日本最大級の砂丘”日本一の砂場“こと「鳥取砂丘」が有名な、山陰地方を代表する観光地「鳥取県」。
世界初の砂を素材にした彫刻作品を展示する「砂の美術館」など人気観光地が点在しています。
県西部では、日本名峰ランキングでベスト3に選ばれた「大山(だいせん)」、日本最大級のフラワーパーク「とっとり花回廊」なども魅力です。
この記事では、魅力的な観光地が多く、冬の味覚の王者「松葉がに」の漁獲量日本一を誇る「蟹取県」や、全国星空継続観察において星の見えやすさで何度も日本一となった「星取県」としてもPRしている鳥取県のおすすめ観光スポットを掘り下げて紹介していきます。
鳥取県東部(鳥取市周辺)おすすめ観光スポット
まずは鳥取県の県庁所在地鳥取市を中心に、周辺の岩美(いわみ)町、若桜(わかさ)町、八頭(やず)町、智頭(ちづ)町など、県東部にあるおすすめ観光スポットを紹介していきます。
鳥取砂丘
鳥取県を代表する観光地「鳥取砂丘」は、鳥取市の日本海沿いに広がる日本最大級の海岸砂丘です。
東西に16km、南北に2.4kmにわたる広大な砂地が広がっています。
山陰海岸国立公園の特別保護地区に指定され、一部は1955年に砂丘唯一の国指定天然記念物、2007年に日本の地質百選にも選定されました。
また、鳥取砂丘を含めた日本海沿岸は、鳥取、兵庫、京都の3府県にまたがる「山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク」に認定されています。
「鳥取砂丘ビジターセンター」は、砂丘の見どころや歩き方を紹介している、砂丘観光の拠点となる施設です。
ビジターセンターを起点に「馬の背」と呼ばれている第2砂丘列や「オアシス」、風と砂が織りなすエキゾチックな風景の「風紋」エリアや、急斜面に囲まれたくぼ地「追後(おいご)スリバチ」などを巡る観光ルートでおおよそ1時間くらいです。
砂丘では、ラクダやセグウェイに乗ったり、サンドボードで斜面を滑ったり、パラグライダーで空中散歩を楽しむこともできます。
また砂丘の横には鳥取の名産品でもある「らっきょう畑」があり(鳥取県は出荷量日本一)、らっきょうの花は秋に見ごろを迎えるので、この時期に合わせて観光に行くのもよいでしょう。
レンタカーで砂丘観光される場合には、砂丘センター見晴らしの丘からスタートするのもおすすめです。
砂丘センター及び隣にある市営駐車場が無料で利用できるうえ、リフトを使ってちょっとした空中散歩気分でワクワクしながら片道約5分程度で行くことができます。
鳥取砂丘 基本情報
- 住所:〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2164-971(山陰海岸国立公園 鳥取砂丘ビジターセンター)
- アクセス:JR鳥取駅バスターミナルから路線バスで約20分「砂丘会館」または「砂丘東口」バス停下車
土・日・祝日などは鳥取周辺観光ループバス「ループ麒麟獅子」も利用できます。
子どもと楽しめる【アイエム電子 鳥取砂丘こどもの国】
子どもと一緒の観光旅行なら、鳥取砂丘とあわせて楽しめるのが「アイエム電子 鳥取砂丘こどもの国」。
砂丘の西側に位置し、子どもの好きなのりもの遊具や、本物のSL(蒸気機関車)やはたらく車(消防車や救急車)で遊べます。
「大型の木製遊具」や「ぼうけん広場」に「噴水広場」や「水の遊び場」もあるので、暑い日でも涼しく遊べる点もポイント。
砂や粘土を用いての造形や絵付けができる「砂の工房」、サンドブラストや木工工作ができる「木工工房」もあって、観光だけでなく創作体験も可能です。
アイエム電子 鳥取砂丘こどもの国 基本情報
- 住所:〒680-0001 鳥取県鳥取市浜坂1157-1
- アクセス:JR鳥取駅から路線バスで約20分「こどもの国入口」バス停下車徒歩10分
土・日・祝日などは鳥取周辺観光ループバス「ループ麒麟獅子」も利用できます。
遊んだ後におすすめの【砂丘に近い温泉】
砂丘でめいっぱい観光した後、お風呂や温泉でさっぱりしたい時には、こちらをご紹介します。
鳥取砂丘から岩戸海岸方面へ車で約10分のところにある「鳥取市福部砂丘温泉ふれあい会館」は、鳥取砂丘に湧く天然温泉を利用した入浴施設です。
泉質はカルシウム・ナトリウム塩化物・硫酸塩泉で、効能は動脈硬化症や慢性婦人病、慢性皮膚病、きりきず、やけどなど。
2階の展望浴場からは、男湯からも女湯からも日本海の雄大な景色が楽しめ、観光客にも好評です。
鳥取市福部砂丘温泉ふれあい会館 基本情報
- 住所:〒689-0106 鳥取県鳥取市福部町海士1013-1
- アクセス:鳥取砂丘から岩戸海岸方面へ車で約4分。JR鳥取駅から車で約30分
その他、鳥取市内および隣接する岩美町には鳥取砂丘から車で約35分の範囲内に、源泉かけ流しの温泉施設もたくさんあり、鳥取県東部の5つの温泉(鳥取・吉岡・浜村・鹿野・岩井)は、いなば温泉郷と呼ばれています。
【鳥取温泉】全国でも珍しい、県庁所在地の駅前歓楽街に湧く温泉。
宿泊施設やレトロな雰囲気漂う昔ながらの銭湯など、いずれもJR鳥取駅から徒歩数分とアクセス良好です。
【吉岡温泉】日本一大きな池といわれる湖山池の南に湧く、源泉は約50℃と熱めの温泉。
吉岡温泉会館一ノ湯はフィンランド式のテントサウナも話題になっています。
【浜村温泉】500年の歴史を持つ由緒ある温泉。
地元民謡「貝がら節」にちなみ、貝がらを掲げた子どもたちの像が観光客らを出迎えるJR浜村駅前には足湯があります。
【鹿野温泉】戦国時代に亀井茲矩(かめい これのり)が築いた鹿野の城下町隣に湧く温泉。
「おんな水」といわれるほど肌にやさしい泉質です。
【岩井温泉】1,200年前から続く山陰最古といわれる温泉で、頭に手ぬぐいをのせて、湯かむり唄を歌いながら柄杓で湯をかむるというめずらしい風習が伝わる温泉地です。
すなば珈琲
有名コーヒーチェーンの支店がないことを逆手に取った「スタバはないがスナバ(砂場)はある」という鳥取県知事の発言から、2014年に生まれたのが「すなば珈琲」です。
誕生から10年を迎え、鳥取県民はもちろん全国から観光客が訪れる話題のスポットになりました。
今では県内11か所に店舗があり、鳥取県で一番店舗数の多いコーヒーチェーンです。
ブラジル産コーヒー豆を、なんと鳥取砂丘の砂で焙煎した「砂焼きコーヒー」をはじめ、地元・大山牛乳(だいせんぎゅうにゅう)の牛乳を使用したリッチな「カフェオレ」など、鳥取ならではメニューを揃えます。
また鳥取県はカレールウの消費量が全国1位とのこと。
すなば珈琲ではカレーにもこだわり、鳥取県産の大山ハーブ鶏を使った「薬膳大山鶏カレー」は鳥取ならではのランチにおすすめです。
鳥取市内各地の他、鳥取砂丘コナン空港や、米子鬼太郎空港にも支店がありますので、観光の途中や飛行機の出発前のひと休みにも利用できます。
鳥取砂丘 砂の美術館
世界初の「砂」を素材にした彫刻作品を展示する美術館。
鳥取の地域の宝である”自然の造形美”「鳥取砂丘」を背景に、”人の力で生み出す造形美”「砂の彫刻(砂像)」によって、多くの方に鳥取へ観光に訪れてもらい、楽しんでいただきたい。
そんな思いから2006年に砂像を展示するプロジェクトとして野外展示の「砂の美術館」がスタートしました。
その後、大型テント内での展示を経て、2012年に世界初の砂像専門屋内展示施設が誕生し、現在に至ります。
砂像彫刻家兼プロデューサーの茶圓勝彦(ちゃえんかつひこ)さんを中心に、世界各国から招かれた彫刻家が作り上げた、世界レベルの作品を観ることができます。
「砂で世界旅行」をコンセプトに、2006年以降は定期的にテーマを変えて展示を行なってきたそうです。
どれも、とても繊細に作られていて、ひとつひとつの作品に圧倒されます。
作品は展示期間が終了すると、すべて崩して砂に戻し、再びその砂を使って新たな作品が制作されますが、これもまた砂像の持つ儚さを感じさせるエピソードですね。
「鳥取砂丘 砂の美術館」は鳥取砂丘のすぐ近くにあるので、セットで観光するのがおすすめです。
鳥取砂丘 砂の美術館 基本情報
- 住所:〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
- アクセス:JR鳥取駅バスターミナルから路線バス「砂丘線」で「砂の美術館前」バス停下車
白兎神社
「大兎大明神」あるいは「兎の宮白兎大明神」ともいわれる白兎神社(はくとじんじゃ)は、日本最古の書物「古事記」に記される日本神話「因幡(いなば)の白うさぎ」の白兎神を主神とする神社です。
神話にちなみ「皮膚病」や「やけど」などに効く神社として、古来より信仰されてきました。
境内へ続く道沿いには、うさぎが傷口を洗い、がまの穂を傷につけて治療したといわれる「御身洗池(みたらしいけ)」があります。
別名「不減不増の池」とも呼ばれる御身洗池は、季節を問わず水位の増減がない不思議な池です。
神話に登場する白うさぎは、大国主命(おおくにぬしのみこと)と八上姫(やかみひめ)の縁結びの神様といわれていることから、日本で初めての恋物語(ラブストーリー)の発祥地「白兎」として、2010年に「恋人の聖地」に認定されました。
境内には可愛らしいうさぎの石像がいくつもあり、人気急上昇の縁結びスポットとして多くの参拝客・観光客が訪れます。
境内を散策すると、うさぎの石像や鳥居の辺りに「縁」の文字が付いた石を見かけますが、これは「結び石」といって「鳥居の上に投げて、うまく乗れば良い縁がある」と云われる石です。
(※鳥居の上に石を投げる風習は山口県など西日本で見られる風習の様ですが、けがや事故の元ともなり得るため、禁止しているところもあります。)
最近ではうさぎの石像へ願いを込めて奉納されたり、縁起物として持ち帰る方も多いとか。
「結び石」は社務所で授与品として入手でき、5つの石には「良縁、子宝、繁盛、飛躍、健康」のご利益があるとされています。
白兎海岸/道の駅 神話の里 白うさぎ
白兎神社内や周辺には神話の舞台が残され「白兎の神跡」と呼ばれていますが、神社の前に広がる日本海沿いの「白兎海岸」もそのひとつ。
白兎海岸の西端に突出した岬「気多前(けたのさき)」は白うさぎが上陸した場所とされ、この岬から眺める神話の島「淤岐之島(おきのしま)」の姿は、神話の世界に思いを馳せるでしょう。
白兎海岸から眺める西の海上への夕陽は実に絶景で、西側の展望広場「白兎の丘」には、愛の鐘やカメラ用のスタンドも設置されています。
美しい日本海の夕景を背に写真が撮れる、観光客に人気のフォトスポットです。
白兎神社や白兎海岸を散策するときには、神社入り口脇の道の駅「神話の里 白うさぎ」の駐車場が便利です。
本物の白うさぎの「縁(えにし)」くんが2代目うさぎ駅長を務め、2階テラスからは白兎海岸が一望できます。
2016年には、道の駅の前(大鳥居横)にピンク色の「すご!ウサ縁結びポスト」が設置されました。
ここから手紙を出すと恋が叶うと言われていますので、恋愛成就を願う方はお見逃しなく!
道の駅 神話の里 白うさぎ 基本情報
- 住所:〒689-0206 鳥取県鳥取市白兎613
- アクセス:JR鳥取駅から日ノ丸自動車バスで約40分「白兎神社前」バス停下車
浦富海岸
岩美町の浦富海岸(うらどめかいがん)とは東西に約15km続くリアス式海岸で、日本海の荒波と風雪によって浸食された断崖絶壁・洞門や奇岩の荒々しい景観が見どころです。
澄みきった日本海の海の青さと岬に囲まれた砂浜は、周囲の断崖とは対照的に穏やかな渚の風景を描きます。
古くから景勝地・観光地として知られており、1927年「日本百景」に、続いて翌年には「名勝および天然記念物」、1963年には「山陰海岸国立公園」に指定されました。
さらに浦富海岸を含む山陰海岸ジオパークが「世界ジオパークネットワーク」に加盟認定されています。
その他にも「日本の白砂青松(はくしゃせいしょう)百選」や「日本の渚百選」、「平成にっぽん観光地百選」に選ばれるなど、浦富海岸の素晴らしさは折り紙付きです。
浦富海岸 基本情報
- 住所:〒681-0003 鳥取県岩美郡岩美町浦富(浦富海水浴場)
- アクセス:JR鳥取駅またはJR山陰本線 岩美駅から日本交通バスで「浦富海岸口」バス停下車
【浦富海岸遊覧船】
断崖絶壁や洞門・奇岩など、リアス式海岸の荒々しい景観から「山陰の松島」ともいわれる浦富海岸。
この迫力ある景観をダイナミックに楽しむなら、遊覧船観光がおすすめです。
船長の案内を聞きながら、のんびりとクルージングで楽しめる「遊覧船コース」
遊覧船では通れない洞門や洞窟、水深の浅い入り江にも入る「冒険クルージング うらどめ号」
船内中央の船底がガラス張りになっていて、時には真下を泳ぐ魚も観賞できる「グラスボート浦富海岸海中めぐり」
の3つのコースがありますので、「山陰の松島」浦富海岸を思い思いに満喫できます。
浦富海岸遊覧船 基本情報
- 住所:〒681-0073 鳥取県岩美郡岩美町大谷2182
- アクセス:JR鳥取駅またはJR山陰本線 岩美駅から日本交通バスで「島めぐり遊覧船乗り場前」バス停下車
童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム「わらべ館」
わらべ館は、鳥取県が推進する「童謡・唱歌のふるさと鳥取」のPRおよび、鳥取市が市制施行100周年記念事業として開催した「‘89鳥取・世界おもちゃ博覧会」の成功を顕彰することを目的とした、童謡・唱歌とおもちゃのミュージアムで、1995年(平成7年)の七夕・7月7日に開館しました。
かつての鳥取県立図書館の外観を復元したレトロ調の建物は、どこか懐かしい特有の雰囲気にあふれ、観光客だけでなく鳥取県民・市民にも広く親しまれています。
館内にも「なつかしいうたとおもちゃ」があふれ、小さな子どもから大人まで世代を問わず楽しむことができる体験型展示が特徴です。
雨の日でも快適に遊べる、全天候型の文化観光施設として、年間を通して多くの方が訪れています。
童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム「わらべ館」 基本情報
- 住所:〒680-0022 鳥取県鳥取市西町3-202
- アクセス:JR鳥取駅から市内循環100円バス「くる梨」緑コースで「わらべ館」バス停下車
土・日・祝日などは鳥取周辺観光ループバス「ループ麒麟獅子」も利用できます。
史跡 鳥取城跡/久松公園
羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が兵糧攻めを行った舞台としても知られる、久松山(きゅうしょうざん)を中心とした山城で、戦国時代に築城されました。
その優れた眺めから「日本(ひのもと)にかくれなき名山」と評され、かの織田信長も「名城」と讃えたほど。
現在は城の大部分が取り壊されましたが、山頂付近には中世期の城郭遺構である山上の丸、山麓には慶長の頃より明治期にわたって建造された二の丸、三の丸、天球丸・巻石垣跡などの遺構を残します。
2006年より、江戸時代の姿を取り戻すべく復元整備が行われており、正面入口となる鳥取城大手橋「擬宝珠橋(ぎぼしばし)」と大手門「中ノ御門表門」が復元されました。
今後は、山頂の天守を除く麓の建物の復元が計画中で、歴史ファン・お城マニア必見の「名城観光スポット」です。
重要な戦いの歴史舞台となった鳥取城址は、羽柴秀吉が陣を構えた本陣山山頂の太閤ヶ平とあわせて「鳥取城跡附太閤ヶ平(とっとりじょうあとつけたりたいこうがなる)」として国の史跡に指定されています。
また、その歴史の長さから鳥取城跡周辺は、多様な日本城郭の歴史を物語る「城郭の博物館」と呼ばれ「日本100名城」にも選定されています。
久松山は、山陰海岸ジオパークのジオスポットにもなっており、鳥取城跡を整備し造園された久松公園は、春は桜が咲き誇る県内有数の桜の名所です。
史跡 鳥取城跡/久松公園 基本情報
- 住所:〒680-0011 鳥取県鳥取市東町
- アクセス:JR鳥取駅から路線バスで約8分「西町」バス停下車徒歩約5分、または市内循環100円バス「くる梨」緑コースで「仁風閣・県立博物館」バス停下車すぐ
鳥取東照宮(樗谿神社)
因幡鳥取藩の初代藩主・池田光仲(いけだ みつなか)が、江戸時代に建てた日光東照宮の分社で、創建時は因幡東照宮(いなばとうしょうぐう)と呼ばれていました。
厳かな雰囲気に包まれた木立の中に佇む社殿は、江戸時代初期の神社建築として国の重要文化財に指定されています。
本殿正面の中央中備(なかぞなえ)に施されている鷹の彫刻は、日光東照宮の「眠り猫」を造った左甚五郎(ひだりじんごろう)の作と云われており、観光する際の見どころの一つです。
明治時代に一度「樗谿神社(おうちだにじんじゃ)」と改称されましたが、元の「東照宮」の名称復活を望む声もあって、「鳥取東照宮」に戻りました。
バス停から鳥取東照宮へ向かう途中には、鳥取市歴史博物館「やまびこ館」があり、縄文時代から現代までの鳥取市の歴史や文化を学べます。
特に江戸時代の鳥取城やその城下町および、鳥取藩の功績について重点的に紹介しているので、歴史に興味のある方は鳥取城跡や、鳥取東照宮とあわせて観光するのがおすすめです。
鳥取東照宮(樗谿神社) 基本情報
- 住所:〒680-0015 鳥取県鳥取市上町87
- アクセス:JR鳥取駅から100円循環バスくる梨(赤コース)で約20分「樗谿公園やまびこ館前」バス停下車徒歩約8分
恋がかなう駅「恋山形駅」
鳥取県南東部、岡山県に接する八頭郡智頭町(やずぐんちずちょう)の山間にある小さな駅が「恋がかなう駅」と観光客の間で話題に!
兵庫県の上郡(かみごおり)駅と智頭駅を結ぶ智頭急行線の無人駅で、当初は因幡山形(いなばやまがた)という駅名の予定でした。
しかし住民の強い要望によって、人を呼ぶ「来い」と掛けた「恋山形」に変更して開業します。
開業時こそ、何の変哲もない山奥の小さな無人駅でしたが、2013年に駅名に「恋」がつく全国に4つしかない駅が連携した「恋駅プロジェクト」が発足。
このプロジェクトの好評を受け、全国に向けた話題の提供と地域の活性化を目指して、同年6月に駅舎をピンクに彩ってリニューアルしました。
以来、恋山形駅は「恋の駅」として、全国から一躍脚光を浴び、最近ではSNSを通じて海外からも訪日観光客が訪れるほどに。
駅内外に「ハート」や「恋」にまつわる装飾がされ、駅名標もハート型というこだわり。
ホームに設置された「ハートのモニュメント」は、「恋」の字の上に♡型の凹みがあり、専用のハート型の絵馬がピタっとはまるようになっています。
ハート型の絵馬はキーホルダーと共に自動販売機で購入できるほか、智頭急行のWEBサイトからも購入可能です。
2016年6月の恋山形駅リニューアル3周年記念では、駅入口に「恋ポスト」も設置されました。
このポスト、色がピンク色なだけではなく「恋ポスト」に手紙を投函すると・・・
ぜひ実際に恋の願いを叶えに、もしくは恋人同士で記念日等に訪れて、投函してみてください。
※恋山形駅は山間の無人駅で、周辺には飲食店もお手洗いもありません。また通過列車に十分注意してください。
恋山形駅 基本情報
- 住所:〒689-1421 鳥取県八頭郡智頭町大内159-3
- アクセス:京都・大阪方面から特急スーパーはくと利用、大原駅で普通列車に乗り換え。
鳥取から特急スーパーはくと利用、智頭駅で普通列車に乗り換え
鳥取県中部(倉吉市周辺)おすすめ観光スポット
白壁の蔵が立ち並ぶ倉吉市を中心に、全国的にも有名な温泉など、趣ある観光スポットをご紹介します。
倉吉白壁土蔵群
室町時代に打吹城(うつぶきじょう)の城下町として成り立ち、江戸時代に入ると陣屋を中心に武家屋敷が建てられました。
玉川沿いに立ち並ぶ白壁と赤い石州瓦の蔵が、独特な町の景観を創り出しています。
倉吉白壁土蔵群には江戸・明治期の建造物が多く、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。
かつての造り酒屋や醤油などの醸造に使用されていた白壁の土蔵、伝統建築の町家が、現在ではカフェやギャラリー、雑貨ショップなどにリノベーションされて観光スポットになっています。
伝統的な工芸を体験することができる工房では、江戸時代から伝わる張り子「はこた人形」の顔描き体験もでき、倉吉の伝統文化を垣間見ることができるでしょう。
倉吉白壁土蔵群観光案内所では、伝統の「倉吉絣(くらよしがすり)」の着物を体験できます。
プロの美容師による着付けやヘアアレンジもあり、髪飾りや履物、巾着バッグのレンタルも含まれ、男性も体験可能です。
カップルでレトロな魅力を感じながら、白壁土蔵群の町並みをそぞろ歩いてみては?
倉吉白壁土蔵群 基本情報
- 住所:〒682-0821 鳥取県倉吉市魚町2568-1(倉吉白壁土蔵群観光案内所)
白壁土蔵群は新町1丁目、東仲町、魚町、研屋町周辺 - アクセス:JR山陰本線 倉吉駅より路線バス「市内線西倉吉方面行」で約12分「 赤瓦・白壁土蔵」バス停下車徒歩約5分
エースパック なしっこ館(鳥取二十世紀梨記念館)
鳥取県が生産量全国1位を誇る「二十世紀梨」について、家族で楽しく学べる・遊べる・味わえる博物館が倉吉パークスクエアにあります。
「なしっこ館」のエントランスを入って、まず目に入るのがシンボルツリー「二十世紀梨(にじっせいきなし)の巨木」です。
巨木の枝先までの直径は20m、天井を覆うかのように広がり、国内最大級の大きさを誇ります。
この木一本で、実に4,000個もの梨が実っていたこともあるそうです。(通常は700~800個程度)
昭和の梨農家をイメージした「二十世紀梨ものがたり劇場」では、日本の梨、梨作りの苦労、二十世紀梨栽培の歴史を知ることができます。
そのほか、遊びながら梨に詳しくなれる「不思議ガーデン」、3種類の梨を食べくらべできる「キッチンギャラリー」、梨に関するトリビア満載の展示、屋外には様々な品種の梨を栽培・展示する「梨ガーデン」などがあります。
併設の「フルーツパーラー」では、二十世紀梨のソフトクリームや梨シャーベット、梨ソフトクリームを使ったミニパフェなどのスイーツメニューが揃っています。
子どもから大人まで、梨ワールドにどっぷり浸って楽しめる観光スポットです。
エースパック なしっこ館 基本情報
- 住所:〒682-0816 鳥取県倉吉市駄経寺町198-4 倉吉パークスクエア内
- アクセス:JR山陰本線 倉吉駅から日本交通バスで「倉吉パークスクエア」または「倉吉パークスクエア北口」バス停下車徒歩5分
三徳山三佛寺投入堂
三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)は標高899.9mの三徳山に境内を持つ天台宗の寺院です。
周囲を高い山々に囲まれ、断崖絶壁や大岩窟が変化に富んだ渓谷は、四季折々美しい景観が見られ、付近一帯は史跡名勝にも指定されています。
背後にそびえる急な斜面に鐘楼、観音堂、元結掛堂(もとゆいかけどう)、不動堂、十一面観音堂等が建てられ、文殊堂、地蔵堂、納経堂、そして投入堂(なげいれどう)は、国宝や重要文化財に指定される建造物です。
特に、奥院である「投入堂」は垂直に切り立った絶壁の窪みに建てられた建築物で、国宝に指定されています。
屋根が軽快に反り返り、お堂を支える柱の構成などは、建築美にも優れている建物です。
いつ頃建造されたものか、定かではありませんが、修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が法力によってお堂を手のひらに乗るほどに小さくし、平地から投げ入れたという伝説が語り継がれています。
三徳山および繋がりの深い三朝温泉(みささおんせん)は「六根清浄(ろっこんしょうじょう)と六感治癒(ろっかんちゆ)の地」として「日本遺産」にも認定されました。
※三徳山は修行の場所であり、投入堂を間近で見るためには険しい崖や岩をよじ登る箇所もあるため、登山用の装備が必要。
観光の際には、麓の車道から眺められる「投入堂遙拝所」から望遠鏡でも拝観可能です。
三徳山三佛寺 基本情報
- 住所:〒682-0132 鳥取県東伯郡三朝町三徳1010
- アクセス:JR山陰本線 倉吉駅より日の丸自動車バスで約40分「三徳山」バス停下車
三朝温泉
「日本百景」にも選ばれた三朝温泉は、心と身体を癒してくれる日本屈指の放射能泉です。
高濃度のラドン含有量を誇り、ミネラルが豊富で抗酸化機能を高める効果が得られます。
開湯から850年以上、泉質は含放射能/ナトリウム・塩化物泉で、体を清める古湯は、浸かってよし、飲んでよし、吸ってよし。
「三たび朝を迎えると元気になる」とされ、三朝温泉の名となりました。
古来より三徳山との結びつきが強く、修行の前後に立ち寄って、身を清めたり、体を癒す「六感治癒の場」とされます。
温泉街は三朝川沿いに広がり、昭和初期に造られた青御影石造りの風流な「三朝橋(三朝大橋)」は温泉街のシンボルです。
また、三朝橋のたもとには、露天風呂「河原風呂」と足湯「河原の湯」があり、観光ポスター等にも登場する、三朝温泉観光の名物になっています。
「元湯」とも呼ばれ、三朝温泉の起源である「株湯」には、源義朝の家来・大久保左馬之祐(おおくぼ さまのすけ)と年老いた白い狼の像があり、温泉発見にまつわる「白狼伝説」を今に伝えています。
春・秋の「和紙灯り(和傘と和紙玉の展示)」や春の「花湯まつり・大綱引き陣所(じんしょ)」、夏には「鳥取 三朝温泉 ホタル祭り」と花火大会(7月の「キュリー祭」含め複数回開催)を開催。
2月~4月にかけては「三朝温泉雛巡り」が開催されるなど、四季折々の観光イベントでも楽しめます。
昔ながらの湯治場の雰囲気は、どこか懐かしさが漂い、古き佳き湯の町の風情に心も和むでしょう。
三朝温泉 基本情報
- 住所:〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝鳥取県東伯郡三朝町三朝973-1(三朝温泉観光案内所)
- アクセス:JR山陰本線 倉吉駅から日の丸自動車バスで約20分
中国庭園「燕趙園」
燕趙園(えんちょうえん)とは、鳥取県と中国河北省の友好のシンボルとして、東郷湖畔に再現された国内最大級の本格的な中国庭園です。
中国の歴代皇帝が造り親しんだ、皇家園林方式の中国庭園をそのままに再現。
燕趙園の庭園は見る場所によって様々な演出が施され、四季折々違った表情を見せる庭園美は「燕趙園の二十八景」と呼ばれています。
特に、皇帝色である瑠璃瓦で仕上げられている「第一景 燕趙門」は、堂々たるたたずまいです。
石の腰掛けに座り、窓から「荷風榭(かふうしゃ)」、「華夏堂(かかどう)」、「一覧亭(いちらんてい)」の三つの景色が望める「第十景 三景軒」。
外界と断絶した凝縮された別の世界があるとされる「第二十一景 別有洞天(べつゆうどうてん)」。
ここだけ私家園林方式が採り入れられ、燕趙園の中で最もやさしい情景を作り出す「第二十三景 梧竹幽園(ごちくゆうえん)」の4つは「絶景四景」と呼ばれ見どころ満載です。
燕趙園では、西遊記のドラマ撮影が行われたほか、年に2回、中華系のアニメ・マンガ・ゲームキャラクターのコスプレを楽しむ「中華コスプレ大会」という、燕趙園における春・秋恒例の人気イベントも開催されています。
1日3回、本場中国から来日した雑技団の華麗なショーも見学でき、併設の道の駅「燕趙園」や温泉保養施設「ゆアシス東郷 龍鳳閣」とあわせて、人気観光スポットとなっています。
はわい温泉/東郷温泉
鶴が羽ばたいた形に見えることから「鶴の湖」とも呼ばれる東郷湖(東郷池)。
冬になると、湖底から湧き出ている温泉の湯けむりに包まれ、湖上に浮かぶ温泉街は湖畔の風景に溶け込むかのような幻想的なムードが漂います。
東郷湖の西岸に湧出する「はわい温泉」とは湯梨浜町にある温泉で、合併前は「羽合町(はわいちょう)」という町名だったため、この温泉街を「はわい温泉」と呼んでいます。
最近では、携帯電話会社のCMで「鳥取のはわい」として登場し有名になりました。
同じく東郷湖の、南岸に湧出する温泉は「東郷温泉」と呼ばれ、はわい温泉と共に江戸時代、湖中に湧き出る源泉の利用を、地元の人たちが鳥取藩主へ願い出たことが始まりと言われています。
ほとんどの温泉旅館等から東郷湖が目の前に見えるため「山陰八景」のひとつに数えられ、県立自然公園でもある東郷湖畔の情緒豊かで美しい湖上風景が心を潤します。
はわい温泉付近には東郷湖羽合臨海公園や、東郷湖の風物詩の一つになっている「四ツ手網」などがあり、東郷湖畔の散策観光もおすすめです。
東郷湖の湖底から湧き出た温泉は、鯉が教えたという伝説から「鯉の湯」とも呼ばれます。
また、湖畔の伯耆國一之宮 倭文神社(しとりじんじゃ)が織物・安産の神様・下照姫命(したてるひめのみこと)を祀っていたとされています。 このことから、はわい温泉・東郷温泉は「恋の湯」とも呼ばれ、安産祈願や若いカップルの観光客にも人気の温泉街です。
はわい温泉/東郷温泉 基本情報
- 住所:〒682-0715 鳥取県東伯郡湯梨浜町はわい温泉5-22(はわい温泉・東郷温泉旅館組合)
- アクセス:JR山陰本線 倉吉駅から日本交通バスで約16分
日本一美しい廃線跡「旧国鉄倉吉線廃線跡」
旧国鉄(現JR)倉吉線とは、倉吉駅から関金町の山守駅までの約20Kmを結んでいた路線で、1985年に廃止され72年の歴史に幕を閉じました。
廃線から約40年の年月がたった今でも、一部を除いてレールや駅ホーム跡が残され、関金町周辺を中心に倉吉市内各所にその遺構を見ることができます。
特にSNS等で「#日本一美しい廃線跡」と人気となっているのが、泰久寺(たいきゅうじ)駅跡から山守トンネル入口付近まで続く区間です。
スッと伸びた竹林の中をまっすぐ貫く廃線跡があり、2本のレールの間に2本の竹が延びる光景は非現実で幻想的と、年間1万人が訪れる話題の観光スポットに。
そのうちの1本が寿命を迎えて枯れてきたところ、少し離れたところに新たな竹が成長し、世代交代に際して「たけちよ」と命名された事でも話題になっています。
旧国鉄倉吉線廃線跡は山守トンネル内を除いて自由に散策できるので、鉄道ファンの廃線跡巡りだけでなくウォーキングやトレッキングコースとしても人気です。
鉄道ファンの方なら、倉吉白壁土蔵群に近い旧国鉄倉吉線「打吹駅」の跡地にある「倉吉線鉄道記念館」にも立ち寄ってみては。
※山守トンネル内は15名以上の団体向けトレッキングツアーか、年に数回開催される「ウォーキングオープンデー」参加にて見学可能。
旧国鉄倉吉線廃線跡 基本情報
- 住所:〒682-0403 鳥取県倉吉市関金町泰久寺77-1(旧国鉄倉吉線廃線跡 観光案内所)
- アクセス:JR山陰本線 倉吉駅から日本交通バス「関金線(明高行)」乗車「泰久寺入口」バス停下車
鳥取県西部(米子市・大山周辺)おすすめ観光スポット
中海を挟んで島根県と接する米子や境港、南に大山(だいせん)を擁する「大山隠岐国立公園」のある鳥取県西部。
大地と海の恵みが豊富なエリアです。
大山
大山は標高1,729mの中国地方最高峰の山で「日本名峰ランキング」ベスト3に選ばれるほどの美しい山です。
鳥取県西部の旧国名にちなんで「伯耆大山(ほうきだいせん)」、北西側を眺めた姿からは別名「伯耆富士」とも呼ばれ親しまれています。
大山も火山ですが、富士山とは異なる複成火山で、小爆発や激しい侵食と崩落によって、山頂部分の大円頂丘(だいえんちょうきゅう)は傾斜30度と、西側のなだらかな傾斜とは異なる、険しい形状を成しています。
大山は1936年に、日本で3番目の国立公園となり、その後1963年には、蒜山(ひるぜん)地区、隠岐島、島根半島、三瓶山地域が追加指定されて、現在の「大山隠岐国立公園」となりました。
標高1,400m前後付近には、特別天然記念物にも指定されている、ダイセンキャラボクの純林が広がり、鳥取県の県木にも制定されています。
また標高800m~1,000mを越えるあたりには、西日本最大級のブナの森が広がります。
広大な天然ブナ林に育まれた湧き水は十分に栄養を蓄え、大手飲料メーカーのペットボトルの「天然水」も、西日本ではこの大山山麓が採水地になっているほどです。
大山周辺では四季を通じて登山に乗馬、フィールドアスレチック、冬はスキーやスノーシューハイクなど自然を生かした様々なアクティビティを体験できます。
春~秋にかけては、ブルーベリーやリンゴ、鳥取名産の梨など、もぎたてフルーツの摘み取りで大山の味覚を味わえる観光農園が多いのも特徴です。
牧草も豊富なことから酪農も盛んで、「大山放牧場」では乳牛が草をはむのどかな風景が見られます。
乳搾りをはじめ、みるく工房での乳製品作りなど、様々な酪農体験が可能な「大山まきばみるくの里」も観光客に多大な人気を集めています。
大山 基本情報
- 住所:〒689-3318 鳥取県西伯郡大山町大山(大山夏山登山口)
- アクセス:JR米子駅前バスターミナルから日本交通バス大山寺行きで約50分、
終点「大山寺」バス停下車徒歩約10分(大山夏山登山口まで)
【大山ますみず高原天空リフト】
大山ますみず高原には春から秋まで運行する観光リフトがあり、日本海、弓ヶ浜半島、島根半島を見渡せます。
夏は爽やかな新緑、秋には金色に輝くススキなど、四季折々の大山の景色を眺めながら、片道約8分間の空中散歩を楽しめるでしょう。
標高900mの山頂展望台には「恋人の聖地」モニュメントがあるほか、84あるリフトのうち7器だけ、ハートなどでデコレーションされたカップルシートがあるそうです。
大山ますみず高原天空リフト 基本情報
- 住所:〒689-4215 鳥取県西伯郡伯耆町大内桝水高原1069-50
- アクセス:JR米子駅から車で約30分(米子自動車道 溝口IC経由)
大山寺
大山の中腹にある、天台宗別格本山 角磐山(かくばんざん)大山寺(だいせんじ)は、山岳信仰に帰依する修験道の修行道場として全国に知られます。
平安時代以降は、山岳信仰の仏教化が進み寺院も増え、最盛期には100を超える寺院と3,000人以上の僧兵をかかえる一大勢力に。
関西の比叡山、吉野山、高野山に劣らないほどの隆盛を極めていました。
大山寺に現存する中で最古の寺院である「阿弥陀堂」は、室町末期の建造物です。
本尊は1131年に大仏師良円によって造営されたとされる木造の阿弥陀如来で、観音・勢至の両菩薩と共に阿弥陀三尊像と呼ばれます。
建物、仏像とも国の重要文化財に指定され、事前申し込みによって拝観および、住職による座禅体験も可能。
※料金等、要相談(4月〜12月の毎月18日のみ堂内を公開しており、この日の拝観のみであれば予約不要)
3年に一度、5月に行われる祈願法要「御輿行幸(みこしぎょうこう)」は、新緑の大山寺を彩る春の風物詩です。
平安時代より伝わる大山地方独特の時代行列で、地元の人からは親しみをこめて「大山さん」と呼ばれています。
大山寺を舞台に繰り広げられる御幸(みゆき)は、古の装束をまとった男たちや煌びやかな御輿が境内下の博労座(ばくろうざ)付近から参道を練り歩き、クライマックスは御輿の石段登り!
時代絵巻の世界にタイムスリップしたかのような、雅な雰囲気を楽しんでみるのもおすすめです。
現在は駐車場等で利用されている博労座ですが、古くは徳川八代将軍吉宗の頃に大山の祭日を期して「大山牛馬市」が開かれ、最盛期には1万頭に及ぶ牛馬の売買が行われていました。
また、大山寺が農業神・牛馬の守護神でもあることに由来して、本堂の脇には牛の霊を慰めるために鼻ぐりの銅をもって鋳造された「宝牛」が鎮座します。
別名「撫牛(なでうし)」ともいわれ「一つの願いだけを心に念じてこの牛を撫でると願いを叶えてもらえる」というとても縁起のよい牛の像です。
大山寺 基本情報
- 住所:〒689-3318 鳥取県西伯郡大山町大山9
- アクセス:JR米子駅前バスターミナルから日本交通バス大山寺行きで約50分、
終点「大山寺」バス停下車、大山寺参道を徒歩約15分
とっとり花回廊
名峰大山を借景とする、約50ヘクタール(東京ドーム約11個分)もの広大な敷地面積で、日本最大級のフラワーパークです。
大温室(フラワードーム)や展示館の他、全長約1kmにおよぶ屋根付きの展望回廊があり、雨の日でも天候や季節に左右されず、四季折々の花を見ることができます。
展望回廊を歩けば、起伏に富んだ多彩な園内を様々な角度から眺められ、花の谷を見下ろす区間は、地上から30mの高さがあるところも!
この全天候型の展望回廊が、「とっとり花回廊」の名前の由来にもなっています。
回廊は水平に設計されており、回廊沿いには地元米子工業高等専門学校の学生さんによる、手作りの木製ベンチも設置されているので、ゆったりと花を観賞できるのも嬉しいポイントです。
とっとり花回廊では、ゆりの花をメインフラワーとして一年中展示。
日本に自生する野生のゆり、15品種をすべて保有・展示している「国内唯一の施設」でもあります。
冬の夜は、中国地方最大級の規模でフラワーイルミネーションを開催。
園内を100万球の光と花で包み込む、幻想的な世界が楽しめます。
子ども連れでの観光であれば、園内を一周するフラワートレインもおすすめ。
2台のフラワートレインが広大な園内を約15分で一周し、主なポイントでは案内放送付で紹介してくれます。
皆生温泉
日本海に面した山陰を代表する海辺の温泉地「皆生温泉(かいけおんせん)」は、美しい海岸線を誇り、大山も見渡すことができます。
夏場は海水浴でも賑わい「日本の渚100選」「日本の白砂青松100選」「日本の夕陽・朝日100選」「都市景観100選」「日本の水浴場88選」にも選ばれている景勝地です。
「国内トライアスロンの発祥の地」としても広く知られ、毎年7月には「全日本トライアスロン皆生大会」が開催されます。
泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉で、健康と美肌を作る温泉として定評があり、美肌効果に優れた女性にとって嬉しい温泉です。
また皆生温泉の氏神様・皆生温泉神社は、ご祭神に大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀り、皆生が「皆、生きる」と読めることから、長寿と夫婦円満の御利益があると祈願される方が集まります。
温泉街の散策がてら、長寿祈願や夫婦円満祈願に立ち寄ってみるのもおすすめです。
水木しげるロード/水木しげる記念館
JR境港駅から「水木しげる記念館」まで約800m続く、昭和レトロな面影を残す妖怪の道。
1993年に誕生した水木しげるロードでは、178体の妖怪ブロンズ像が訪れる観光客を出迎えてくれます。
夜は、町並みに佇むブロンズ像がライトアップされたり、路面に妖怪たちが影絵となって現われ、昼間とは違った妖怪たちの気配を感じます。
周辺には、パワースポットとして人気の「妖怪神社」や、9体の妖怪たちが思い思いにくつろいでいる妖怪のオアシス「河童の泉」など、立ち寄りたいスポットがたくさん!
妖怪グッズが多数揃った土産店や、妖怪にちなんだメニューを提供している飲食店もあります。
水木しげる記念館とあわせて散策すれば、懐かしくも不思議な水木しげる先生の世界観をさらに楽しむことができるでしょう。
水木しげるロード/水木しげる記念館 基本情報
- 住所:〒684-0025 鳥取県境港市本町5(水木しげる記念館)
- アクセス:JR境線 境港駅下車徒歩約10分
金持神社
「金持(かもち)」という縁起の良い地名は、全国でここ鳥取県の日野町だけ。
この地は昔「黄金にも勝る」と大切にした鉄(玉鋼)の産地で、3つの鉄山を持つ村という意味で「かなもち」、それが略されて「かもち」になったと言われています。
御祭神は天之常立命(あめのとこたちのみこと)、八束水臣津努命(やつかみずおみずぬのみこと)、淤美豆奴命(おみずぬのみこと)で、国土経営、開運、国造りの神様を祀っています。
また、神武天皇の東征において霊剣の威力によって危機を救った、天香語山命(あめのかごやまのみこと)も合祭しています。
金持神社境内には、鳥取県銘木100選に指定されたサワラとチャンチンの2本があり、どちらも樹齢600年~700年くらいと云われているご神木です。
大自然に囲まれた小さな神社ですが、金にまつわる名前から商売繁盛や金運、開運を求めて日本全国から多くの方が参拝に訪れるほど。
神社札所の横には「当選絵馬」が集められ、実際に宝くじが当たった人が続出したことでも注目されています。
金持神社(かもちじんじゃ) 基本情報
- 住所:〒689-4512 鳥取県日野郡日野町金持74
- アクセス:JR伯備線 根雨駅からタクシーで約7分 ※タクシーは要予約
江島大橋(ベタ踏み坂)
「ベタ踏み坂」の名で軽自動車のCMに登場した江島大橋(えしまおおはし)は、島根県松江市八束町から鳥取県境港市渡町を結ぶ「日本一の長さ」のPC(プレストレスト・コンクリート)ラーメン橋です。
全長は約1,446mで、中海(なかうみ)と日本海とを往来する5千トン級の船が下を通れるよう、最上部は約45mの高さに達します。
橋の横から橋全体を見てみると、まるでジェットコースターの様な形で、島根県松江市側の勾配が6.1‰(パーミル)あり、そびえ立つような姿は圧巻!
江島大橋は車はもちろん、歩いて渡ることも可能で、最高部からは遠く大山や中海に浮かぶ大根島を一望できます。
江島大橋 基本情報
- 住所:〒684-0072 鳥取県境港市渡町~〒690-1401 島根県松江市八束町江島
- アクセス:米子鬼太郎空港より車で約10分
鳥取県へのアクセス
山陰地方にある鳥取県、東西に長いことも特徴です。
観光するエリアによっても異なる鳥取県への主な行き方をご紹介します。
【航空機利用】
鳥取県には空港が2つあり、いずれも地元にゆかりのあるキャラクターにちなんだ愛称が付けられています。
東部と西部とで離れているので、観光するエリアによって使い分けたり、到着と出発とで空港を変えて周遊するのもおすすめです。
2024年6月現在、鳥取・米子空港とも、東京(羽田)からANAが就航しています。
【鳥取空港】
鳥取県出身人気漫画家青山剛昌先生の代表作「名探偵コナン」と観光名所の砂丘にちなんだ「鳥取砂丘コナン空港」の愛称で親しまれています。
青山先生直筆のメッセージが刻まれた砂像風メッセージボードの「シンボルオブジェ」、作品中に登場する「喫茶ポアロ」や「キャラクターウォール」など、空港ターミナル内の館内いたるところにキャラクターたちが溢れています。空港内のどこかには、あの「怪盗キッド」も潜んでいる?
鳥取空港 基本情報
- 住所:〒680-0947 鳥取市湖山町西4丁目110-5
- アクセス:JR鳥取駅まで連絡バスで約20分、JR山陰本線 倉吉駅まで約45分、青山剛昌ふるさと館まで約67分
【米子空港】
空港のある境港市出身の、水木しげる先生の代表作「ゲゲゲの鬼太郎」にちなんで「米子鬼太郎空港」の愛称がつけられています。
ターミナル内には鬼太郎と一緒に写真を撮ることのできるフォトスポットやオブジェがあります。特に妖怪たちが勢ぞろいしたステンドグラスの細かな細工は一見の価値ありです!
空港に到着したら、預け荷物が無い方も是非ターンテーブルを見てみよう!
誰かのスーツケースに妖怪が忍び込んでいるかも。
米子空港 基本情報
- 住所:〒684-0055 鳥取県境港市佐斐神町1634
- アクセス:JR米子駅まで連絡バスで約25分、境港まで約25分、JR松江駅(島根県)まで約45分
JR境線 米子空港駅まで徒歩5分
【鉄道利用】
関東地方からは航空機の他に、今や数少なくなった寝台列車「特急サンライズ出雲」が毎日運行。
鳥取や倉吉・米子に午前中に到着する為、初日も時間を有効に使えます。
また、関西方面からは智頭急行線経由の特急「スーパーはくと」、岡山からは特急「スーパーいなば」が運行。
米子へは岡山から新型車両273系の登場で注目の、JR西日本の特急「やくも」が運行されています。
【寝台特急サンライズ出雲】
東京~(サンライズ瀬戸と併結)~岡山~鳥取・出雲市
【特急スーパーはくと】
京都・新大阪・大阪・三宮~姫路~智頭~鳥取・倉吉
【特急スーパーいなば】
岡山~(智頭急行線経由)~智頭~鳥取
【特急やくも】
岡山~(JR伯備線経由)~米子・出雲市
まとめ
鳥取県の、砂丘だけじゃない個性あふれる魅力は伝わりましたでしょうか?
海や山の大自然を体感し、絶景に癒され、グルメや街歩きが楽しめる鳥取県にぜひ、リフレッシュの旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
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