四国の北西部に位置し、瀬戸内海に浮かぶ島々からなる愛媛県。
日本最古の温泉「道後温泉」、日本三大平山城である「松山城」をはじめ、県内各地に観光スポットが点在。
愛媛県の王道から、隠れた名所まで魅力ある観光地をエリア別に厳選してご紹介します!
愛媛県へのアクセス
飛行機で
愛媛県の空の玄関口は松山空港。JR松山駅から車やバスで約15分とアクセスしやすい距離です。
東京(羽田・成田)、伊丹、名古屋(中部)などからフライトが就航しています。
■就航都市&所要時間(一例)
東京(羽田空港・成田空港)⇔ 松山空港
所要時間:約1時間30分~約1時間50分
大坂(伊丹空港)⇔松山空港
所要時間:50分
名古屋(中部国際空港)⇔ 松山空港
所要時間:約1時間
電車で
JR岡山駅から特急「しおかぜ」で松山駅まで約2時間40分
松山市内の交通
松山市内は伊予鉄道が運行する市内電車の利用が便利。
松山市駅を拠点に市内6路線が運行しており、道後温泉、松山城へのロープウェイ乗り場など主な観光スポットへアクセスできます。
中予エリア(松山市・伊予市・久万高原町)の観光スポット
道後温泉
愛媛県の代表的な観光地でもある道後温泉。日本最古の温泉と言われ、夏目漱石の名作『坊っちゃん』にも登場しています。
ほかにもさまざまな文献に登場している道後温泉には古代・白鷺(しらさぎ)の伝説があります。
けがを負い苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から噴出する温泉を見つけ、毎日訪れ足を温泉に浸け続けていると傷が完治。
これを見た人達は驚き、入浴してみたらいつの間にか病気や疲労が回復したのをきっかけに道後温泉を盛んに利用するようになったとか。
街のシンボルでもある道後温泉本館は、日本の公衆浴場として初めて1994年に国の重要文化財に指定され、今もなお公衆浴場として営業しています。
現在はその道後温泉本館を中心にグルメやお土産店が軒を連ね、全国各地から観光客が訪れます。
※道後温泉本館は現在、保存修理工事中です。休憩室がある2階以上は休館していますが、1階霊の湯で入浴はできます。
令和6年7月11日(木曜日)から全館営業予定です。
- 住所:〒790-0842 愛媛県松山市道後湯之町5-6(道後温泉本館)
- アクセス:JR松山駅前から道後温泉駅まで市内電車で約25分、道後温泉駅から徒歩約5分
松山城
江戸時代以前に築造された天守が現代に残っているのは全国で12城(現存12天守)しかなく、その中の一つが愛媛県の松山城です。松山城の特徴は重要文化財に指定されている建物が非常に多いことで、天守のほか、櫓(やぐら)6棟、門7棟、塀7枚が重要文化財に登録されています。
標高132mと高い位置に作られた天守からは松山市内や瀬戸内海が一望できます。
ちなみに132mまで登るのは大変なので、リフトやロープウェイを使って8合目付近まで行くこともできます。
- 住所:〒790-0008 愛媛県松山市丸之内1
- アクセス:JR松山駅前から市内電車で約10分、大街道駅から徒歩約5分でロープウェイ・リフト乗り場へ。
坊っちゃん列車
坊っちゃん列車とは明治21年から67年間、松山から三津間を走っていた伊予鉄道会社の蒸気機関車で、当時生活の足として松山市民を支えていました。その後、電車の進出に伴い姿を消した坊っちゃん列車でしたが、復活を願う地元の人々の熱い声を受け復活し、現在はディーゼル機関車で復元され、道後温泉駅から松山市駅間をレトロ感漂う車両で運行しています。
また、乗務員の制服も当時のデザインを復元したもので、非常に可愛らしいデザインになっているのでお見逃しなく!
- 住所:〒790-0843 愛媛県松山市道後町1-10-12(上り線始発道後温泉駅)
- 運行区間:【1】道後温泉⇔松山市駅、【2】道後温泉⇔JR松山駅前⇔古町
坂の上の雲ミュージアム
日本の近代化を題材にした司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』をテーマにした博物館。小説には、近代国家形成期の明治を生きた人々や起きた出来事などが描かれており、その内容をテーマにした展示などが行われています。
建物は、世界的建築家の安藤忠雄氏の設計で、松山城がある城山公園のすぐそばに建ち、周辺の自然と調和したつくりになっています。建築物としても見どころ十分で、海外からの観光客も訪れています。
- 住所:〒790-0001 愛媛県松山市一番町三丁目20番地
- アクセス:JR松山駅前から大街道駅まで市内電車で約10分、大街道駅下車徒歩約2分
JR下灘駅
JR下灘駅(しもなだえき)は愛媛県伊予市双海町大久保にあるJR予讃線の無人駅です。
この駅は何一つ遮るものがなくホームから伊予灘を一望できます。
ホームのベンチに佇んで海と空を眺める時間は、まさに癒しのひととき。
ロケーションの良さから過去に映画やドラマの撮影地になり、その絶景を見ようとこの駅に降り立つ人も多い。
また、双海町は「しずむ夕日が立ちどまるまち」という愛称でも親しまれ、晴れた日の夕刻には夕日で辺り一面がオレンジ色に染まる美しい光景も見られます。
四国カルスト
愛媛県と高知県の県境にまたがり、標高1,000mから1,500mに連なる四国カルスト。
カルストは石灰岩が雨などによる浸食で地表に現れた地形のことを言います。
四国カルストは日本三大カルストの一つで、東西約25kmに渡って続いており、日本最長のカルストと言われています。
草原の緑に白い石灰岩のコントラストが美しく、壮大な自然景観はまるで海外のよう。
天狗高原から大野ヶ原まで続く四国カルスト縦断線は、美しい草原風景を見ながら走れる絶好のドライブルートです。
東予エリア(今治市・西条市周辺)の観光スポット
今治城
今治城は築城の名手藤堂高虎(とうどうたかとら)が築きました。
「日本三大水城」の一つと言われ、日本では珍しい堀に海水を引き入れた特殊な構造で建てられています。
城内には直接海につながる船入(港)が設けられていました。
昭和55年からは建造物の再建が進み、天守や櫓、門などが復興され、雄大な城郭の姿を見せています。
天守最上階の展望台からは、瀬戸内海や来島海峡(くるしまかいきょう)大橋、石鎚(いしづち)連峰を一望する絶景が広がります。
また、夜間の幻想的なライトアップも必見です。
しまなみ海道
広島県尾道市と愛媛県今治市の間に浮かぶ島々を9つの橋で結んだ全長約60kmの自動車専用道路です。
正式名称は西瀬戸自動車道ですが“瀬戸内しまなみ海道”の愛称で親しまれ、今治市はその玄関口にあたります。
自動車専用道路ですがサイクリングロードが併設され、美しい海と島々に架かる橋が織りなす絶景を眺めながら爽快に走れるサイクリストの聖地として、海外からも観光客が訪れるほどです。
タオル美術館
今治市の特産品であるタオルがテーマの美術館です。いつ、どんな時に訪れてもアート、自然、豊かな時間があたたかく、優しく迎えてくれるココロとカラダを癒すとっておきの場所。
タオルアートの展示や、カラフルなタオルが一面に並べられた壁など、見ているだけでも楽しい仕掛けが盛り沢山。
他にも綿から糸、糸からタオルになるまでの製造工程を見学できます。
お土産におすすめのタオルを買えるタオルショップやレストラン、カフェもあり充実。
屋外にはガーデンエリアもあり、メタセコイアの並木道で散策も楽しめます。
※一部の展示やタオルの製造工程の見学は有料となります。
来島海峡大橋
愛媛県今治市と大島の間の来島海峡に架かる橋で、しまなみ海道で最大規模を誇ります。
急潮流や、渦潮、瀬戸内の島々を眺めながら、自転車や徒歩でゆったりと渡ることができます。
総延長は約4kmもあり、世界初の3連吊橋としても有名で、巨大な船でも楽々と通り抜けることができます。
また来島海峡大橋を展望するなら「糸山展望台」と大島の「亀老山(きろうさん)展望台」からの眺めがおすすめ。
時季により霧が発生し、運が良ければ霧の中にそそり立つ来島海峡大橋を見ることができます。
しまなみ来島海峡遊覧船
「日本三大急潮(きゅうちょう)」として有名な来島海峡(くるしまかいきょう)では遊覧船での観光が人気です。
遊覧船では、迫力ある潮流を間近で眺められるだけでなく、世界初の三連吊橋「来島海峡大橋」を真下から見る「橋くぐり」など貴重な体験ができます。
また、日本一の海事都市”今治”を象徴する「造船所群」を間近での見学、戦国時代の村上海賊の拠城跡である「来島」、明治時代に建てられた芸予要塞(げいよようさい)の砲台跡が残る「小島」など歴史的に貴重な島々を巡ります。
- 住所:〒794-2114 愛媛県今治市吉海町名4520-2(道の駅 よしうみいきいき館 しまなみ来島海峡遊覧船乗船場)
- アクセス:大島南ICから車で約5分
亀老山展望公園
大島の南端にある亀老山(きろうさん)展望公園にはしまなみ海道随一とも言われる眺望を持つ展望デッキがあり、有名建築家の隈研吾氏が設計しました。
標高307mにある展望デッキからはしまなみ街道の島々と来島海峡(くるしまかいきょう)大橋をベストな高さ、距離から眺めることができます。
景色と共にどこを切り取っても美しい展望デッキのつくりにも注目してみてください!
大山祇神社
しまなみ海道の島々の中で最も大きい大三島。
その大三島に鎮座しているのが大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)です。
全国に1万ほどある山祇神社と三島神社の総本社で、古来から日本総鎮守(にほんそうちんじゅ)とされていました。
境内には樹齢約2,600年の御神木の大楠があり神聖な雰囲気に包まれています。
大楠からさらに進むと本殿、拝殿があり、いずれも国の重要文化財に指定されています。
大山祇神社でぜひ訪れたいのが宝物館。
国宝や国の重要文化財の指定を受けた武具類の約8割が保存、展示されています。
日本最古の平安中期の鎧をはじめとした甲冑の保存は全国一です。
- 住所:〒794-1393 愛媛県今治市大三島町宮浦3327
- アクセス:今治北ICから西瀬戸自動車道経由で大三島ICへ。大三島ICから車で約10分。
石鎚山
愛媛県西条市と久万高原町の境界に位置する石鎚山(いしづちさん)は標高1,982mある西日本最高峰の山です。
また「日本百名山」「日本百景」「日本七霊山」の一つであり、霊峰石鎚山と呼ばれています。
2つの登山コースがありロープウェイを利用して成就社(じょうじゅしゃ)から登る「成就ルート」と土小屋から登る「土小屋ルート」があります。
登山のおすすめ時期は5月~10月頃。
とくに秋の紅葉シーズンは多くの登山客が訪れます。
山頂からは瀬戸内海や土佐湾、中国地方や九州地方まで遠望することができます。
南予エリア(大洲市・宇和島市・内子町)の観光スポット
大洲城
木造復元の天守として知られる大洲城。
築城は鎌倉時代末期に始まったと言われ、その後築城の名手「藤堂高虎」らによって修築されました。
明治維新後に解体が始まりましたが、台所櫓をはじめとする4つの櫓は解体を免れ、国の重要文化財に指定されています。
天守は2004年に復元され、木造の復元天守としては日本一の高さ(19.15m)を誇ります。
青島
青島とは瀬戸内海に浮かぶ、手つかずの自然に恵まれた人口わずか5人(※)の島です。
夏目漱石の小説「坊っちゃん」にも登場した島でもあります。
この島が有名になったきっかけは100匹以上の猫たち。
「猫島」の愛称で親しまれ、猫好きの観光客が多く訪れます。
船着き場を下りた瞬間から多くの猫が出迎え、人慣れしている猫が近寄ってきて触ることもできます。
ただし、猫の健康や島の環境保全のため猫への餌やりは行わない等のルールがあります。
島内には「青島神社」があり、矢楯彦命(やたてひこのみこと)と矢楯姫命(やたてひめのもこと)が御祭神として祀られています。
青島は商店や宿泊施設がありません。飲み物などは事前に準備する必要があります。
※人口は2023年2月時点、出典:愛媛県庁ホームページより
内子町
愛媛県のほぼ中央に位置する内子町。江戸時代後期から明治時代にかけて植物性油脂の木蠟(もくろう)の生産で栄えていました。
中でも八日市・護国地区は当時建てられた商家や町家など伝統的な家屋が今も軒を連ね、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
また、八日市・護国地区から徒歩10分ほどの距離にある「内子座」も必見。
大正5年に建てられた木造の芝居小屋で、昭和60年に復元されました。
現在も現役の劇場として使用されており、建物内も歴史を感じる趣深い雰囲気が感じられます。
※内子座は令和6年9月より改修工事のため約4~5年間閉館する予定です。
宇和島城
宇和島湾に面して位置し、松山城と同じく現存する天守があるお城の一つで国の重要文化財に指定されています。「築城の名手」とも呼ばれた藤堂高虎(とうどうたかとら)により築かれた宇和島城は城郭に特徴があり、上空から見ると不等辺五角形になっています。
1615年に伊達政宗の長子である伊達秀宗が入城して以来伊達家代々の居城となりました。
終わりに
愛媛県の魅力は伝わりましたでしょうか?
歴史と文化に触れ、絶景と温泉に癒され、グルメや街歩きが楽しめる愛媛県にぜひ、リフレッシュの旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
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