日本最古の都、奈良を旅しよう!
いにしえの歴史を感じる奈良はどこか心穏やかな気持ちになり、多くの観光客を魅了します。
奈良県には、東大寺や法隆寺、春日大社といった神社や寺院を巡ったり歴史スポットを訪ねるだけでなく、郊外へ足を伸ばせば、曽爾高原(そにこうげん)や谷瀬の吊り橋(たにぜのつりばし)など、山あいの絶景や秘境の温泉など、観光の楽しみ方が多彩です。
この記事では、神社仏閣を巡る王道の観光から県内各地の隠れた名所や穴場まで、魅力ある奈良県の観光スポットを紹介します。
古都奈良でいにしえの歴史を感じる観光スポット
東大寺【奈良市】

世界遺産である東大寺は奈良時代に聖武天皇(しょうむてんのう)が仏教の教えを基に、国力を尽くして建立したお寺です。
見どころの1つは何といっても、世界最大級の木造建造物である「大仏殿」。
東大寺の金堂でもある大仏殿の中に奈良の大仏様、正しくは「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」が安置されています。
この大仏様は「一枝の草、一把の土を持て像を助け造らん」と願う多くの民衆の協力により「生きとし生けるものが共に栄えること」を願って造立されました。
像高が14.98m(およそ15m)ある、大きな仏様である「盧舎那仏」は、お釈迦(しゃか)様の身長のおよそ10倍とされ、これは無限大の宇宙そのものを表現したと考えられています。
毎年8月7日には、きれいな姿でお盆を迎えてもらおうと、大仏様に積もったほこりを掃う「お身拭い」が行われ、掃ったほこりの量はバケツ8杯分にも達するそうです。

東大寺の大仏殿および盧舎那仏、東大寺の正門にあたる南大門や、東大寺創建当初からの梵鐘がある鐘楼、3月に「お水取り(修二会/しゅにえ)」が行われる二月堂、法華堂(三月堂)、転害門(てがいもん)は、それぞれ国宝に指定されています。
そのほか広大な境内には、重要文化財の四月堂(三昧堂)や、東大寺の歴史と美術をテーマとした「東大寺ミュージアム」、聖武天皇遺愛の品々や仏具を納めた「正倉院(現在は宮内庁の管轄)」など、見どころが数多くあります。
東大寺 基本情報
- 住所:〒630-8587 奈良県奈良市雑司町406-1
- アクセス:JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バスで「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停下車徒歩5分
春日大社【奈良市】
春日大社は奈良時代の768年、称徳天皇の勅命により造営された神社で「古都奈良の文化財」の1つとして世界文化遺産に登録されています。
全国におよそ3,000社ある春日神社の総本社で、太古からの森の中に映える鮮やかな朱塗りの社殿が印象的です。
20年に一度、社殿を美しくする「式年造替(しきねんぞうたい)」はこれまでに60回を数え、60回を超えているのは「伊勢神宮」とこの「春日大社」のみ。
参道には奉納された約3,000基の燈籠が並び、社寺の参道に燈籠を並べる風習は平安時代に春日大社から始まったとされています。
節分と8月14・15日の年に3回だけ燈籠に火が入る「万燈籠」では、ゆらめく明かりが醸し出す聖域の幽玄な世界にうっとりすること間違いなしです。

古来より天皇や上皇、多くの貴族らが参拝した春日大社は、神様へ奉納された品々の点数と質の高さから「平安の正倉院」とも称されています。
総所蔵約3,000点におよぶ奉納の品は「国宝殿」で見学・鑑賞可能です。
神域とされてきた御蓋山(みかさやま)・春日山一帯に広がる境内や奈良公園を中心に、約1,300頭の鹿が生活。
今や奈良を象徴する存在ですが、神様が常陸国から御蓋山へお越しになる時、白鹿にお乗りになっていたことに由来します。
「春日神鹿」は神様のお供であり、神の使いとして大切に扱われるようになり、国の天然記念物にも指定。
おみくじを口にくわえた木彫りの「鹿みくじ」や「白鹿みくじ」もあるので、参拝の折には神様の使いのお告げを聞いてみましょう。
境内にある末社で若宮十五社の1つ「夫婦大國社(めおとだいこくしゃ)」は、全国で唯一、ご夫婦の大國様をお祀りしていることから、夫婦円満・家内安全・縁結びの神様として良縁を求め訪れる人が後を絶ちません。
霊験あらたかな招福開運金運のお守り「福之種子(ふくのたね)」を授与しているのも夫婦大國社です。
また、須勢理姫命(すせりひめのみこと)様はその手に杓子(しゃもじ)を持たれていることから、絵馬の代わりに杓子を奉納します。
社殿内には多くの有名人が奉納した数々の杓子も!
恋愛成就を願ってハート形の絵馬に願い事を書いたり、ハートと鹿のイラストがかわいい「水占い」で運勢を占ったり、春日大社は様々な幸せを司るパワースポットと言えるでしょう。
興福寺【奈良市】
興福寺(こうふくじ)の前身は、飛鳥時代の669年に「山階寺(やましなでら)」として、藤原鎌足(ふじわらのかまたり)夫人である鏡女王が夫の回復を祈願して、現在の京都府山科区に造営したものと伝えられています。
その後、都が飛鳥に戻った際に飛鳥京へ移され「厩坂寺(うまやさかでら)」と名付けられ、710年の平城遷都(へいじょうせんと)の際に、藤原鎌足の息子である藤原不比等(ふじわらのふひと)らによって、現在の場所に移した際に「興福寺」と改名。
奈良時代には四大寺、平安時代には七大寺の1つに数えるほどに発展しました。
境内には天皇や皇后、藤原氏らの手によって次々と建てられた、国宝・重要文化財の堂塔が多く現存します。
古都奈良を象徴する「五重塔」や2018年に創建当初の姿へと復興した鮮やかな色が特徴の「中金堂(ちゅうこんどう)」、国宝「木造千手観音菩薩立像」や「阿修羅像」など30以上の国宝を納める「国宝館」をはじめ、見どころが多くあります。
特に阿修羅像は、2009年に東京国立博物館などで行われた「国宝 阿修羅展」で話題となり、歴史ファンの女性らを魅了。
公認フィギュアが造られたほど、絶大なる人気と知名度を誇る仏像です。
西大寺【奈良市】
南都七大寺の寺格を有する西大寺は、奈良時代に称徳(しょうとく)天皇の勅願で創建され、鎌倉時代に叡尊(えいそん)上人によって再建されたお寺です。
創建当初は、約15万坪という広大な寺域に、薬師・弥勒の両金堂をはじめ、東西両塔、四王院、十一面堂院などの100を超える堂舎を持つ、壮麗な大伽藍としてそびえ立っていました。
現在の寺域は約1万坪弱で、江戸中期以降に再建された、本堂、愛染堂(あいぜんどう)、四王堂(観音堂)、不動堂(護摩堂)、大黒堂、大師堂、鐘楼、南門、東門などの堂舎が建ち並びます。
このうち、重要文化財の本堂と奈良県指定文化財の愛染堂、四王堂(観音堂)、聚宝館(期間限定開館)の4カ所が拝観可能です。
西大寺は、叡尊上人が復興のお礼に八幡神社に献茶した余服を民衆に振る舞ったことに由来する茶儀「大茶盛(おおちゃもり)」が有名です。
「不飲酒戒(ふおんじゅかい)」の実践として、酒盛(さかもり)の代わりとしたことと、当時は高価な薬とされていたお茶を民衆に施すという「民衆救済」の2つの意義があります。
巨大な茶碗に立てたお抹茶を、「一味和合の精神で」助け合いながら同じ茶碗から廻し呑んで和み合い結束を深めるもので、現代では4月の第2土・日曜日と10月の第2日曜日に大々的に「春秋の大茶盛式」を開催。
また「新春初釜大茶盛式」として1月16日にも開催されます。
真言律宗総本山 西大寺 基本情報
- 住所:〒631-0825 奈良県奈良市西大寺芝町1丁目1-5
- アクセス:近鉄「大和西大寺」駅南口から徒歩で約5分
薬師寺【奈良市】

薬師寺は法相宗(ほっそうしゅう)の大本山です。
白鳳時代の680年、天武天皇によって皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈って発願され、持統天皇が即位した後に遷都した藤原京に造営されました。
697年に本尊薬師如来の開眼が行われ、翌年には僧侶を住まわせたことが「続日本紀」に記されています。
その後、710年の平城遷都に伴って718年に飛鳥の藤原京から平城京(現在の地)へと遷りました。
当時は天平時代まで「天下の四大寺」の1つとされ、その大伽藍はわが国随一を誇り、中央に金堂や東西に塔を配置する日本初の伽藍配置は「薬師寺式伽藍配置」と呼ばれています。
大講堂など堂塔の各層に裳階(もこし)をつけた、壮麗なたたずまいは「龍宮造り」とも呼ばれるほどの美しさでした。
長い歴史の中で幾多の災害により多くの堂塔が失なわれ、唯一創建時から現存しているのが国宝の東塔(とうとう)です。
現在は2017年に食堂(じきどう)が再建されるなど伽藍復興されつつあり、国宝の東塔も12年に及ぶ全面解体修理が2021年2月に竣工し「凍れる音楽」とも喩えられる美しい姿に蘇りました。
古都奈良の文化財の1つとして1998年に世界文化遺産にも登録されています。
金堂には中央に、病気やケガなどの苦しみを救ってくださる現世利益の仏様「薬師如来」、向かって右に「日光菩薩」、左に「月光菩薩」の「薬師三尊像」が安置され、健康祈願や無病息災を祈願しに訪れる人も多いそうです。
また薬師寺では、白鳳伽藍復興のためのお写経勧進を行っています。
心を落ち着けるための仏教の修行の1つですが、納めたお写経は復興されたお堂の中に永代供養されます。
毎日午後4時まで受付をしており、個人であれば予約や道具の準備も不要ですので、参拝の折に体験されてみては。
唐招提寺【奈良市】
南都六宗の1つである、律宗の総本山「唐招提寺(とうしょうだいじ)」は、多くの苦難の末に来日を果たした「鑑真大和上(がんじんだいわじょう)」によって、759年に戒律を学ぶ人たちの為の修行の道場として始まりました。
鑑真大和上の私寺として始まった当初は講堂や新田部親王旧宅の蔵を改造した経蔵、宝蔵などがあるだけでした。
現在では、奈良時代に鑑真大和上の弟子の一人だった如宝の尽力により金堂が完成し、先述の講堂や蔵と合わせて、天平時代を彷彿させる貴重な伽藍となっています。
毎年5月19日に執り行われる「うちわまき」は、鎌倉時代の唐招提寺中興の祖である、大悲菩薩覚盛(だいひぼさつ・かくじょう)上人にちなむもの。
上人が亡くなられた時に法華寺の尼僧が、生前の徳を称え「せめてうちわで蚊を払って差し上げよう」と、ハート型のうちわを供えたことが始まりです。
命日に執り行われる中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)の法要の後に、舎利殿(鼓楼)から数百本のうちわがまかれ、うちわを授かると、病魔退散や魔除けのご利益があるといわれています。
多くの人がうちわのご利益を求めて集まる、大和路の初夏の風物詩です。
また、6月には開祖である鑑真大和上を偲び、国宝の「鑑真和上坐像」を納めた厨子の扉が特別に開かれ、歴史の教科書で見覚えのある、お姿を拝観することができます。
世界文化遺産「古都奈良の文化財」の1つとしても知られており、観光客のほか修学旅行で訪れる学生の姿も多く見られます。
平城宮跡歴史公園【奈良市】

特別史跡「平城宮跡(へいじょうきゅうせき)」は、710年に藤原京から遷都された平城京の中心であった宮跡です。
1998年12月に「古都奈良の文化財」の1つとして、世界文化遺産に登録されました。
国有地を中心に、史跡「平城京朱雀大路跡」とその東側の区域を加えた国営公園「平城宮跡歴史公園」と、その周辺において一体的な公園整備が行われています。
2018年に朱雀大路を中心に観光拠点として整備していた「朱雀門ひろば」が完成。
その「朱雀門ひろば」には、ガイダンス施設の「平城宮いざない館」、観光交流施設の「天平うまし館」「天平みつき館」「天平みはらし館」「天平つどい館」が立ち並びます。
天平みはらし館の展望デッキからは平城宮跡の眺望が楽しめ、天平うまし館では遣唐使の歴史解説コーナーや、原寸大に復原された「遣唐使船」に乗り、遣唐使の気分を体験することが可能です。
平城宮いざない館では、平城宮跡歴史公園の見どころや復原工事の様子を知ることができるほか、平城宮全域の復原模型や大型映像、展示された出土品などから、1,300年余りの時を越えて往時の平城宮のようすを知ることができます。
平城宮跡の北方に位置する「第一次大極殿院(だいいちじだいごくでんいん)」には「第一次大極殿」や2022年に完成した「大極門(第一次大極殿院の南門)」があり、古代の宮都における中心施設でした。
このエリア周辺には復原整備の様子や古代の建築技術を学べる「復原事業情報館」や、多数の出土品、復元模型、遺構などが公開されている「平城宮跡資料館」、「遺構展示館」など、数多くの展示施設が点在しています。
平城宮跡歴史公園は、展示施設の見学を通じて奈良時代に思いを馳せ、公園のいまを楽しむことで平城宮跡の魅力を体感できる観光スポットです。
平城宮跡歴史公園 基本情報
- 住所:奈良県奈良市佐紀町・二条大路南
- アクセス:近鉄「大和西大寺」駅南口から徒歩で約10分(第一次大極殿)
近鉄奈良駅から奈良交通バスで約16分「朱雀門ひろば前」バス停下車(朱雀門)
法隆寺【斑鳩町】
法隆寺(ほうりゅうじ)は飛鳥時代に、聖徳太子が亡き父のために造立を発願され、607年頃に完成した世界最古の木造建築群を有するお寺です。
聖徳太子は中国の優れた政治や文化、仏教を積極的に採り入れて国を発展させ、20歳という若さで摂政の役職につきました。
そのような功績を背景に、法隆寺は「学業成就」「入学祈願」「諸願成就」の御利益があると言われています。
境内は法隆寺の中心である「西院伽藍」と、斑鳩宮の跡地で国宝の夢殿などがある「東院伽藍」で構成され「法隆寺式伽藍配置」と呼ばれる構成です。
「西院」には国宝の金堂や、国宝であり日本最古の塔である五重塔など、法隆寺を象徴とする伽藍や塔堂が並び、中門や大講堂とをつなぐ回廊が囲みます。
「中ノ門」とも呼ばれる「東大門」の先に広がるのが「東院」です。
甍(いらか)の上に宝珠が輝く八角円堂の「夢殿」には、聖徳太子の等身像と伝えられる「救世観音像(ぐぜかんのんぞう)」が本尊として安置されています。
長く秘仏として奉安されてきたため、木造でありながら金銅仏と見まごうような美しい輝きです。
春と秋の年に2回行われる「夢殿本尊特別開帳」では、そのお姿を拝観できますので、時期を合わせて拝観されてみては。
法隆寺には伽藍や建築物だけでも、55棟に及ぶ国宝や重要文化財があり、所蔵する優れた仏教美術品では国宝だけでも150点、重要文化財を含めると約3,000点にもなります。
そのため、法隆寺と法起寺の2つの寺院における木造建造物は「法隆寺地域の仏教建造物」として、1993年に世界文化遺産に登録されています。
法隆寺 基本情報
- 住所:〒636-0115 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
- アクセス:JR大和路線(関西本線)「法隆寺」駅から徒歩で約20分、またはバスで「法隆寺参道」バス停下車
長谷寺【桜井市】

全国に数多くある「長谷寺」の原点であり、真言宗豊山派(しんごんしゅうぶざんは)の総本山です。
長谷寺のある初瀬の地は、古くからの聖地で源氏物語や万葉集にも登場します。
平安時代には貴族から、江戸時代には徳川家の崇敬を集め、国宝に指定されている舞台造の本堂は徳川家光によって再建されました。
3月~7月上旬および10月上旬~12月上旬の「本尊大観音特別拝観」においては、普段は一般の立入りが禁止されている本堂の中に入り、10mを超える大きな観音さまのお御足(おみあし)に直接触れてお参りできます。
また、同時期に開催される「春季特別寺宝展」では、重要文化財の「銅像十一面観音立像」や「地蔵菩薩立像」も公開されます。
仁王門を抜けて本堂へと続く重要文化財の「登廊(のぼりろう)」は、399段にもおよぶ屋根の付いた石段で、建ち並ぶ柱間は108間、軒下に吊るされた楕円形の灯籠が風雅な光景を演出。
4月下旬から5月上旬には見頃を迎える牡丹(ぼたん)に彩られ、長谷寺らしい絶好の撮影スポットです。
この長谷寺の牡丹は、唐の皇妃、馬頭夫人が観音さまの霊験を得たお礼に牡丹を献木したのがその始まりと伝えられます。
現在でも多くの御献木により株数を増し、今では約150種・7,000株にもなるそうです。
西国三十三所観音霊場の第八番札所としても知られる長谷寺は、牡丹のほか、春は桜に石楠花(しゃくなげ)、初夏はあじさい、秋の紅葉に冬は寒中に咲くぼたんと、四季を通じて境内が花に彩られることから、奈良大和路の「花の御寺(みてら)」としても親しまれ、巡礼者の目を楽しませてくれます。
大神神社【桜井市】

大和国一之宮、日本最古の神社としても知られる大神神社(おおみわじんじゃ)は、国造りの神様である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)をお祀りする神社です。
三輪明神ともいわれ、ご祭神がお山に鎮まるために本殿を設けず、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山(みわやま)を拝む、原初の神祀りの様式を伝えます。
また、崇神天皇(すじんてんのう)の御代、大流行した疫病をご祭神が鎮めたことや、杜氏(とうじ)の高橋活日(たかはしのいくひ)がご祭神の神助により美酒を醸したことから、「医薬の神様」や「酒造りの神様」としても広く信仰をあつめています。
「大物主大神が鎮しずまる神の山」と崇められる三輪山は、一木一草に至るまで神宿るものとして尊ばれ、伐採も許されていない神聖な山です。
松や檜、杉などの大樹に覆われ、特に杉は「万葉集」をはじめとする、多くの歌集に詠われ「三輪の神杉」として神聖視されています。
11月中旬には新酒の醸造の安全を祈る祭典「醸造安全祈願祭(酒まつり)」が行われ、祭典後から醸造安全の赤い御幣と「しるしの杉玉」が全国の酒造家・醸造元に授与されます。
この「杉玉」は三輪山の杉葉で作られたもので、酒造りのシンボルとして酒屋の軒先に飾られるようになりました。
ご祭神である大物主大神は、日本書紀において「大物主大神が顕現される1つの姿が蛇体であった」と記されていることから、大神神社で蛇は「巳さん」と親しみを込めて呼ばれています。
福徳をもたらす霊威として崇められ、境内の各所に好物の卵がお供えされているのも、巳さんへの信仰の表れです。
干支が巳年の2025年は奈良を訪れた観光客も、所縁の深い大神神社へ参拝されています。
そうめん発祥の地・三輪
古来より奈良が発祥とされている食べ物は数多くあります。
夏の風物詩でもある「素麺(そうめん)」もまた、奈良がルーツの食べ物の1つ。
素麺の誕生は今から約1,200年前と伝わります。
大神神社の神主・大神朝臣狭井久佐(おおみわのあそんさいくさ)の次男・穀主(たねぬし)が、三輪の地が小麦の栽培に適していることを知り、保存食として小麦と三輪山の清流で素麺作りを始めたとされます。
現在もその伝統が受け継がれ、三輪の銘産として手延べ素麺が有名です。
これは大神神社の門前町である三輪が伊勢街道筋にあり、旅籠でもてなされた三輪素麺の美味しさが、街道を往来する多くの旅人達によって全国へと広まっていったのでしょう。
そうめん発祥の地・三輪 基本情報
橿原神宮【橿原市】

「日本書紀」には、豊かで平和な国づくりを目指した第一代神武天皇が、畝傍山(うねびやま)東南麓の橿原宮(かしはらのみや)で即位したと記されています。
橿原神宮(かしはらじんぐう)は神武天皇の御聖業を仰ぎ、その宮址(みやあと)に明治時代の1890年に創建されました。
自然豊かで広大な神域は約53万㎡に及び「紀元祭」や「神武天皇祭」をはじめ、多くの祭典が執り行われています。
開運・招福のほか、神武天皇が「古事記」では137歳の御長寿を全うされたことに由来し、健康・延寿を祈願して多くの参拝客が訪れます。
本殿(重要文化財)は、京都御所で天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしていた内侍所(ないしどころ)を移築。
本殿の手前に内拝殿(ないはいでん)と外拝殿(げはいでん)を配置する「二重拝殿型」になっており、通常は外拝殿からの参拝となります。
1960年に今上陛下の御生誕を奉祝して制作されて以来、外拝殿に「大絵馬」が掲出されることも有名です。
高さ4.5m、幅は5.4mにもなり、通常の絵馬のおよそ1,600倍、畳約14畳分の大きさを誇ります。
橿原市在住の日本画家の手によって干支をモチーフにした原画が描かれ、毎年11月末の「大絵馬奉納奉告清祓」で翌年の干支へと変わります。
石舞台古墳【明日香村】
石舞台古墳は、わが国最大級の横穴式石室を持つ方墳で、国営飛鳥歴史公園内・石舞台地区の中央に位置します。
墳丘の盛土の大半が失われており、巨大な両袖式の横穴式石室が露呈している独特の形状が特徴です。
石室天井石の上面が平らで広く、その様子がまるで舞台のように見えることから「石舞台」と呼ばれています。
使われている岩の総重量は約2,300tあり、特に天井石は約77tとかなりの重量です。
そのため、築造当時の土木技術や運搬方法が、いかに優れたものであったかが解ります。
古墳の被葬者は明らかになっていませんが、645年の乙巳の変(いっしのへん)で滅ぼされた蘇我入鹿の祖父でもある、蘇我馬子の墓ではないかといわれています。
昭和初期の発掘調査で濠と堤が存在することや、6世紀代の小古墳を崩して築造されていたことなどが確認され、その上で石舞台古墳自体の築造は7世紀初め頃と推定されているそうです。
石舞台古墳 基本情報
- 住所:〒634-0112 奈良県高市郡明日香村大字島庄
- アクセス:近鉄「橿原神宮前」駅から周遊バス(赤かめ)で「石舞台」バス停下車徒歩3分
高松塚古墳【明日香村】
国営飛鳥歴史公園内・高松塚周辺地区の東に位置する古墳です。
石室に描かれた極彩色の壁画が有名で、歴史の教科書で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
築造年代は、1972年と2005年の発掘調査によって、藤原京期の7世紀末~8世紀初頭と考えられます。
下段の直径23m、上段は18m、高さは5mの「二段築成の円墳」で、被葬者については特定されておらず、①天武天皇の皇子説、②臣下説、③朝鮮半島系王族説の3つの主な説があります。
高松塚古墳は1962年頃に明日香村の村人によって発見、極彩色の壁画は1972年の発掘調査の過程で発見されました。
極彩色壁画の出現は考古学史上稀にみる大発見として新聞に発表、日本中で大きな話題となり一躍、高松塚古墳の名が有名に。
発掘作業は国家プロジェクトとなり、1973年に高松塚古墳は特別史跡に、極彩色壁画は1974年国宝に指定されました。
4面の壁画に描かれた男子群像や女子群像、四神(しじん)、太陽や月・星座などの中でも、特に色彩鮮やかな西壁の女子群像は「飛鳥美人」のニックネームでも呼ばれました。
劣化問題が一般にも知られるようになった石室の壁画は保存と修復が行われ、修復された壁画は年に4回一般公開されています。
高松塚古墳 基本情報
- 住所:〒634-0144 奈良県高市郡明日香村大字平田439
- アクセス:近鉄吉野線「飛鳥」駅から徒歩12分 、又は周遊バス(赤かめ)で「高松塚」バス停下車
キトラ古墳【明日香村】
キトラ古墳は、高松塚古墳に続き日本で2番目に発見された大陸風の壁画古墳です。
国営飛鳥歴史公園内・キトラ古墳周辺地区の南、山の中腹にあります。
名前の由来については、①石室の中に亀と虎の壁画が見えたため「亀虎古墳」と呼ばれたという説、②古墳の南側の地名「小字北浦」がなまって「キトラ」になったという説、③キトラ古墳が明日香村阿部山集落の北西方向にあり、四神のうち北を司る亀(玄武)と西を司る虎(白虎) から「亀虎」と呼ばれていたという説など、諸説あるようです。
キトラ古墳の石室天井に描かれた天文図は「現存する世界最古の天文図」で、天の赤道や太陽の通り道である黄道が描かれ、北斗七星をはじめとする中国式の星座や太陽と月も描かれています。
また、高松塚古墳と同様に四神像も描かれていますが、十二支の獣頭人身像が描かれています。
壁画(公開は事前申込制)や出土品などは「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」1階の「キトラ古墳壁画保存管理施設」に展示されています。
キトラ古墳 基本情報
- 住所:〒634-0134 奈良県高市郡明日香村阿部山67
- アクセス:近鉄吉野線「壺阪山」駅から徒歩12分 、又は近鉄吉野線「飛鳥」駅から徒歩22分
奈良市内を観光するなら、はずせないおすすめスポット
奈良公園

奈良市街地の東側一帯に広がり、総面積は約511ヘクタールにも及ぶ広大な公園です。
古くは万葉集にも「春日野」として詠われ、春日大社や東大寺、正倉院、興福寺など長い歴史を誇る文化遺産が多数隣接しています。
市街地にありながら雄大で豊かな緑の自然にあふれ、春から初夏にかけて若草が萌える中で鹿の群れが遊ぶ様子は「大仏と緑と鹿」で表わされる「古都奈良の顔」といえるでしょう。
奈良公園の鹿はおよそ1,300頭、国の天然記念物にも指定されている野生の鹿(ニホンジカ)です。
公園内の木々の一部は、およそ2m以下には枝葉がなく、見通しが良くなっています。
これは「ディアライン(Deer Line)」と呼ばれ、鹿が首を伸ばして届く範囲の枝葉を食べることで形成されたもの。
(※deer=英語で鹿のこと)
奈良公園で鹿と共に名物になっている「鹿せんべい」は、米ぬかと小麦粉で作られています。
鹿にとって安全な様に砂糖や塩などは使っていないため、人間が食べてもほぼ味がしないそうです。
鹿がお辞儀しながら近寄ってきたら、鹿せんべいはすぐに与えましょう。
仕草がおもしろいからと、焦らしてばかりいると鹿も怒りますから、ご注意を。
奈良公園 基本情報
- 住所:〒630-0000 奈良県奈良市登大路町、春日野町、雑司町、高畑町一帯
- アクセス:近鉄奈良駅から徒歩で約5分、
またはJR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス(外回り)で「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停下車。
奈良国立博物館
奈良公園の一角に位置する「奈良国立博物館」は1895年に「帝国奈良博物館」として開館した日本で2番目の国立博物館です。
仏教と関わりの深い美術工芸品や考古遺品を中心とする収蔵品と、寺院・神社をはじめとする文化財所有者から寄託された品などが展示されています。
毎年4月下旬から6月初旬にかけて春季特別展を、また秋には正倉院展を開催。
「シルクロードの終着駅」とも言われる正倉院に収蔵される、8,000点を越える古文書をはじめ服飾品や調度品に仏具など、貴重な宝物の一部を公開する正倉院展は、歴史ファンでなくとも一見の価値ありです。
その他にも展示品にまつわるイベントが不定期で多数開催され、「なら仏像館」では、展示品の見どころを「ならはくボランティア」が分かりやすく説明してくれるガイドツアーも行っているので要チェックです!
奈良国立博物館 基本情報
- 住所:〒630-8213 奈良県奈良市登大路町50番
- アクセス:近鉄奈良駅から徒歩で約15分
またはJR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス(外回り)で「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ
若草山
奈良公園を訪れた際に見えるのが、古都奈良に早春を告げる「山焼き」でも有名な若草山(わかくさやま)です。
3つの笠を重ねたように見えるため「三笠山(みかさやま)」とも呼ばれています。
標高は342m、33ヘクタールの全体的に芝生で覆われた山で、桜、紅葉、ススキと四季折々の景色を楽しめます。
山麓ゲートから山頂へは30~40分程歩くとたどり着くことができ、「奈良奥山ドライブウェイ」を通れば、車でも山頂へ到達可能です。
山頂には、5世紀頃に築造されたと伝わる史跡「鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)」があり、毎年1月の第4土曜日に行われる「若草山焼き行事」は、この鶯塚古墳に葬る霊魂を鎮める供養のために始まったともいわれています。
夜空をも焦がすかのような壮観さは圧巻で、山焼き直前に行われる「奈良礼賛大花火」は、奈良県最大級!
この大花火を号砲に、約300名の消防団員らによって、3,800mにも及ぶ草地に一斉点火されます。
若草山 基本情報
- 住所:〒630-8211 奈良県奈良市雑司町469
- アクセス:JR奈良駅、近鉄奈良駅から市内循環バスで「大仏殿春日大社前」バス停下車徒歩12分
ならまち
奈良の旧市街地は、京都や金沢と並び戦争の被害を免れ、古き良き街並みやいにしえの生活風景を残す、全国でも希少な地域です。
その歴史は奈良時代(710年~)まで遡り、平城京の外京(げきょう)として整備されたことに始まります。
「ならまち」とは、その外京にある元興寺の旧境内を中心とする地域のこと。
「ならまち」の町家は、間口が狭く奥行きが深いのが特徴です。
かつて間口の広さによって税金が掛けられていたからとも、わずかでも表通りに面したいという思いからではないかとも、言われています。
また、風情ある町家の正面には、格子戸が設けられており、光量(日射し)や風量の調節に役立つ上、外からは中の様子が見えにくい造りとなっています。
街並みを散策していると、民家や商家の軒先に吊るされた赤い布でできた飾りを見かけるでしょう。
これは「庚申(こうしん)さん」のお使いの申(さる)を象ったお守りです。
持ち主に代わって災いを引き受けてくださることから「身代わり申」と呼ばれています。
江戸時代の末期から明治時代にかけて建てられた、町家の風情を今に伝える「ならまち」は、訪れる人々に懐かしさを感じさせてくれます。
ならまち 基本情報
- 住所:〒630-8392 奈良県奈良市中院町21(奈良町情報館)
- アクセス:近鉄奈良駅から徒歩で約10分、JR奈良駅から徒歩で約20分
または市内循環バスで「田中町(ならまち南口)」バス停下車
中谷堂
「ならまち」からもほど近い、東向商店街にある創業1992年の老舗餅屋です。
目にもとまらぬ高速での餅つきがSNS等で話題になり、海外メディアからも取材を受けるほど有名になりました。
今では、評判の餅つきをひと目見ようと訪れた観光客や、日本伝統の餅つきに興味を持った海外からの旅行者らで、店の前は連日賑わっています。
速さで注目を集めている「中谷堂の餅つき」ですが、素早く餅をつく理由はもち米が熱いうちにしっかりとついて、絶品の餅を提供するため。
店主が生まれ育った奈良県吉野郡上北山村の小橡(ことち)地区に昔から伝わる餅つきで、素早く仕上げることでやわらかくてコシのあるお餅になります。
自然のまま、昔のまま、田舎のおばあちゃんが作ってくれた、どこか懐かしい味のお餅を、多くの人に食べていただきたいという思いから、現在の「中谷堂」を創業しました。
伝統の技から生まれた名物の「よもぎ餅」は、ばら売りもあるので1個から購入でき、つき立てのお餅をその場で味わえます。
ぜひ、柔肌のようなしっとりとしたお餅と、ほんのり香ばしいきな粉の風味、厳選した小豆を炊いたあんこのハーモニーを堪能してみては。
NARA KINGYO MUSEUM(奈良金魚ミュージアム)

日本三大金魚の産地の1つ、大和郡山市がある奈良県に、西日本最大級の金魚ミュージアムが誕生しました。
単なるミュージアムの枠を超えた「日本最大級の金魚エンターテインメント」は、五感で感じる「驚き」と「癒し」そして「感動」の空間「エンターテインメントアクアリウム」です。
2021年4月のリニューアルにて、パワースポットを融合させた神秘的な空間が広がる「AQUA OASIS」と、アクアリウム&ディスコという異色の組合わせに「和」のテイストをちりばめた「JAPANESE AQUARIUM DISCO」の2つのエリアが誕生。
金魚をコンセプトに、プロジェクションマッピングなどを用いて表現された、新進気鋭のアーティストによるアート空間を楽しめます。
提供:奈良金魚ミュージアム
ミュージアムの主役である「金魚」は、よく見かける品種から希少種まで、約40種類3,000匹におよぶ奈良県大和郡山市の金魚たち。
優雅に泳ぐ美しい姿は、今までの金魚展示とは一味も二味も違った、五感を刺激する感動体験を演出してくれます。
どこを撮っても写真映えスポットにあふれているので、金魚の気持ちになって「NARA×KINGYO×ART」の世界を楽しんでみましょう。
NARA KINGYO MUSEUM 基本情報
- 住所:〒630-8012 奈良県奈良市二条大路南1-3-1 ミ・ナーラ4階
- アクセス:JR奈良駅(西口)、近鉄奈良駅、近鉄奈良線「新大宮」駅から無料シャトルバスを運行
奈良で話題の「かき氷」を楽しむ

かき氷の名所としても知られる奈良。
ここ数年、写真映えする「進化系かき氷」や、個性豊かな「絶品かき氷」を楽しめる、オシャレなかき氷を提供する店が急増しています。
奈良が「かき氷」の聖地とも言われるのは、「氷室神社」や「奈良を氷のまちとして発信したい」との思いで開催される「ひむろしらゆき祭」に因るところが大きいでしょう。
また、まだまだ広がり続ける奈良の「かき氷」のおいしさと創造力を発信する「奈良かき氷ガイド」も見逃せません。
2015年に「奈良かき氷MAP」として誕生し、以降毎年発行を続けている「奈良かき氷ガイド」は、奈良で「かき氷」を提供するお店を紹介する無料のガイドブックです。
かき氷ファンの増加と共に、掲載店舗数もどんどん増え、2024年に発行から10年目を迎えました。
「奈良かき氷ガイド」は、氷室神社でも入手できますので、参拝の折に手に入れて、奈良の食文化の1つとなった「かき氷」をたっぷり楽しみましょう。
奈良かき氷ガイド 基本情報
ちょっと足を伸ばして巡る、奈良県郊外の名所・観光スポット
吉野山【吉野町】

山一面に桜が咲き誇る吉野山は、吉野川南岸から大峰連山まで南北約8km続く、尾根一帯の総称です。
安土桃山時代には、太閤(豊臣秀吉)が茶会や花見を行うなど、古くから桜の名所として知られています。
また、春の桜だけでなく吉野山は修験道の聖地でもあり、歴史ある寺社が数多く点在。
中でも金峯山寺(きんぷせんじ)は吉野山のシンボルであり、修験道の総本山です。
吉野山の桜は、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が修行によって感得された金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)の姿を、ヤマザクラに刻んで吉野山に祀られたことが起源だといわれます。
信仰の証として、修験者たちによって植え続けられてきた桜の木が、今も人々の目を楽しませてくれているのです。
歴史的にも重要な場所であり、南北朝時代には後醍醐天皇によって朝廷(南朝または吉野朝)が置かれた場所でもあります。
重要な史跡も多く、2004年7月には吉野山全体が「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として、世界文化遺産に認定されました。
吉野山のうち、桜の木が数多く集まる地域は、山麓から順に下千本(しもせんぼん)、中千本(なかせんぼん)、上千本(かみせんぼん)、奥千本(おくせんぼん)と呼ばれます。
特に𠮷水神社の境内からの眺めは「一目千本(ひとめせんぼん)」と評判で、中千本と上千本の山桜を一望することができます。
現在では、シロヤマザクラを中心に200種・約3万本の桜が吉野山全体を覆い、4月上旬より気温の上昇にあわせて、麓の下千本から順番に見頃が山を上がってゆくので、長い期間にわたって花見を楽しめるのも、吉野山の桜の特徴です。
吉野山 基本情報
- 住所:〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山2430(吉野山観光協会)
- アクセス:近鉄吉野線「吉野」駅から吉野山下千本まで徒歩で約20分(七曲経由)または吉野山ロープウェイ利用
※観桜期は竹林院前~奥千本までのバスがあります。
生駒山・生駒山上遊園地【生駒市】

大阪府との府県境に位置し、標高642mの生駒山からは、大阪平野や奈良盆地を一望する美しい景色が広がります。
山の中腹には、商売の神様を祀る日本三大聖天の1つ、生駒聖天で親しまれる寶山寺(ほうざんじ)をはじめとする寺社が点在。
山岳の寺ならではの独特な伽藍や、荘厳な神社建築が並び、ノスタルジックな雰囲気や歴史や文化に触れ「非日常」の世界観に出会えます。
生駒山の山頂周辺にあるのが、1929年に開園した「生駒山上遊園地(いこまさんじょうゆうえんち)」です。
現存するものとしては国内最古と言われている大型遊具「飛行塔」をはじめ、空中サイクリングが楽しめるサイクルモノレール、まるで空中ブランコのような爽快感の「チェーンタワー」など、山上ならではの眺望を満喫しながら遊べる施設がいっぱい!
大阪を一望できる夜景は「COOL JAPAN AWARD 2019」を受賞しており、夜景スポットとしても人気があります。
子ども大人も安心して遊べる遊園地です。
(ナイター営業日については生駒山上遊園地ホームページをご確認ください。)
生駒山へは、近鉄生駒駅で乗り換えて、鳥居前駅から生駒ケーブルを利用するのがおすすめ。
1918年に日本で初めて開業した生駒ケーブルは、現在も「日本一古いケーブルカー」として住民や観光客の足として利用され続けています。
山頂までは約15分、ケーブルカーに乗って美しい景色を眺めながら山頂を目指すのも、生駒山の楽しみ方の1つです。
日常の喧騒から離れて、生駒山の自然と絶景が楽しめる遊園地で癒されてみては。
生駒山・生駒山上遊園地 基本情報
- 住所:〒630-0231 奈良県生駒市菜畑2312-1(生駒山上遊園地)
- アクセス:近鉄生駒駅前の鳥居前駅から生駒ケーブルで約16分
金魚とお城のまち【大和郡山市】
日本の金魚の三大産地の1つ「大和郡山(やまとこおりやま)」は、年間で約5,800万匹もの金魚と錦鯉約2万匹が販売され、金魚出荷数日本一を誇ります。
市内には金魚の養魚を行う農家が約50戸あり、中には「1年中いつでも金魚を見ることができる観光施設を」との思いから、「郡山金魚資料館」を併設しているところも。
夏の風物詩としてお馴染みの「金魚すくい」ですが、大和郡山市では毎年8月に「全国金魚すくい選手権大会」を開催。
全国から腕に覚えのある「金魚すくい名人」達が多く参加し、金魚すくいの‟技”を競う、大和郡山市を代表する一大イベントです。
また「金魚のまち大和郡山市」を広く内外にアピールするため、「全国金魚すくい選手権大会」が開催される8月第3日曜日を「金魚すくいの日」としています。
昔ながらの風情ある城下町の「大和郡山」は、史跡・郡山城跡を彩る桜がとても美しく、「日本の桜百選」にも選ばれた花の名所です。
春には桜の見頃に合わせ、時代行列や白狐渡御、金魚品評会など多彩なイベントで賑わう「大和郡山お城まつり」が開催されます。
郡山城の城主を務めたのが、豊臣秀吉を兄に持つ豊臣秀長です。
兄秀吉を生涯にわたり支え、天下人に押し上げた名補佐役で知られ、市民からは「秀長さん」と親しまれてきました。
2026年の大型歴史ドラマの主人公に、豊臣秀長が選ばれたことでも、大和郡山市が注目されています。
大和郡山 基本情報
- 住所:〒639-1132 奈良県大和郡山市高田町92-16(市民交流館 きんぎょの駅)
- アクセス:近鉄橿原線「近鉄郡山」駅またはJR大和路線(関西本線)「郡山」駅下車(JR奈良駅から約5分)
室生寺【宇陀市】

室生寺(むろうじ)は真言宗の寺院で、同じ真言宗で女人禁制だった、高野山金剛峰寺に対し、室生寺は女人の参詣を許可していました。
そのため「女人高野」と呼ばれ、その名の通り古くから女性が参拝してきた歴史があり、現在でも多くの女性参拝客が訪れる人気のスポットです。
春には桜、4月中頃になると石楠花(しゃくなげ)、初夏には青もみじ、秋には紅葉が、平安初期に建てられた美しい伽藍を彩り、室生寺ならではの景観を楽しめます。
特に石楠花は、標高約400mに位置する室生寺の気候や湿気が石楠花に適しており、毎年見事な花を咲かせています。
「室生寺前」のバス停で下車し、門前に連なる茶店や旅館を過ぎると、室生川の清流に朱塗りの橋が架かっています。
「太鼓橋」と呼ばれるこの橋を渡ると、室生寺の境内です。
境内には柿葺きの金堂や弥勒堂、檜皮葺きの本堂などがあり、金堂には、国宝の本尊釈迦如来立像をはじめ、重要文化財の薬師如来、文殊菩薩の他、十二神将(12体のうち6体)が安置されています。
このほか、高さ16mで国宝の五重塔は、屋外に建つものとしては日本最小の塔で、その美しい佇まいは室生寺の象徴と言えるでしょう。
室生山上公園 芸術の森【宇陀市】

室生寺から山を登り、眺めの良い中腹にある「室生山上公園芸術の森」は、豊かな森に囲まれた、現代アートと自然が融合した美しい公園です。
この公園の設立には、旧室生村出身の井上武吉(ぶきち)氏とイスラエル出身の彫刻家ダニ・カラヴァン氏が深く関わっています。
世界で活躍する彫刻家であった井上武吉は郷里のために、自分の彫刻作品を配置し、美術館を巡るように人々に村巡りをしてもらうと「森の回廊計画」を構想します。
1997年9月、井上武吉は公園の完成を見ることなくこの世を去りましたが、志を受け継ぐアーティストとして、旧知の親友でもあったダニ・カラヴァン氏がデザイン、設計、監修を担当し、2006年6月、地域とアートを融合した「室生山上公園芸術の森」が完成しました。
総面積は約7.8ヘクタールと広大で、園内にはダニ・カラヴァン氏による12の彫刻作品などが点在します。
三角形の特徴的なモニュメントがある「第2の島」や、室生寺をはじめとする、重要な神社仏閣が存在する北緯34度32分のレイラインを表した「太陽の道」はその代表的なもの。
公園内には、他にも屋外彫刻があり、四季折々の風景と調和したアート作品を楽しむことができます。
爽やかな木々の香りに包まれ、時間をかけてゆっくりと散策しながら自然とアートの融合を体感するのがおすすめです。
室生山上公園 芸術の森 基本情報
- 住所:〒633-0421 奈良県宇陀市室生181
- アクセス:近鉄大阪線「室生口大野」駅から奈良交通バスで「室生寺前」バス停下車、徒歩約20分
曽爾高原【曽爾村】
日本300名山の1つである標高1038mの倶留尊山(くろそやま)と、亀の背に似た標高849mの亀山とを結ぶ西麓に広がるのが曽爾高原(そにこうげん)です。
10月上旬~11月下旬、見渡す限り一面に広がるススキ草原は、曽爾高原のシンボルです。
特に秋の夕暮れ時、夕日に照らされて黄金色に輝くススキの風景は圧巻!毎年多くの観光客やハイキング客らが訪れます。
2月または3月頃には毎年山焼きが行われ、春から夏にかけては秋の風景とは一転して、絨毯を広げたような爽快な新緑が姿をみせます。
その美しい眺望から「奈良県景観資産」にも登録され、四季折々表情を変える風景が見どころです。
また、曽爾高原の中腹には「お亀伝説」が残るお亀池があり、現在は湿原となっていますが、寒冷地を好む「サギスゲ」をはじめ、湿原特有の希少な植物が見られます。
また、お亀池を中心として「曽爾高原湧水群」が点在しており、平成の名水百選にも認定された湧水は「曽爾高原ビール」の醸造にも使用されています。
お亀池の近くには天然温泉「お亀の湯」があり、ハーブ園などの観光農園や地ビール工房、キャンプ場を備えた観光施設「曽爾高原ファームガーデン」もあるので、ハイキングや観光の後、温泉や地ビールを楽しんでみては。
曽爾高原 基本情報
- 住所:〒633-1202 奈良県宇陀郡曽爾村太良路(曽爾高原野口駐車場)
- アクセス:近鉄大阪線「名張」駅からバスで約45分
奈良市内から車で西名阪自動車道・名阪国道「針」IC経由にて約90分
谷瀬の吊り橋【十津川村】
日本一面積の大きい村・十津川村の上野地と谷瀬を結ぶ「谷瀬の吊り橋(たにぜのつりばし)」は長さ297m高さ54m。
眼下には清澄な十津川(熊野川)が流れ、日本有数の長さを誇る鉄線の吊り橋です。
踏み板を歩くたびにゆらゆらと揺れる吊り橋は、ドキドキ感を味わえスリル満点!
まるで空中を散歩しているような気分です。
今では十津川村を代表する観光名所になった「谷瀬の吊り橋」は、元々は生活道路として集落の人々が資金を出し合って1954年に完成しました。
吊り橋の一方の袂である上野地には、大和八木駅と和歌山県の新宮駅を結ぶ日本一の走行距離が長い路線バス「八木新宮特急バス」が通ります。
上野地バス停では約20分の休憩があり、バスから降車することもできるので、運転手に一声かけて、吊り橋を背景に写真撮影してみては。
谷瀬の吊り橋 基本情報
- 住所:〒637-1103 奈良県吉野郡十津川村上野地65-2
- アクセス:近鉄「大和八木」駅またはJR和歌山線「五条」駅から奈良交通「八木新宮特急バス」で「上野地」バス停下車
走行距離日本一の路線バス「八木新宮特急バス」

谷瀬の吊り橋の中で紹介した「八木新宮特急バス」は、路線全長169.9km、停留所の数は168ケ所、高速道路を使わない路線バスでは日本一の走行距離を誇ります。
沿線には、日本一面積の大きな村「十津川村」、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」エリアがあり、知る人ぞ知る秘湯や温泉も。
1日3往復のうち土・日曜祝日のみ、大和八木駅発の2便目と、新宮駅発の3便目は、奈良県内のルートを一部変更し、さらに一部の停留所を通過する観光特急「やまかぜ」で運行します。
この八木新宮特急バスにて、大和八木駅~新宮駅間を一度も降車することなく完全乗車すると、樹齢200年の「吉野杉」で作られた木製のしおりに、完全乗車日の日付を押した記念乗車証や、全168停留所と沿線の見どころを紹介した路線図を贈呈してくれます。
起点から終点まで約6時間半もの日本一距離の長い路線バスを完全乗車した、旅の記念にいかがでしょうか。
特に路線図は、日本一長い路線バスで全区間を完全走破したこと、改めてその長さを実感できる路線図となっています。
八木新宮特急バスは、途中の五條バスセンターで約10分、上野地(谷瀬の吊り橋の最寄りバス停)で約20分、十津川温泉で約10分の休憩を取ります。
十津川温泉のバス停待合所には「足湯」がオープンし、毎日7時から18時30分まで開放されているので、文字通り長旅に疲れた足を癒すのにぴったりです。
八木新宮特急バス 基本情報
天河大辨財天社(天河神社)【天川村】

ご祭神に市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、熊野坐大神(くまのいますおおかみ)、吉野坐大神(よしのいますおおかみ)、南朝四代天皇の御霊、神代天之御中主神より百柱の神をお祀りしています。
市杵島姫命は「辨財天様」としても信仰されており「日本五大弁財天」の1つに数えられる神社です。
拝殿前に吊された「五十鈴」は古来から伝わる「神代の神宝」で「いくむすび」「たるむすび」「たまずめむすび」という、魂の進化にとって重要な三魂(みむすび)の精神をあらわしています。
古来より、水の神、芸術芸能の神として知られていた天河神社には、能楽の創始者で知られる世阿弥も使用した「阿古父尉」など多数の能面や能装束が現存。
境内には神楽殿があり、神前での能の奉納が毎年行われています。
また、巳(白蛇)は弁財天の使いであることから、巳年にお参りすると良いとされ、特に干支が巳年である今年注目の神社の1つです。
本殿からやや離れた場所に鎮魂殿(禊殿)があり、凛とした空気に満ち足りています。
神社境内からは川沿いに徒歩で約10分となりますが駐車場もあるため、天河大辨財天社へ参拝の際には、こちらもぜひ参拝することをおすすめします。
天河大辨財天社(天河神社) 基本情報
- 住所:〒638-0321 奈良県吉野郡天川村坪内107
- アクセス:近鉄吉野線「下市口」駅から奈良交通バスで「天河大弁財天社」バス停下車すぐ
奈良市内から車で京奈和自動車道「御所南」ICより国道309号線経由にて約2時間
フォレストパーク神野山【山添村】

「ヒツジとツツジと星空のさと」山添村(やまぞえむら)は、奈良県の北東端、緑の茶畑が広がる地域で「大和高原」とも呼ばれます。
標高618.8mの「神野山(こうのやま)」は、県指定名勝となっていて県立月ヶ瀬神野山自然公園に指定されている、村のシンボルです。
春には山添村の花でもあるツツジが咲き誇り、緑と紅のコントラストで山を彩ります。
新茶の時期には茶畑の新芽が青空に映え、紅葉が山一面を覆う秋が過ぎると、うっすらと雪化粧し、一年を通して美しい自然を満喫できます。
神野山全体を「フォレストパーク神野山」と呼び、山全体がアウトドアを存分に楽しめる公園になっているのが特徴。
標高が高く都心部からの光害が少ないため、美しい星空が見られる星空観測の名所としても知られ、山頂展望台は関西屈指の「星空や雲海の観賞スポット」です。
山の北側斜面に広がる「めえめえ牧場」では約60頭のヒツジを放牧。
週末になると、家族連れやモフモフしたヒツジたちに癒しを求める人々でにぎわいます。

また、山添村は、巨石や巨岩の宝庫でもあり、黒い岩が川のようになった奇景「鍋倉渓(なべくらけい)」は、「天狗が争って岩を投げたあと」や「古代人が夜空の天の川を岩で表した」との伝説があるそうです。
神秘的な姿は古代のミステリースポットとも、現代のパワースポットとも噂されています。
フォレストパーク神野山 基本情報
- 住所:〒630-2225 奈良県山辺郡山添村伏拝
- アクセス:JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バスで「北野」バス停下車、車で約5分
名阪スポーツランド【山添村】

「名阪スポーツランド」は、名古屋と大阪を結ぶ主要道路「名阪国道」に隣接する総合モータースポーツ施設です。
モータースポーツの各部門における育成の場所として、現在フォーミュラニッポンや全日本GT選手権で活躍中の有名選手らも、カート時代にこの「名阪スポーツランド」で練習していました。
全長850mのミニバイクコース(四輪カートなどの走行も可能)から、近畿地区のジムカーナ大会などが開催されるコース、全長1,300mのモトクロスコースまで、様々なコースを完備。
レーシングライセンスの取得練習や大会観戦を楽しめる他、ライセンス不要のレンタルカートもあるので、モータースポーツ初心者の方でも、その迫力を体験できます。
※レース開催やコースコンディションによっては実施できない場合もあります。
名阪スポーツランド 基本情報
- 住所:〒630-2234 奈良県山辺郡山添村大字切幡1343-1
- アクセス:名阪国道「神野口IC」から車で5分、高速バス「大和高原都祁」バス停下車後タクシーで8分
- 電話:0743(87)0007
終わりに
奈良県の魅力は伝わりましたでしょうか?
約1,300年の歴史を誇る奈良県は世界遺産に囲まれ、国宝や重要文化財が数多く残されています。
歴史や文化に触れ、豊な自然や温泉など、魅力満載の奈良県へぜひ一度、足を運んでみてください。
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