九州の魅力は、雄大な自然や温泉、グルメにとどまらず、各地で開催される長い歴史と伝統あるお祭りも欠かせません。
年間を通じて開催される四季折々のお祭りを目的に全国各地から観光客が訪れます。
そんなお祭り大国九州の、多彩でユニークな各地のお祭りを季節ごとに紹介していきます。
※開催日程は変更される場合もあります。公式ホームページにてご確認ください。
春(3~5月)
【佐賀県】有田陶器市
有田陶器市は、佐賀県有田町の町全体が会場となる陶器市です。
この市場には九州を中心に全国から約120万人が訪れ、大いに賑わいます。
明治時代、この地域では黒髪山(くろかみやま)に来るお遍路(おへんろ)さんたちに町の商人たちが半端物や等外品をざるや箱に入れて大売出しをしていたのが有田陶器市のはじまりです。
【長崎県】波佐見陶器祭り
波佐見(はさみ)陶器祭りは毎年ゴールデンウィーク中に開催され、約150店が出店し、約30万人が訪れる人気の陶器市です。
この陶器市では様々なブランドのお皿を安価で購入することができます。
やきもの公園が会場となり、観光するにも素敵な場所で公園内には世界を代表する窯が12基再現されています。
【福岡県】柳川雛祭り
柳川地方では昔、女の子が生まれると子どもの成長を願い、雛壇と共にカラフルな「さげもん」を飾り、盛大にお祝いする習慣がありました。
それが柳川雛祭りであり、町の観光施設やお土産店などに「さげもん」を飾り付け、お祭りを町全体で盛り上げます。
「さげもん」とは布細工と鮮やかな糸で巻き上げた柳川まりを組み合わせたもので、子どもの「幸福」「健康」等の願いが込められています。
【福岡県】博多どんたく港祭り
約840年前に始まったとされる伝統的な民俗行事「博多松囃子」を起源とし、長い歴史の中で受け継がれ、現在では「福岡市民の祭り」として親しまれています。「どんたく」はオランダ語で休日を意味する「Zondag(ゾンターク)」が語源と言われています。
例年5月3日、4日に開催され、伝統の博多松囃子がパレードの幕開けを飾り、その後ろを様々な仮装をした「どんたく隊」が街の中を練り歩きます。
また、市内各所に設置されている舞台でも踊りが披露され、たくさんの見物客が訪れます。
【熊本県】阿蘇神社の火振り神事
火振り神事はカヤに火をつけたものを振り回す様子が印象的です。
この行事は田作り祭の一部で「阿蘇の農耕祭事」として国の重要無形民俗文化に指定されています。
火振り神事が行われる阿蘇神社は全国に約500社ある阿蘇神社の総本社であり、約2300年もの歴史を持つ神社です。
【鹿児島県】薩摩のひなまつり
このお祭りが開催される仙厳園(せんがんえん)では、例年2月上旬~4月上旬にかけて見頃を迎える約150本の美しい桜の木々と共にお祭りを楽しむことができます。
曲水(きょくすい)の庭に流れる小川で盃(さかずき)を浮かべて和歌を詠む「曲水の宴(きょくすいのうたげ)」が開催されます。
夏(6~8月)
【福岡県】博多祇園山笠
博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)は約780年続く櫛田(くしだ)神社の奉納神事(ほうのうしんじ)で、その起源は、1241年に博多に疫病が流行した際、祈祷水(きとうすい)を撒いて町を清め、疫病退散を祈願したことが始まりとされています。
博多祇園山笠は毎年7月1日~15日に開催され、期間中、博多の町は山笠一色に染まります。
【熊本県】山鹿灯籠まつり
山鹿灯籠(やまがとうろう)まつりとは昔、宿場町や交易の中継地として栄えた山鹿の町で大切に守られてきた伝統的なお祭りです。
第12代景行天皇(けいこうてんのう)が巡幸(じゅんこう)した際に山鹿の人々は天皇を祀り、松明(たいまつ)の代わりに灯籠を用い始めるようになったのが山鹿灯籠まつりのはじまりと伝えられています。
まるで金属でできているような見た目の山鹿灯籠は「灯籠師(とうろうし)」と呼ばれる専門の職人がひとつひとつ手作業で手すき和紙と糊(のり)だけで作っています。
山鹿灯籠まつりでは金灯籠を頭にのせて、浴衣姿の女性たちが「山鹿灯籠踊り」を踊ります。
秋(9~11月)
【佐賀県】佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
毎年10月下旬~11月上旬にかけて、佐賀市嘉瀬川(かせがわ)河川敷で開催されるアジア最大級の国際熱気球大会です。
会場となる嘉瀬川河川敷は様々な気候条件がそろいバルーン大会を開催するのに理想的な土地です。
競技飛行での約100機を超えるカラフルなバルーンが一斉に浮かび上がる光景は、ここでしか見ることができない絶景です。
夜にはバーナーの炎に照らし出された熱気球が上空に上がり幻想的な景色も見ることができます。
- 住所:〒849-0936 佐賀県佐賀市鍋島町(佐賀バルーンフェスタ一般駐車場)
- アクセス:JR佐賀駅から電車で約5分
【佐賀県】唐津(からつ)くんち
唐津神社で毎年11月2日~4日に開催され、かけ声に合わせて曳山(ヤマ)が町を駆け抜ける勇壮(ゆうそう)なお祭りです。
曳山は県の重要有形民俗文化財、曳山行事は国の重要無形民俗文化財に指定されており、最近では全国33件「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の1つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
【長崎県】長崎くんち
長崎くんちは諏訪神社で祭礼行事として開催される約300年の歴史を持つ伝統的なお祭りで、1634年に2人の女性が諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことがはじまりと言われています。
1979年2月3日に国の重要無形民俗文化財に指定されています。
踊りを奉納する町を「踊町(おどりちょう)」と言い、7年に1度出番がまわってきて、開催中にはアンコールを意味する「モッテコーイ」のかけ声が町中に響きます。
毎年10月7日~9日の3日間開催され、長崎市民をはじめ全国から多くの観光客が訪れます。
【大分県】日田(ひた)千年あかり
約3万本の竹灯籠(たけとうろう)が日田の町を照らし出す幻想的な雰囲気が印象的な美しい景色は「大分三大灯り」の1つとして親しまれています。
このお祭りは市の指定保存樹林に侵入した竹によって森林が破壊されるのを防ぎたい、林業が盛んな日田の自然を守りたいという、地元の人たちの思いから開催されました。
煌びやかな竹灯籠により、昼間とは違った夜の町歩きを楽しむことができます。
【宮崎県】神話の高千穂夜神楽(よかぐら)まつり
高千穂に古くから受け継がれ「高千穂の夜神楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。
このお祭りは天照大神が天岩戸(あまのいわと)に隠れた際、岩戸の前で天鈿女命(あまのうずめのみこと)が舞い踊ったのがはじまりと言われています。
2日間に渡り開催され、高千穂神社の境内は観光客で賑わいます。
- 住所:〒882-1101 宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1037
- アクセス:高千穂バスセンターから徒歩で約15分
冬(12~2月)
【長崎県】長崎ランタンフェスティバル
冬の風物詩とも言えるこのお祭りは、長崎市の新地中華街に住む人々が旧正月(春節)を祝い、ランタンが中華街を埋め尽くします。
開催場所は、新地中華街会場、中央公園会場、唐人屋敷(とうじんやしき)などの会場があり、それぞれグルメやショー、イベントなど見どころ満載です。
【長崎県】ハウステンボス光の王国
長崎ハウステンボスはヨーロッパの街並みを再現したテーマパークであり、世界最大級規模のイルミネーションを観ることができます。
「全国イルミネーションランキング」では10年連続で1位を獲得しており、約1,300万球のイルミネーションが園内を輝かせます。
また1年を通してイルミネーションを観ることができ、四季折々の期間限定スポットや演出を楽しむことができます。
【長崎県】yosakoi佐世保まつり
九州を代表するお祭りで、迫力あるyosakoiの演舞を観ることができます。
名切公園をメインの会場とした各会場で、約180チームのYOSAKOIが披露されます。
町全体がお祭りムードに包まれ、音楽に合わせ鳴子を鳴らし力強く踊る様子はとても熱気があり迫力満点です。
終わりに
九州は季節を問わず、楽しめる人気観光地です。
多彩でユニークな熱気のある九州祭りは、見る価値あり!!
ぜひ、一度温泉やグルメと共にお祭りを目的にした、九州旅行へ出かけてみてはいかがでしょうか。