佐賀県の観光地って何があるの?
西九州新幹線の開通で武雄や嬉野などの温泉地や観光地が注目の的となっている佐賀県。
陶磁器の名産地である有田・伊万里、吉野ヶ里遺跡や世界的にも有名なバルーンフェスタ、祐徳稲荷神社に、地元の賑わいを楽しめる呼子の朝市など、観光スポットや見どころ・景勝地がたくさんあります。
この記事では意外と知られていない?佐賀の名所や観光スポットを、4つのエリアごとにご紹介します。
それぞれに楽しめる、佐賀観光のがばい(佐賀弁で「すごい」という意味)魅力をさがしに行きましょう!
佐賀市・鳥栖周辺エリアの観光スポット
有明海に面した九州佐賀国際空港を利用すれば、東京から飛行機で一気に佐賀県へ!
福岡県と隣接し、九州新幹線・JR長崎本線や長崎自動車道が通る交通アクセスの良い東部エリアです。
吉野ヶ里歴史公園
吉野ヶ里遺跡は、佐賀県神埼市と吉野ヶ里町にまたがる日本最大規模の弥生時代の環壕集落(かんごうしゅうらく)跡です。
弥生時代全時期の多数の住居跡、高床倉庫群跡、3,000基を超えるかめ棺墓、弥生時代中期の王の墓と考えられる墳丘墓(ふんきゅうぼ)などが発掘されています。
また、魏志倭人伝に記された伝説の邪馬台国を彷彿とさせる建物跡などが発見されたことから、一躍全国の注目を集めました。
「弥生時代における有力首長層の成長や古代国家の形成を考えるうえで欠くことのできない大規模環壕集落」として、国の特別史跡に指定されています。
2001年4月にオープンした吉野ヶ里歴史公園は、
- 映像施設やレストランがある歴史公園センターを中心とした「入口ゾーン」
- 最盛期だった3世紀後半の吉野ヶ里遺跡の巨大環壕集落が復元された「環壕集落ゾーン」
- 約20ヘクタールの広さがあり、遊具や大芝生広場、野外炊事コーナーなどの施設がある「古代の原ゾーン」
- 公園北部に広がる脊振山系の在来植物を土壌も含め移植することで、弥生時代の森を再現した「古代の森ゾーン」
の4つのゾーンに分かれ、公園の総面積は約117ヘクタールと広大です。
現在も発掘・調査を行っている未公開エリアもあるようで、新たな発見に期待も高まります。
古湯温泉・熊の川温泉
佐賀駅から北へ20km、佐賀県富士市の嘉瀬川上流にある古湯(ふるゆ)温泉の歴史は 古く、孝霊天皇時代(西暦210年代)に発見された英龍泉(現:英龍温泉)と、孝謙天皇時代(西暦750年代)に二人の老翁が雲夢を感じて発見した鶴霊泉が元湯となっています。
古湯温泉の魅力はひなびた湯治街の風情と落ち着いた自然環境で、湯治客だけでなく青木繁(あおきしげる)や斎藤茂吉(さいとうもきち)など多くの芸術家も魅了してきました。
特に斎藤茂吉は、1920年に古湯温泉で3週間逗留して、38首の歌を残しています。
熊の川温泉は、古湯温泉からやや下流にありこちらも湯治場の雰囲気を充分に感じられる、景色のよい静かな山あいのいで湯です。
空海(弘法大師)が唐から帰国後の全国行脚の途中この地を訪れ、水鳥が水浴びするのを見て温泉を発見したと伝えられています。
その後、水没と再興を繰り返してきたことから、歴史ある温泉であるものの文献等が少なく、現在に至ります。
泉質は単純弱放射能泉で、ラドンの含有量は九州でも有数で、全国的にも貴重な温泉です。
古湯・熊の川温泉郷は約38℃とぬるめの湯温、ぬるぬるとした心地良い肌触りから 「ぬる湯」と呼ばれています。
ぬるいお湯なので長時間ゆっくりと浸かることができ、体の芯からぽかぽかと温まるので、冬場でもすぐに体が冷えることはありません。
1966年に厚生省(現:厚生労働省)から「古湯・熊の川温泉郷」として、国民保養温泉地の指定を受けています。
古湯温泉 基本情報
- 住所:〒840-0501 佐賀県佐賀市富士町大字古湯
- アクセス:佐賀駅バスセンターから昭和バスで約35分
熊の川温泉 基本情報
- 住所:〒840-0512 佐賀県佐賀市富士町大字上熊川
- アクセス:佐賀駅バスセンターから昭和バス「古湯」行きで約30分
九年庵
美しい紅葉で知られる国の名勝で、元々は佐賀の大実業家、伊丹弥太郎の別邸と庭園でした。
そもそもの「九年庵」とは、現邸宅敷地の西北に建てられていた14坪の茶室(現在は解体されました)の名称です。
この「九年」とはこの庭園が1900年から9年の歳月を費やして築造されたことに由来します。
広い庭園は多くのツツジやモミジ類などが植栽されており、秋の紅葉シーズンには幾重にも重なる紅く色づいた樹々が周りの山々の色彩と溶け合い、苔の緑とのコントラストも見事です。
春(初夏)には、瑞々しいもみじの若葉や苔の新緑がまぶしく映り、園内すべてが緑のグラデーションに染まる様子は目にも鮮やかで、四季折々の美しい景観が楽しめます。
例年、秋は11月中旬から下旬まで、春は5月の連休シーズンに一般公開され、秋は神埼駅からのバスが増便されます。
九年庵 基本情報
- 住所:〒842-0123 佐賀県神埼市神埼町的1696
- アクセス:JR長崎本線 神埼駅からジョイックス交通バスで約10分「仁比山神社前」バス停下車
小城公園
小城藩初代藩主の鍋島元茂、二代藩主直能が造営した名庭園で「日本の歴史公園100選」にも選出されています。
四季を通じて美しい表情を見せる公園ですが、おすすめは何といっても約3,000本もの桜が咲き誇る春です。
美しい桜の評判は遠く朝廷にも及び、後西院(後西天皇)が和歌に詠ったとされ、公園内にはその歌碑も建てられています。
「さくら名所100選」にも選ばれ「九州の花見といえばここ!」といっても過言ではないほどです。
お花見シーズンには夜間に桜のライトアップも行われ、ぼんぼりが灯された園内をそぞろ歩くのもとても風流なものです。
佐賀インターナショナル・バルーンフェスタ
毎年10月下旬から11月上旬にかけて、佐賀市嘉瀬川(かせがわ)の河川敷で開催される、アジア最大級の国際熱気球大会。
第1回目が1980年に開催され、その時はわずか14機の熱気球の参加でした。
回を追うごとにその規模は大きくなり、今では100機を超える熱気球が参加しています。
競技飛行での100機を超えるカラフルなバルーンが一斉に浮かび上がる光景は、ここ佐賀でしか見ることができない絶景です。
会場となる嘉瀬川河川敷を中心とした佐賀平野一帯には、熱気球の離着陸に十分な広さの土地と安定した気流、そして、様々な向きの風の層があり、バルーンの国際大会に適した理想的な土地なのだそうです。
佐賀の絶妙な風は、世界のバルーニストの間でも話題となっています。
メインとなる競技は気流が安定している早朝と夕方に実施されますが、昼間は競技に参加しないシェイプドバルーン(変形気球)なども現れ、キャラクターを模したバルーンもフェスタを盛り上げています。
また、夜間係留「ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン」も見逃せないポイント。
バーナーの炎に照らし出された熱気球が実に幻想的で、まるでファンタジーの世界感を体感する様です。
バルーンフェスタの期間中は、会場に隣接してJR長崎本線の臨時駅「バルーンさが」駅が開設されるので、電車でのアクセスも良好です。
佐賀インターナショナル・バルーンフェスタ 基本情報
- 住所:〒840-0864 佐賀県佐賀市嘉瀬川河川敷及び佐賀平野一帯
- アクセス:JR長崎本線 バルーンさが駅(臨時駅)下車すぐ
【佐賀バルーンミュージアム】
「熱気球の街」としても知られるようになった佐賀市ですが、一年中佐賀の空をバルーンが飛んでいる訳ではなく、大会期間中であっても「風まかせ」のバルーンは天気によっては飛ぶことができません。
しかし、バルーンフェスタ開催時期以外にも、「天気に左右されず」いつでもバルーンを体感できる日本初のミュージアムが佐賀市にあります。
色とりどりのバルーンが映し出される、280インチの迫力あるスーパーハイビジョンシアターをはじめ、日本初の有人飛行に成功した熱気球「イカロス5号」の実物展示、バルーンの操縦を体験できるフライトシミュレーターなど、五感をフルに使ってバルーンを体感できます。
バルーン関連や佐賀県の銘品を揃えたお土産ショップや、佐賀県産の食材を使用したカフェも併設しており「熱気球の街 佐賀市」を代表する観光スポットです。
佐賀バルーンミュージアム 基本情報
- 住所:〒840-0831 佐賀県佐賀市松原2-2-27
- アクセス:佐賀駅バスセンターから路線バスで約5分「県庁前」バス停下車徒歩1分
鳥栖プレミアム・アウトレット
九州を代表するアウトレットとして、九州最大規模約170もの国内外有名ブランドが出店しています。
アメリカ・カリフォルニア州南部の街並みをイメージし、そびえ立つヤシの木に、白壁や暖色系の屋根瓦、タイル模様が美しい施設は、ショッピングだけでなく非日常的な空間で心もリフレッシュできること間違いなしですね。
また、佐賀県を代表するブランド鶏の「みつせ鶏」や「能古うどん」など、フードコートで佐賀や九州の味を堪能できるのもポイントです!
鳥栖プレミアム・アウトレット 基本情報
- 住所:〒841-0005 佐賀県鳥栖市弥生が丘8-1
- アクセス:JR鹿児島本線 鳥栖駅から西鉄バスで約15分「鳥栖プレミアム・アウトレット」下車。福岡・天神からも直行バスあり。
唐津・玄海周辺エリアの観光スポット
古代より唐(現在の中国や韓国など)をはじめとする大陸への玄関口として栄えてきた唐津。
天下統一を果たした豊臣秀吉が大陸への侵攻を目指し、朝鮮出兵の拠点として名護屋城(現在は石垣など城跡のみ)を築城しました。
江戸時代は唐津藩の城下町、明治時代以降は石炭の積出港として栄え、当時の繁栄は旧唐津銀行など市内に残る優美な建物から感じられます。
福岡空港から電車が直通するので、観光地へのアクセスが良いことも特徴です。
唐津くんち
毎年11月の2日から4日の3日間にわたって開催される唐津神社の秋季例大祭です。
地元では「おくんち」と呼ばれ、くんちとは「供日」とも書き、収穫への感謝が込められています。
「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」の勢い良い掛け声で曳山(やま)が唐津の町中を駆け抜け、実に勇壮でありながら極彩色の歴史絵巻のようです。
1819年に、刀町の石崎嘉兵衛が、お伊勢参りの帰りに京都で見た祇園山笠にインスピレーションを得て、仲間らと「赤獅子」を作り神社へ奉納したのが曳山行事のはじまりといわれています。
その後「青獅子」「亀と浦島太郎」「鯛」「鯱」など15台が作られ、1台は明治中期に消滅しましたが、現在も14台が大切に保管され健在です。
曳山は「佐賀県重要有形民俗文化財」に、曳山行事は「国の重要無形民俗文化財」に指定されており、2016年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとして「ユネスコ無形文化遺産」にも登録されました。
初日は「宵曳山(よいやま)」とよばれ、刀町の「赤獅子」を先頭に曳山は提灯をつけて巡行します。
最大の見せ場は2日目に行われる「御旅所神幸(おたびしょしんこう)」です。
唐津神社から西の浜にある御旅所へ向かいますが、街角を曲る際に曳山の巨体が左右に大きく揺れ動くところや、御旅所での曳込みは、見ている方も思わず手に汗を握るほどで、祭りは最高潮に達します。
期間中は、くんち見物を目的におよそ50万人もの観光客が訪れる唐津最大の行事であり佐賀県を代表するお祭りです。
【曳山展示場】
おくんち最終日の巡行が終わると、14台の曳山は、一台また一台と「曳山展示場」に戻され、来年のおくんちまで大切に保管されます。
おくんち以外はこちらで一堂に展示公開されているので、残念ながらおくんちを見逃した方や、唐津くんち開催時期以外で唐津へ観光に出かけた際など、せっかく唐津に来たからには、是非訪ねてみてはいかがでしょうか。
※ 曳山展示場は現在建替え中のため、「ふるさと会館アルピノホール」に移転しております。
曳山展示場 基本情報
- 住所:〒847-0043 佐賀県唐津市新興町2881-1(唐津市ふるさと会館アルピノ敷地内の旧多目的ホール)
- アクセス:JR唐津線 唐津駅から徒歩で約5分
唐津城
豊臣秀吉の家臣、寺沢志摩守広高(てらざわしまのかみひろたか)によって1602年から7年の歳月を費やして築城されました。
現在の天守閣は昭和41年に復元・完成したものです。
この天守閣を要に左右に広がる松原が、鶴が翼を広げた形に似ていることから、別名「舞鶴城」ともいわれ、桜・藤の名所でもあります。
城内部には、藩制時代を物語る貴重な資料や武具、唐津焼の資料、考古資料などが展示されています。
また天守閣5階の展望台からは「海を望む城」として、玄界灘、松浦潟などが見渡せます。
虹の松原
唐津湾の海浜に続く虹の松原は、国の特別名勝で、三保の松原、気比の松原とともに「日本三大松原」の一つに数えられる景勝地です。
唐津藩初代藩主、寺沢志摩守広高が、防風・防潮林として海岸線の砂丘にクロマツを植林したのが始まりで、全長約4.5km、幅約500mにわたって続く松は、約100万本とも言われています。
また虹の松原には、豊臣秀吉が「低くなれ!」と一睨みして以来、高くならない「睨み松」があるとか、あまりにセミが鳴くので「騒々しい!」と叱るとセミの声がピタッと途絶えたなど、八つの不思議な伝説(七不思議)があるそうです。
鏡山
標高284m、眼下に唐津市街地や国の特別名勝・虹の松原と唐津湾、彼方には壱岐の島影も望める絶景名所です。
山頂へと続くカーブが続く4kmの道のりは、絶好のドライブコースとしても親しまれています。
鏡山の名称は、神功皇后(じんぐうこうごう)が山頂に鏡を祀ったことに由来するともいわれ、日本三大悲恋物語の一つ「松浦佐用姫」伝説など数々の伝説が残されています。
古くは「肥前風土記」や「万葉集」にも詠まれた歴史ある山です。
山頂には、虹の松原を端から端まで270°見渡せる「ひれふり展望台(鏡山展望テラス)」、芝生の広場が整備されており、春は桜やツツジなどが咲き誇る花の名所でもあります。
鏡山観光・ハイキングの後は、スケートアニメにも登場する麓の日帰り温泉「鏡山温泉茶屋 美人の湯」で体を休めるのも、おすすめです。
鏡山 基本情報
- 住所:〒847-0022 佐賀県唐津市鏡字大平6052-1ほか
- アクセス:JR筑肥線 虹ノ松原駅下車徒歩で約90分、
唐津バスセンター(大手口:JR唐津駅から徒歩約6分)から昭和バスで約15分「鏡山登山口」バス停下車
宝当神社
唐津から定期船で10分ほど、高島にある宝当神社(ほうとうじんじゃ)は開運パワー(特に宝くじ必当運や金運)で知られます。
御祭神は、かつて海賊から高島を守った、野崎隠岐守綱吉命(のざきおきのかみつなよしのみこと)を祀っています。
明治期に、製塩業が盛んになり島が潤って利益を得たお礼として、当神社を「当島の宝」と称え「寶當(ほうとう)神社」と記した石造りの鳥居が奉納されました。
この頃より、宝当神社と呼ばれ親しまれるようになり、縁起が良い「寶當」の文字にあやかって参拝者が増えたそうです。
すると、お参りをした人の中に宝くじの高額当選者が多数出たことから「宝くじが当たる神社」として一躍有名になりました。
宝当神社 基本情報
- 住所:〒847-0027 佐賀県唐津市高島523
- アクセス:唐津城前の東城内駐車場横にある宝当桟橋から定期船もしくは海上タクシーで約10分
呼子朝市
江戸時代、漁師と農家が鯨肉や鮮魚、農産物を物々交換していたことが始まりと言われているそうです。
石川県の輪島、岐阜県の高山と並ぶ日本三大朝市のひとつに数えられ、朝7時半~12時まで元旦を除いて毎日開かれています。
約200mの朝市通りには、50軒近くの露店に新鮮な魚介類、自家製イカの一夜干し、魚の干物、収穫したての野菜、果物など様々な品が並びます。
おばちゃんたちの元気な呼び込みやお客さんと楽しくやりとりする声が響く様子は、呼子朝市名物の朝の風景です。
呼子朝市 基本情報
- 住所:〒847-0303 佐賀県唐津市呼子町呼子
- アクセス:唐津バスセンター(大手口:JR唐津駅から徒歩約6分)から昭和バスで約30分「呼子」バス停下車
【呼子のイカ】
朝市が有名な呼子町のもうひとつの名物といえば「イカの活造り」に代表されるイカ料理の数々。
町内のイカ料理専門店などでは、注文が入ると、店のいけすからイカを網ですくい、新鮮なうちに手早く調理してくれます。
輝くように透明なまま皿に盛られたイカの活造りの美しさとその味には大満足間違いなし!港町ならではの贅沢な食べ方です。
お刺身だけでなくゲソは天ぷらなどでいただけ、これ目当てに佐賀県内はもちろん県外・九州外からも多くの観光客を魅了しています。
七ツ釜
柱状節理をなす玄武岩が玄界灘の荒波に浸食されてできた景勝地で、国の天然記念物にも指定されています。
断崖は深くえぐられ、その名の通り7つの洞窟が並列し、自然が作り上げた造形美が見ものです。
最大の海食洞は間口3m、奥行きは110mあり、波の状況により船で海食洞の中に入ることができます。
呼子港からイカの姿をした観光船「イカ丸」に乗って、海上からの七ツ釜の観光と呼子の海をクルージングで楽しむのもおすすめです。
七ツ釜 基本情報
- 住所:〒847-0135 佐賀県唐津市屋形石
- アクセス:唐津バスセンター(大手口:JR唐津駅から徒歩約6分)から昭和バスで約34分「七ツ釜入口」バス停下車
波戸岬
九州最西北端で「日本渚百選」にも選ばれる玄海国定公園の玄界灘に突き出た波戸岬(はどみさき)は、夕陽が沈む時間帯の景色が特におすすめです。
その夕陽の美しさが感動的なことから「恋人の聖地プロジェクト・サテライト」にも認定、玄界灘の見晴らしがよい場所にハートのオブジェがあり、恋人たちのフォトスポットにもなっています。
周辺には海水浴場やキャンプ場もあり、おばちゃんたちが採れたてを目の前で焼いてくれる「さざえのつぼ焼売店」も名物になっています。
岬の先端、海中から突き出た高さ20mの「玄海海中展望塔」では、水深7mの海中展望室の窓越しに海中観察ができます。
この辺りは、暖流と寒流の接点でソラスズメダイやカゴカキダイといった熱帯性魚類や、アラメやホンダワラなど珍しい海藻類も見られます。
※玄海海中展望塔は2024年3月31日まで、改修工事に伴い休館しています。
波戸岬 基本情報
- 住所:〒847-0404 佐賀県唐津市鎮西町波戸1628−1
- アクセス:唐津バスセンター(大手口:JR唐津駅から徒歩約6分)から昭和バスで約50分「波戸岬」バス停下車
※呼子発9時~16時は、呼子でジャンボタクシーに乗り換え
浜野浦の棚田
小さな入り江に面した浜野浦地区は、玄界灘に面した海岸から駆け上がる階段のように、斜面を幾重にも連なる棚田が覆っています。
日々の天候によって自然の景色を映し出し、大きさも形も地形に合わせて造形されてきた棚田は「千枚田」などとも呼ばれ、急峻な土地の多い日本では、稲作が始まった時代から続く風景です。
特に4月下旬から5月上旬の代掻きから田植え後の時期は、水の張られた棚田が水鏡のように夕陽を映して非常に美しく、畦道が描く幾何学的模様は、どんなアートにも勝るとも劣りません。
浜野浦の棚田は「日本の棚田百選」や「第2回美しい日本のむら景観コンテスト」「佐賀県遺産」などにも選ばれたほか、「恋人の聖地」にも認定され、幸せの鐘「エターナルロック」も設置されました。
浜野浦の棚田 基本情報
- 住所:〒847-1433 佐賀県東松浦郡玄海町浜野浦
- アクセス:唐津バスセンター(大手口:JR唐津駅から徒歩約6分)から昭和バスで約35分「金の手」乗換え「浜野浦の棚田」バス停下車
武雄・嬉野周辺エリアの観光スポット
待望の九州新幹線西九州ルートが開業し、新たな観光ルートとして注目されている武雄・嬉野エリア。
古くから温泉に恵まれるほか、お茶どころとしても知られます。
世界からも注目を集める武雄温泉・嬉野温泉周辺エリアの観光スポットを巡っていきましょう。
武雄温泉
武雄温泉は今からおよそ1300年も前に書かれた「肥前風土記」の中で「郡の西の方に温泉の出る巌(いわや)あり・・・」と記された歴史ある温泉で、古くは神功皇后も入浴されたと伝えられています。
江戸時代には長崎街道の宿場町として栄え、宮本武蔵やシーボルト、伊達政宗や伊能忠敬など、名だたる偉人たちも入浴して長旅の疲れを癒したとの記録も残されているそうです。
泉質はアルカリ性単純温泉で、透明で柔らかな湯ざわりが特徴なことから美人の湯と呼ばれ、湯治や宿泊はもちろん、立ち寄り湯を楽しめるスポットも多く、色々な湯が楽しめます。
竜宮城を思わせる朱塗りの楼門(国指定重要文化財)は、東京駅の赤レンガ駅舎を設計した佐賀県唐津市出身の辰野金吾(たつのきんご)氏によるもの。
1915年に建築され、武雄市ならびに武雄温泉のシンボルとなっています。
貸し切り風呂の「殿様湯」は、江戸時代中期、領主・武雄鍋島氏の専用風呂として造られた総大理石の豪華な風呂です。
「江戸参府紀行」には、シーボルトが殿様湯に入浴した様子も紹介されています。
殿様湯のとなりには「家老湯」もあり「殿様湯」とともに、控室付きの貸し切り風呂は家族連れの方に人気があります。
嬉野温泉
西九州新幹線開通に伴い、2022年に佐賀県嬉野市に待望の新幹線駅「嬉野温泉駅」も誕生し、アクセスがより便利になりました。
嬉野温泉は、島根県の斐乃上温泉(ひのかみおんせん)、栃木県の喜連川温泉(きつれがわおんせん)と並んで「日本三大美肌の湯」と呼ばれています。
その昔、神功皇后が戦いの帰りに立寄られ、川中に疲れた羽根を浸していた白鶴が元気に飛び立つ様子を見て、傷ついた兵士を入れてみたところ、沸いていた温泉でたちまち傷が癒えたそうで、それを大変喜ばれた皇后が「あな、うれしいの」と言われたことが、嬉野の地名の由来と伝えられています。
ぬめりのあるお湯は、ナトリウムを多く含む重曹泉で、角質化した皮膚をなめらかにし、みずみずしい肌をよみがえらせます。
飲めば胃腸や肝臓などの機能を活性化させる効果もあるといわれており、内からも外からも美しくなりましょう!
温泉街の中心を流れる塩田川沿いには、日帰り入浴も可能な公衆浴場「シーボルトの湯」があります。
大正ロマンを感じさせる木造2階建てのゴシック風建築物は嬉野温泉の歴史が甦るオレンジ色のとんがり屋根が目印。
大浴場とは別に貸切湯もあり、地元の方や観光客にとっての交流の場・憩いの場としても親しまれています。
また温泉本通りにある「シーボルトの足湯」や、「湯宿広場」の足湯で、気軽に温泉情緒を楽しむことも出来ます。
嬉野温泉 基本情報
- 住所:〒843-0301 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙818-2(嬉野温泉 シーボルトの湯)
- アクセス:JR長崎駅から西九州新幹線で約25分。JR博多駅から特急リレーかもめ・西九州新幹線乗り継ぎで約1時間
嬉野温泉駅から温泉街のバスセンターへはJR九州バスで約15分
【嬉野温泉湯どうふ と 嬉野茶】
嬉野温泉の楽しみは美肌の湯だけではありません!
温泉水を使って調理した湯どうふは嬉野温泉ならではのグルメです。
温泉のアルカリ成分が豆腐のにがりと作用して、トロ~リなめらかな味わいをつくりあげます。
嬉野温泉の旅館の朝食としても人気で、体にやさしく嬉野温泉を体の中から楽しめるメニューです。
有名グルメ漫画にも登場したことで、全国的にも有名になりました。
また嬉野は上質なお茶の産地でもあり、段々畑状に広がる茶畑の風景は嬉野のもうひとつの顔です。
製茶場の見学が行える施設もあり、嬉野茶を使ったスイーツも味わえる店やカフェも増えています。
また、最近では茶畑に囲まれた空間で茶農家さんや専属コンシェルジュによるティーセレモニー体験や、新しいスタイルでお茶の愉しみ方を発信するTea Tourismを展開しています。
御船山楽園
御船山は、その姿が唐船(とうせん)に似ていることから唐船山とも呼ばれています。
この山の西麓に広がるのが御船山楽園です。
武雄領第28代領主・鍋島茂義公が別荘を設けるため、約3年の歳月を費やしてこの地に造園したといわれています。
15万坪もの広さを誇る大庭園を、埋め尽くすかのように数十万の木や花々が、四季折々色づきます。
春は、3月中旬から開催される「花まつり-桜」では、約2,000本の桜が次々と開花し御船山楽園が最も美しく輝く季節を迎えます。
4月中旬から5月上旬にかけての「花まつり-つつじ、大藤、春もみじ」では、色とりどりのつつじが咲き、園内一面つつじの絨毯を敷き詰めたような絶景に。
秋には紅葉が背後の山々にも広がって、日本最大級の紅葉ライトアップでは幻想的な風景が楽しめます。
御船山楽園 基本情報
- 住所:〒843-0022 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
- アクセス:JR「武雄温泉駅」からJR九州バス乗車 約5分「御船山楽園」下車
祐徳稲荷神社
京都の伏見稲荷大社、茨城の笠間稲荷神社と共に「日本三大稲荷」に数えられ、商売繁盛、家運繁栄、交通安全、縁結びなどのご利益があると信仰されています。
境内は、楼門や神楽殿、本殿などで構成され、豪華で美しい外観から「鎮西日光(ちんぜいにっこう:絢爛豪華の意)」と呼ばれています。
境内では春は桜、秋はモミジやイチョウの紅葉が色付き、四季折々の景観を楽しめます。
外苑の東山公園は市内屈指の花の名所で、シーズンには5万本のツツジに加え、桜やコスモス、菜の花が美しい場所として有名です。
祐徳稲荷神社 基本情報
- 住所:〒849-1321 佐賀県鹿島市古枝乙1855
- アクセス:「鹿島バスセンター」から祐徳バス乗車 約10分「祐徳神社前」下車
佐賀元祖忍者村 肥前夢街道
長崎と小倉を結ぶ長崎街道の宿場町として栄えた嬉野。
「佐賀元祖忍者村 肥前夢街道」は江戸時代初期を再現した歴史体験型テーマパークです。
手裏剣打道場、からくり夢屋敷、忍者修行場などの忍者体験に、大道芸や忍者ショーなどを見て楽しむ施設もあります。
土・日曜・祝日には、忍術を楽しく学べる「キッズ忍者アカデミー」を開催!
忍者服に着替え、より本格的に手裏剣修行や刀修行、忍者屋敷でのからくり体験などの忍者修行を楽しめます。
体験後は忍者認定証を授与され、参加回数を重ねていくと忍者名の命名や、免許皆伝 印可状授与といったうれしい特典も!
忍者服レンタルは平日でも利用でき、こちらは子供だけでなく、大人も忍者になりきって楽しめます。
よく当たると評判の東洋易学運命鑑定所 中尾宗倫先生による「本当によく当たる辻占い(手相占い)」も大人気です。(辻占いは毎週 火・金曜は休み)
佐賀元祖忍者村 肥前夢街道 基本情報
- 住所:〒843-0302 佐賀県嬉野市嬉野町大字下野甲716−1
- アクセス:JR武雄温泉駅からJR九州バスで約40分「嬉野バスセンター」下車、徒歩15分
有明海
有明海(ありあけかい)は佐賀県・福岡県・長崎県・熊本県の4県で囲まれた、面積は約1,700km²の内海です。
満潮と干潮の潮位の差「干満差」が日本一で6~7mにも達します。
干潮時の干潟の面積は約8,600ヘクタールで全国の干潟の約4割を占め、日本最大の大きさを誇ります。
有明海に面した川の河口部付近では干潮から満潮にかけて、潮水が下流から上流へ流れる光景を見ることができます。
干満の大きさ・流入河川の多さ・塩分濃度の変化など、その特殊な環境を背景に有明海には多種多様な生物が生息。
その中には、熱帯・亜熱帯の干潟で見かけるカニ「シオマネキ」などの他、「ムツゴロウ」が跳ねる姿も見られます。
特に「ムツゴロウ」は日本では有明海と八代海でしか見ることができない非常に珍しい生物です。
有明海では「佐賀海苔」の養殖も有名です。
多くの河川が流入するこの海は、適度な濃さの海水をもち、豊かな栄養分が含まれており、1日2回の干出により旨みが凝縮されることで、贈答品にも用いられる高級品「佐賀海苔」独特の味が作られます。
有明海 基本情報
- 住所:〒849-1323 佐賀県鹿島市大字音成甲4427-6(道の駅鹿島)
- アクセス:佐賀空港から車で約15分、JR長崎本線 肥前七浦駅より徒歩で約5分
【鹿島ガタリンピック】
鹿島市には、全国でも数少ない有明海の干潟を体験・学習できる「道の駅鹿島」があります。
ここでは、干潟に全身で入る「干潟体験」や、「棚じぶ」や「むつかけ」と呼ばれる有明海伝統の漁法を体験することができます。
※ちなみに、地元では干潟のことを「ガタ」、ムツゴロウのことを「むつ」と呼ぶそうです。
道の駅鹿島のある七浦海浜スポーツ公園で行われるのが、有明海の干潟を舞台にしたスポーツの祭典「鹿島ガタリンピック」。
1985年に地元の若者達に呼びかけ結成した、むらおこしグループ「フォーラム鹿島」によってスタートしたイベントです。
今や日本全国だけでなく海外からも留学生らが参加して、参加者2,000人、観客動員数は約35,000人にも及びます。
出場者は、干潟に入るときに必要なガタ足袋を履き「むつかけ」に使う「ガタスキー」に乗って競う「人間むつごろう」、ブレーキのない自転車で干潟に渡した一本道を漕ぐタイムレース「ガタチャリ」など、各種の競技を全身泥だらけになって笑顔で競い、干潟を楽しんでいます。
参加(出場)は事前に公式ホームページで登録が必要ですが、観覧は無料なので地元ならではのイベントをこの機会にぜひ!
第40回となる2024年は、6月2日(日)で開催決定!参加募集は4月中旬から、詳細は公式ホームページをご確認ください。
鹿島ガタリンピック 基本情報
- 住所:〒849-1323 佐賀県鹿島市大字音成甲4427-6(道の駅鹿島)
- アクセス:駐車場はありませんが、祐徳稲荷神社駐車場より無料シャトルバスにて会場まで送迎があります。
- 開催時期:毎年5月下旬〜6月初旬頃
大魚神社の海中鳥居
約300年前、有明海沖の孤島・沖の島に置き去りにされた代官が大魚(ナミノウオ)に救われ、 いたく感謝した代官は魚の名を取って「大魚神社」を建て、海の神様を敬うために、この大魚神社と沖の島へと続く海中に3基の鳥居を建立したと言われています。
潮の干満差日本一の有明海に面する太良町は「月の引力が見える町」と呼ばれ、潮の干満によって表情を変える人気撮影スポットになっています。
佐賀県立宇宙科学館「ゆめぎんが」
「宇宙発見ゾーン」「地球発見ゾーン」「佐賀発見ゾーン」の3つのゾーンの常設展示と、プラネタリウム、天文台があり、参加体験型の展示物や各種ワークショップを通して、宇宙への夢や科学の不思議、地球の神秘などを楽しく学ぶことができる施設です。
銀色に輝く独特な外観は、それ自体がまるで未来の大型宇宙船や宇宙基地を連想させます。
限りなく自然な星空を再現したプラネタリウムは、2023年3月にリニューアル。
最新鋭の全天周デジタル映像投影システムと次世代型のコンテンツ配信システムを導入し、幅広い映像体験を可能にした施設に生まれ変わりました。
天文台の大型望遠鏡では月や惑星、太陽を観察でき、土曜の夜に開催する「天体観望会」のほか、昼間に太陽や金星などを観察する「青空天文台」も開催しています。
2024年3月23日に「宇宙発見ゾーン」が全面リニューアルオープン!
JAXAの協力による展示も加え、5つのmissionをテーマにした内容に生まれ変わりました。
佐賀県立宇宙科学館 基本情報
- 住所:〒843-0021 佐賀県武雄市武雄町永島16351
- アクセス:JR武雄温泉駅から祐徳バスで約7分「永島」バス停下車徒歩15分 ※土日祝のみ「宇宙科学館前」バス停に停車します。
有田・伊万里周辺エリアの観光スポット
有田焼と有田町
有田焼(ありたやき)は、長崎県との県境、佐賀県西松浦郡有田町およびその周辺地域で製造されている磁器のことを言います。
町の郊外にある「泉山」にて、磁器の原料となる良質な陶石が発見されたことから、日本で初めて磁器の大量製造が行われました。
江戸時代には「伊万里焼」または「肥前焼」と呼ばれましたが、明治時代以降に「有田焼」の名称が使用されるようになり、有田町は「やきものの町」として知られています。
毎年、春の連休に開催される「有田陶器市」は、町内のいたるところに焼き物を扱う店が並び、色とりどりの磁器や種類豊富な食器類を求めて、九州だけでなく全国から約100万人もの人で賑わう一大イベントです。
11月下旬には「秋の有田陶磁器まつり」が開催され、買い物はもちろん、窯元では薪による窯焚きの特別公開が行われるなど、「やきものの町」を体感できるイベントとなっています。
日本の伝統工芸品にも指定される「有田焼」の窯元や店が建ち並ぶ内山地区は、江戸時代後期から昭和初期に建てられた屋敷や、商家など、歴史的に価値の高い建物が数多く残っており、1991年に「国の重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。
窯の煙突が立ち並ぶ風景や、登り窯の構築に使った耐火レンガの廃材「トンバイ」を、赤土で塗り固めて造ったトンバイ塀が見られる路地など「やきものの町」を感じられる街並み散策も観光客に人気です。
有田ポーセリンパーク
世界の陶磁器に影響を与えた有田焼の里ならではのテーマパークで、ポーセリンとは英語で磁器を意味します。
有田ポーセリンパークで、まず目にするのが「ツヴィンガー宮殿」でしょう。
パークのシンボルともいえる建物で、 18世紀初頭のドイツ・バロック建築の華といわれたドイツ・ドレスデンにあるツヴィンガー宮殿を忠実に再現した華麗な建物です。
17世紀、ヨーロッパにも輸入されていた古伊万里や柿右衛門様式の有田磁器は王候貴族を魅了。
ドレスデン博物館には膨大な数の古伊万里や柿右衛門様式の有田磁器があることがわかり、宮殿を飾るだけでなく、ドイツのマイセン窯などでその技法が模倣されました。
その後これら有田磁器の日本への里帰りや様々な交流を経て、有田町とマイセン市は姉妹都市提携を結んでいます。
広々とした園内には、四季折々の花々と鮮やかな緑が心を癒してくれるバロック庭園など、随所に配されたガーデン、登り窯、当時の工房の様子を表現した陶壁画などがあり、有田焼体験工房では、湯呑や茶碗、皿への絵付け、手びねりやろくろによる陶芸体験ができます。
また、酒造メーカーの運営であることから、隣接した「有田蔵」では、焼酎や清酒の製造工程などの酒蔵見学も楽しめ、宮殿、庭園、登り窯、酒蔵と、見どころ満載で充実した時間を過ごせる観光スポットとなっています。
※①飲食店は団体客(10名以上)のみ受付。②展示館は閉鎖しました。
③酒蔵見学は(要予約・土日祝日は工場がお休みのため、
有田ポーセリンパーク 基本情報
- 住所:〒844-0014 佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙340-28
- アクセス:JR佐世保線 有田駅から車で約8分、西九州道 波佐見有田ICから車で約3分
陶山神社
有田皿山代官の命により1658年に創建された「有田皿山宗廟八幡宮」。
その後明治期に、地区の総称に因んで「陶山神社」と命名されました。
有田の総氏神・陶磁器之神、有田焼陶祖神として現在まで、有田町民を始め、焼き物に従事する多くの方々らに崇敬され、一般には「やきものの神様」として親しまれています。
境内には奉納された江戸・明治・大正から現代まで数々の陶磁器がありますが、陶山神社の一番の見どころは、国の有形文化財に登録された神社拝殿前の「磁器製明神鳥居」でしょう。
他の神社の鳥居は、ほとんどが石造や木製ですが、「やきものの神様」陶山神社の鳥居は磁器製で、白磁に淡い藍色の唐草文様が美しく描かれています。
1888年に陶工達が奉納したもので、いまや有田のシンボル的存在ともなっています。
神社の奥の本殿を囲う玉垣も磁器製で、こちらは有田町の重要文化財に指定されています。
また陶山神社は、境内をJR佐世保線が通っていることでも有名で、青銅製の大きな狛犬が見守る参道の踏切を特急電車が通る珍しい光景は、TV番組でも紹介されました。
秘窯の里 大川内山
大川内山(おおかわちやま)は焼き物(磁器)の里・有田の中でも、江戸時代に佐賀藩(鍋島家)の藩直営の窯・御用窯(ごようがま)が置かれた地で、朝廷や将軍家・各国の諸大名などへの献上品となる焼き物(鍋島焼)が焼かれていました。
高度な技術を持つ陶工達を集めて、その技術が他に漏れないようにするため、三方を険しい山で囲われた伊万里大川内に関所を設けることで技術を守ったとされています。
そのことから、大川内山は「秘窯の里」と呼ばれ、現在も30軒の窯元がその伝統、技法を現在の伊万里焼に受け継いでいます。
大川内山は狭い谷あいの鍋島藩窯坂を中心に窯元や藩窯公園があり、街並みを「みて歩き」で楽しめます。
水墨画のような奇岩や背後の青螺山と窯場の煙が織りなす景色は、四季を通じて秘窯の里ならではの演出といえるでしょう。
大川内山の入口にあたる関所を通り陶工橋を渡った先には、白磁の焼物が風鈴の様に飾られた「めおとしの塔」が観光客ら訪れる人々を、澄んだ音色で出迎えてくれます。
これは、鍋島藩窯時代から焼き物を叩いてその音色で良し悪しを選別していた「めおとし」の技を再現したもので「日本の音風景100選」にも選ばれています。
いかがでしたか?
意外と知られていないと思われがちな佐賀県が、実は「がばい(すごい)」魅力あふれる観光スポットが目白押しなことが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
もちろん魅力ある佐賀の観光スポットはこれだけではありません!
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