナ前と変わりはなかった。
離陸して暫くすると、5枚の書類が配布された。誓約書、税関申告書類等である。
日本帰国時の重要なポイントとして、日本入国時に、スマートフォンの携行と、複数のアプリインストールが求められている。頻繁に更新があるので、最新の情報に注意が必要だ。
ドイツでのPCR検査
Aさんに、帰国前に実施したドイツでのPCR検査について聞いてみた。
「HISが提携しているのですが、MEDICARE Testzentrumを利用しました」とのことだ。
自社提携をしている以外にも、選ぶ理由はあるようだ。以下の2点である。
・日本指定の検査法鼻咽頭ぬぐい液(Nasopharyngeal Swab)による核酸増幅検査(RT-PCR)で有効な陰性証明書(英文)が発行できる
・予約手続きなどHISスタッフが行うので、自分で直接やり取りする必要がない
ドイツ出国前に実施するPCR検査は、所定のフォーマットがあり、不備があると渡航できないという事態も招きかねない。日々状況が変わる中でも、確実に取得できる病院での検査が必須だ。Aさんが利用した検査機関はHISが予約代行できる検査機関だ。もちろん日本語で対応しているので、手配に不安がある方はぜひ一度ご相談いただきたい。
▷▷ 参考:HISはドイツ全4都市で出国前PCR検査の日本帰国者向けプランをご用意しております。
検疫 日本入国 腕に付けられたタグ
渡航に関する大きな変更点 2022年2月25日現在
日本帰国時の水際対策が、流動的になっております。最新の情報は、以下ウェブサイトにてご確認ください。
▷▷ 詳細:厚生労働省 水際対策に係る新たな措置について
羽田空港に到着すると、追加の記入書類が配られた。
アプリインストールに関する書類だった。前列から降機するようアナウンスがあったが、20分程で降機した。
降機後の流れは以下の通りだ。凡その時間は(※表2)を参照してほしい。
①PCR検査→②書類/アプリの確認→③入国手続き→④隔離ホテルへ
まずはPCR検査だ。降機してすぐに「ドイツ便はこちら」という表示があり、指定地域からの入国者は一時的に別ルートになる。(※写真3)のようなタグを腕に着けるよう指示があり、また別地域の人たちと合流する。
そして一家族ごとに確認が始まる。
まずは書類が記入済みか、質問票の2次元バーコードが取得済みであるかを確認される。
次に唾液検査場へ向かい、最後に書類の記入内容を確認していく。
不備がある場合には時間がかかっているようだったが、スタッフも充実しているため待つということはほぼなく、流れるように進んでいく。
降機してから30分後にはPCR検査の結果待ち場所へと着いていた。見渡すとタグを着けている人ばかりなので、待機場所は他地域からの入国者とは別の場所に設けられているようだ。なお、待機場所は、椅子が並んでいるだけで、自動販売機や充電設備はない。(※写真4)
「皆さまの隔離施設についてご案内です。隔離ホテルは●●●、空港からの所要時間40分~50分、バスでご移動いただきます。」日本語での放送のあと、英語でも同じ内容が放送された。ドイツから入国した全員が同じ施設に移動するようだ。ここで初めて自分の隔離施設を把握することになる。
PCR検査の結果が出ると一人ずつ呼ばれ、赤い証明書が渡される。(※写真5)
係りの方の誘導に従いながら検疫/入国審査/税関へと進んだ。
税関前で全員が揃うのを待ち、一緒にバスへ乗車する。空港リムジンバスと同じ大きさの大型バスだったが、10名程度乗車しているのが確認できた。
揺られること1時間、ホテルへ到着した。順にチェックインの手続きを行う。渡されたのは体温計と分厚い滞在のしおりだ。
ホテル滞在時のルール、退所日の検疫、お弁当の配布等について説明の後、ルームキーとお弁当を受けとり部屋へと入る。ここから3日間の隔離生活が始まる。
部屋から一切出られない、日本の隔離生活
渡航に関する大きな変更点 2022年2月25日現在
日本帰国時の水際対策が、流動的になっております。最新の情報は、以下ウェブサイトにてご確認ください。
▷▷ 詳細:厚生労働省 水際対策に係る新たな措置について
現在、検疫強化地域から日本へ入国する方は国籍問わず、政府が指定する隔離施設で強制的に3日間の滞在が必要だ。自主隔離とは異なるしっかりとした管理体制となっている。インタビューから分かったポイントを以下にまとめる。
・部屋からは一切出ることができない
・タオルや水など3日間の生活に必要なものは揃っている
・宿泊費用、ホテルと空港間の送迎費用の支払いは不要
・最終日に唾液検査があり、陰性であれば羽田空港までバス移動し各自、自主隔離へ移る
ポイントは、隔離ホテルから直接目的地に移動ができない、ところだ。
また、自宅等までの移動に公共交通機関の利用ができないため、お迎えや移動用の専用車の手配が必要となる。
3日の隔離を終えた後は、11日間の自主隔離となる。
自主隔離中は、毎日体調管理の報告が必要だ。現在はメール又はLINEで報告する形式で、質問は二問だ。『はい』か『いいえ』の二択で回答を送る。
・自分や周りの人で、体温が37.5度以上の方はいるか
・自分や周りの人で、咳・倦怠感等、体調不良の方はいるか
返答が確認できない場合に、帰国時にダウンロードした通話アプリを通じて連絡がくるそうだ。
ドイツへ出発 PCR検査の記載事項に注意! ポイントは検査時間の有無
渡航に関する大きな変更点 2022年3月9日現在
ドイツ政府は日本を含む全ての国・地域に対する「ハイリスク地域(Hochrisikogebiet)」の指定を解除いたしました。2022年3月3日より、日本からの渡航者は、証明書提示義務(コロナ検査証明書、ワクチン接種証明書、快復証明書のいずれか)が生じます。
▷▷ 詳細:在ドイツ日本国大使館ウェブサイト
日本で約4週間ほど過ごし、いよいよドイツへ出発へ出発する。
ドイツへの入国について
羽田空港は深夜便ということもあり、閑散とした様子で、見える範囲で3組ほどしかいなかったという。(※写真6-7)
チェックインはカウンターで行う。査証を取得していたこともあり、5分ほどで手続きを終えた。
手続きがスムーズに行えたのは条件通りの書類を準備していたからだ。ポイントはPCR検査証明書だと話す。
「これも別の方の話ですが、日本でのチェックインにすごく時間がかかってしまったと話してました。PCRの陰性証明書に“発行日”は記載してたんですけど、“検査した時間”が書いてなかったので、それが原因だったみたいです。」
ドイツの入国に必要な書類の確認は、航空会社により厳しくチェックされている。陰性証明書だけでなく、査証の代わりに発行する理由書なども同様だ。
上記のケースでは、「入国48時間前の検査」が守られているのか、が確認できなかったため、搭乗できるかの判断に時間を要した。
(注)5月時点では以下のように変更となっています。
抗原検査の場合:ドイツ入国48時間前、PCR検査の場合:ドイツ入国72時間前
参考>>https://www.bundesgesundheitsministerium.de/coronavirus-infos-reisende/faq-tests-einreisende.html
「最近は郵送で検査証明書が届くような、比較的費用の安いPCR検査を利用される方も多いと思うのですが、記載内容には注意が必要ですね。」と話すAさん。
ドイツで提示するPCR検査の陰性証明書は、日本で通常行われている検査方法であれば問題がなく、書式も紙又は電子データのどちらとされている。
記載される内容にも注意が必要だ。
▷▷ 参考:コロナ検査基準(英語)
チェックインカウンターでの手続き以降は、コロナ前と変わりはなく、搭乗ゲートまで進める。
機内の様子を聞いてみた。
「まだ渡航する人が少ないので、贅沢に席を使っていました。機内サービスは、いつもとかわらなかったです」エコノミークラスは約20名の搭乗で、センターシートを使用している人はおらず、窓に接した3列シートを1人で使っていた。機内サービスは機内食、免税品販売もあり、パーソナルモニターも通常通りだ。唯一の違いは、搭乗してすぐにアルコールシートとゴミ袋が配られた程度だった。(※写真8-9)
ドイツ到着後は、順番に降りるようなアナウンスもなく、各々降機していく。朝5:30の到着。バラバラと出勤してきた空港スタッフにより徐々に窓口が開くものの、少し待機の列ができていた。幸いAさんは前方の席で降機が早かったために、ほとんど待つことはなかった。
日本では厳しく書類を確認されたが、ドイツではさっと目を通して、スムーズに審査が終わった。
ドイツは空港でのPCR検査もなく、空港到着から30分後には預け荷物を受け取り、公共交通機関を利用して帰路につく。
日本からの入国であれば隔離期間等もないので、次の日から在宅勤務を始めたそうだ。
布製マスクはNG!?ドイツ入国時に知っておきたいポイント
インタビュー中に印象に残ったこと、それはドイツでの"マスクの制限"だ。
ドイツは公共交通機関内(駅構内を含む)や小売店では「医療用マスク(FFP2マスクまたは同等のマスク)の着用義務あり。」とされているのだ。
布製マスクなどを着用していると注意されるそうだ。すぐにマスクを着けかえることができればよいが、指示に従わなければ反則金が科せられるので、注意が必要だ。もし現地で聞かれた時に備え、パッケージの説明や商品名で指定のマスクであることが証明できるように備えておく方がより良いだろう。詳しくは大使館のホームぺージをご確認いただきたい。
▷▷ 参考:在ドイツ日本国大使館ホームページ
おわりに
中国やタイなどのアジア各国に比べて、渡航手続きが少ないドイツの渡航をお届けました。
インタビューを通じて、重要と感じたポイントを改めてお伝えします。
・日本入国に必要な書類は、所定のフォーマットで準備しよう
・PCR検査は慎重に検査機関を選ぼう
(所定のフォーマットで発行されるか、検査時間など記載があるか、適切な検査方法か など)
・ドイツは公共交通機関内(駅構内を含む)や小売店では医療用マスクが(FFP2マスクまたは同等のマスク)必ず必要となるので準備しよう
HISでは、コロナ禍のフライト、隔離ホテル、PCR検査などの代行手配の他、海外赴任サポートコンシェルジュサービスとして現地のライフライン(不動産、インフラ、日本人コミュニティの紹介など)のサポートもしております。国に寄って入国方法や手配可能部分が異なる為、確認を兼ねて是非、お気軽にご相談ください。
これらの情報を通じ、少しでも現状を事前に把握され、皆さまがお心構えをするための一助となることを願っております。