北海道日高・えりも観光でおすすめの、風と風景を感じる旅

北海道の背骨と呼ばれる日高山脈が海へと続く、荒々しい自然が広がる日高地方・襟裳（えりも）エリア。
2024年6月25日には国内で35か所目の国立公園として、国内最大の面積を誇る「日高山脈襟裳十勝国立公園」が新たに指定されました。

太平洋から風速10mを超える強い風が吹きすさぶことでも知られ、暖流と寒流がぶつかることで発生する特有の霧が有名な襟裳岬など、この地域ならではの観光・体験ができます。

また日高地方は、国内軽種馬生産頭数の約8割を誇る、日本一の競走馬の馬産地です。
中央競馬や地方競馬で歴史に名を残す、多くの名馬を産みだしています。
有名なファームなど、北海道らしい広大な牧場では、サラブレッドたちが駆け抜ける姿を見られるでしょう。

ほかにも直線7kmにわたって約2,200本の桜が咲き誇る二十間道路桜並木や、エンルム岬、日勝峠など雄大な自然を堪能できる観光スポットが点在しています。

日高管内（日高振興局）とは

雄大な日高山脈の麓から、襟裳岬へと延びる地域で、太平洋に面していることから北海道の中では比較的温暖な気候です。
内陸側から「日高町」「平取町（びらとりちょう）」「新冠町（にいかっぷちょう）」「新ひだか町」「浦河町（うらかわちょう）」「様似町（さまにちょう）」「えりも町」の7つの町で構成されています。

えりも・日高エリアの景観を楽しめる観光スポット

新たに指定された「日高山脈襟裳十勝国立公園」の、ドライブにおすすめの風景が素晴らしい景勝地や、おすすめの観光スポットをご紹介します。

襟裳岬【えりも町】

北海道の背骨・日高山脈の最南端にあたり、太平洋に向かって南へ突き出している岬です。
ご当地ソングの代表ともいえる、有名歌手の大ヒット曲「襟裳岬」で全国的に有名になり、多くの観光客が訪れています。
「襟裳岬展望台」からは、遠く2km沖まで岩礁地平等が続いてゆく景色を眺められ、実に感動的です。
襟裳岬はアイヌ語の「オンネエンルム」が語源で、「オンネ」は「大きい」、「エンルム」は「突き出たところ」を意味しています。
2010年8月に国指定名勝「ピリカ・ノカ」（アイヌ語で「美しい・形」の意味）の一つに指定されました。

襟裳岬は太平洋からの風速10m/sを超える強い風が年間260日以上も吹く、日本屈指の強風地帯です。
これまでに最大瞬間風速では、47.2m/s（※気象庁のデータより）を記録したこともあり「風極の地」とも呼ばれます。

また、岬周辺の岩礁地帯は、日本最大のゼニガタアザラシの生息地でもあり、のんびりと寝そべる姿や、日光浴をしている愛嬌たっぷりの姿を観察できる日もあります。

襟裳岬「風の館」

「風極の地」襟裳岬では、風速30m/s以上になる日も決して珍しくありません。
その強風をテーマにした襟裳岬「風の館」では、風速25m/sの強風を体感するコーナーなどを設置。
あまりの風の強さに真っ直ぐに立っていることも難しいほどで、館内で1番の人気コーナーです。
雄大な襟裳岬をガラス越しに堪能できる展望ゾーンからはアザラシウォッチングも楽しめます。
襟裳岬「風の館」の展望台のすぐそばには、「襟裳岬」の2つの歌碑もあり、襟裳岬を突端までが一望できます。

豊似湖（ハートレイク）【えりも町】

日高山脈襟裳国定公園内で唯一の自然湖で、湖の形が馬の蹄に似ていることから地元では「馬蹄湖」とも呼ばれています。
古来アイヌでは「カムイトゥ（＝神の沼）」と呼んでいました。
この豊似湖（とよにこ）は、原生林に囲まれた湖面は上空から見ると、エメラルド色のハートを埋め込んだように見えることから「ハートレイク」と親しまれています。

湖畔周辺の「ガレ場」には北海道だけに生息し、氷河期の生き残りともいわれる「エゾナキウサギ」が生息。
その他にもエゾシマリスやエゾアカゲラ、エゾオオサクラソウなど、北海道特有の希少な動植物が見られます。

※駐車場から湖畔までは足場の悪い自然林の中を約200mほど歩くので、足元に注意してください。
また、豊似湖は道有林内にあるため、駐車場にある入林届に必ず記入しましょう。

【森と湖の里ふれ愛館】

豊似湖を訪れる際には、国道336号線から続く道の途中にある「森と湖の里ふれ愛館」にも立ち寄ってみましょう。
2006年度に閉校になった「旧目黒小中学校」を利用したもので、昔ながらの学校の雰囲気が懐かしい施設です。
散策や観光の休憩所として、観光交流スペースでは、えりも町の風景写真や野生動物の剥製を展示しています。

飲食スペースでは、えりもの漁師さんが加工した幻の高級魚「八角」の焼魚定食や、えりも産の「灯台つぶ」を使用したカレーやラーメンなど、地元「えりも産」の食材を使用した料理が楽しめます。
なかでも、えりも町特産の日高昆布をまとった衣と、昆布だしで味付けしたあっさりとした風味が特徴の「航空自衛隊えり守（もり）空上げ（唐揚げ）」の定食やカレーは、連日売切れ必至の人気メニューです。

森と湖の里ふれ愛館　基本情報

• 住所：〒 058-0422 北海道幌泉郡えりも町目黒214-6
• アクセス：高速バス「えりも」号の終点から車で約30分
  新千歳空港から車で約3時間30分

風のまち「えりも」観光ナビ（外部サイト）

黄金道路【えりも町】

太平洋沿岸に延びる国道336号線の、えりも町庶野（しょや）地区から広尾町までを結ぶ約33.5kmの区間は、切り立った断崖絶壁沿いに道路が続きます。
日高と十勝を結ぶ海岸ルートで、大変な難工事のために完成まで7年もかかりました。
竣工当時の名前は日勝海岸道路でしたが「まるで黄金を敷き詰められるほど、建設に莫大な費用が掛かった道路だ」として「黄金道路」と呼ばれるようになりました。
トンネルと覆道（ふくどう）が連続し、覆道の合間から覗く海岸線の風景が、まるで昔の映画のコマ落としのように眺められるのも、黄金道路の楽しみの一つです。

国道沿いの海側に小さな駐車できるスペースがあり、そこから少し階段を登った展望広場「望洋台」からは、険しい岩壁が続く黄金道路と太平洋を見渡せます。
望洋台には、黄金道路の由来が書かれた記念碑があるので、ドライブの休憩や記念撮影にも絶好の場所です。

エンルム岬（アポイ岳ジオパーク）【様似町】

アイヌ語で「突き出たところ」を意味するエンルム岬は、太平洋に向かって突き出ている陸繋島（りくけいとう）で、元々島だったものが、陸地との間に砂がたまって陸続きとなったもの。
船の停泊に都合がよい地形で古くから港として栄え、現在の様似漁港の東岸を形づくっています。

エンルム岬は「アポイ岳ジオパーク」の一つを構成しており、岸壁にはオオセグロカモメのコロニー（営巣地）や、エゾイヌナズナやヒダカミセバヤといった岩隙植物も豊富です。
ミヤマオダマキなどをはじめとする高山植物が生育していることで知られ、サマニヨモギの最初の発見地でもあります。

展望台からは、天気が良ければ「アポイ岳」や「ピンネシリ」と、様似の街並み、遠くは日高山脈や襟裳岬まで一望することができるビュースポットです。
岬の裏側にはマグマが冷えて固まった「節理」の隆起した崖があり、夏になると崖下の海岸で名産の日高昆布が天日干しされ、日高の夏を象徴する風景となっています。

アポイ岳やピンネシリなどが連なる「アポイ山塊」とは、地下深いマントルが地表に現れた「かんらん岩」の山々で、様似町は世界でも類を見ないほど、新鮮で多彩なかんらん岩から成る山々や渓谷が多い地域です。
「ジオパーク」は、これら貴重な大地の遺産、豊かな自然環境及び由緒ある歴史文化を丸ごと学び楽しむ「大地の公園」で、「アポイ岳ジオパーク」として、2015年には「ユネスコ世界ジオパーク」に加盟しました。

日勝峠【日高町・上川郡清水町】

札幌と道東地方を結ぶ、国道274号の日勝（にっしょう）道路にある標高約1,022mの峠です。
日高管内の沙流郡日高町と十勝館内の川上郡清水町の境界があります。
日勝峠周辺は森林が占める面積が約95%にもなり、木々で覆われた風景から「樹海ロード」とも呼ばれます。
急勾配と急カーブが連続する難所として知られますが、北海道らしいスケールの大きな景色が楽しめるドライブスポットで人気の峠道です。
標高約750mの5合目付近に「日勝峠第1展望台（川上郡清水町）」があり、十勝平野の大パノラマや遠く大雪連峰、阿寒の山並みまで見渡せ、気候によっては雲海を見ることもできます。
日高町側には「日勝園地展望台」があり、一帯は沙流川源流原始林（国指定天然記念物）や鳥獣保護区に指定され、トドマツやエゾマツ、ダケカンバの森林が広がっています。

「名馬のふるさと日高」馬とふれあえる観光スポット

日本一の競走馬の馬産地「日高」では、有名なファームなど北海道らしい広大な牧場で、サラブレッドたちが駆け抜ける姿を見られます。
「優駿・競走馬に会えるまち」へ、名勝負で全国の競馬ファンに感動を与えてきた日本を代表する名馬、次世代を担う駿馬、引退後も種牡馬として活躍している名馬たちを訪ねてみるのも良いでしょう。

サラブレッド銀座駐車公園【新冠町】

旧JR日高本線の新冠駅前から延びる道道209号（牧場通り）沿いは、大小さまざまな牧場が連なることから「サラブレッド銀座」と呼ばれています。
かつて栄光の歴史を刻んだ名馬たちが、第一線を退いて静かに過ごしていたり、育成中の若いサラブレッドの姿を見られる、競走馬のふるさとです。

この道道209号（牧場通り）沿いにある公園施設「サラブレッド銀座駐車公園」からは、広々とした牧場一帯を見渡せ、馬のシンボルモニュメントや馬蹄型ベンチ、休憩所やトイレなどが整備されています。
近くには「優駿記念館」「ハイセイコー号墓碑」など、往年の名馬を偲ぶスポットが点在しており、往年の競馬ファンにはたまりません。

にいかっぷホロシリ乗馬クラブ【新冠町】

日本有数の馬産地である新冠にあり「競走馬のふるさと」らしく、在籍する馬のほとんどが元競走馬のサラブレッドです。
乗馬が初めての方でも、インストラクターの指導のもとで、本格的なホーストレッキングを楽しめます。
約50分間の「体験林間コース」は、馬場内で基本的な馬の乗り方を学び、手綱操作の練習をしてから森へのトレッキングに出発するコースです。

乗馬経験者であれば、馬場内での練習なしですぐに森へのトレッキングに出発する「林間常歩コース（約50分間）」などもあります。

丘の上にあるクラブハウスからは太平洋と日高の山々の雄大な景色を一望でき、新冠温泉からも近いため、馬たちと温泉で心身ともに癒されてみては。

ライディングヒルズ静内【新ひだか町】

馬とのふれあいや乗馬を通しての情操教育や健康づくり、後継者育成など、教育・保健・福祉の向上に貢献する社会教育施設として、2001年10月にオープンした、新ひだか町の乗馬施設です。
体験乗馬はサラブレッドやどさんこなどをガイド（指導員）がひき、角馬場を約3分間程度1周するもので、子どもから大人まで気軽に馬とふれあえます。
乗馬レッスンは初心者向けから経験者用まで複数のコースが用意されているので、スキルにあわせてチャレンジ可能。
また、雄大な自然の中を馬に乗りながら（ガイド（指導員）による引き馬）散策できる、15分間～30分間のトレッキングも体験できます。

桜舞馬公園（オーマイホースパーク）【新ひだか町】

桜の名所としても知られる二十間道路の入口近くにも、競争馬に関するスポットがあります。
「エントランス広場」には、夏から秋にかけて開設される「牧場案内所」があり、二十間道路周辺にある2つの有名種馬場の見学の際には、こちらで申込みが必要です。
エントランス広場横には「桜舞馬公園（オーマイホースパーク）」があり、公園内には「テスコボーイ」のブロンズ像のほか「ウイニングチケット」「タマモクロス」といった静内にゆかりのある名馬の墓碑も建立されています。
その中には「サクラローレル」「サクラチヨノオー」「サクラユタカオー」など、サクラにちなんだ名前の有名馬も。

桜舞馬公園（オーマイホースパーク）は夏以外でも訪問できますので、桜並木のお花見と共に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

うらかわ優駿ビレッジAERU【浦河町】

駿馬の里・浦河町の杜にあり、桜の名所で知られる「優駿さくらロード」にも近い立地です。
古来より福運のシンボルとして愛されてきた馬たちと、乗馬などを通してふれあう体験ができます。
はじめての方でも体験可能な45分間の「初心者コース」から、JRA日高育成牧場敷地内の調教コースを利用する120分間の「JRA特別コース」まで、本格的な体験も可能なのがポイントです。

「うらかわ優駿ビレッジAERU」は、日高山脈の美しい風景をバックに、広大な敷地には乗馬関連だけでなく「パークゴルフ場」や、子どもに大人気のローラースライダーがある「わいわい広場」など、子どもから大人まで楽しめる施設が揃っています。
また、宿泊棟や大浴場、レストラン、バーベキュー館、キャンプエリアもあり、「馬や自然とふれあえるリゾートホテル」で、浦河町の大自然の風景をゆったり満喫するのがおすすめです。

おひさま牧場 ミニチュアホースふれあい広場【日高町】

「おひさま牧場」は、北海道日高町にあるミニチュアホース専門のふれあい牧場です。
ミニチュアホースは、おとなの馬でも背高が83.7cm以下の世界最小の馬で、ポニーよりもさらに小さな馬のことをいいます。
体が小さいだけで、その特徴のほとんどはサラブレッドなどの馬とほとんど同じ。
個体によっては好奇心旺盛な子もいるそうですが、基本的に臆病で大人しい性格なので、ペットとしても人気が高いです。

たくさんの個性豊かなミニチュアホースたちと、柵越しではなく直接自由にふれあい、エサやり体験やブラッシングも楽しめるのは「おひさま牧場ミニチュアホースふれあい広場」だけです！

北海道日高の歴史や文化・芸術を知る

北海道日高地区はアイヌの伝統が色濃く残る地域として知られ、アイヌ文化を学ぶためのスポットも数多く、より深く知り、楽しみ、体験することができます。
また、奥州に逃れた源義経が、後に北海道へ渡り、日高に上陸したとの伝説も。

ここでは、アイヌの伝統・文化や日高の歴史、ここでしか体験できないアートに親しむ観光スポットをご紹介します。

平取町立二風谷アイヌ文化博物館（二風谷コタン）【平取町】

北海道の歴史と文化の源泉でもあるアイヌ文化という宝物を守り、未来へと伝えていくことをコンセプトとした博物館です。
平取町を含む沙流川流域のアイヌ文化を「人々の暮らし」「神々のロマン」「大地のめぐみ」「造形の伝承」の4つのゾーンから学び、体感することができます。
重要有形民俗文化財「北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション」をはじめとしたアイヌの民具や、重要文化的景観に選定されたチセ（家）群など、数多くの視聴覚資料や関係図書などが納められています。

付近には萱野茂（かやの しげる）二風谷アイヌ資料館や旧マンロー邸（国登録有形文化財）、沙流川歴史館、平取町アイヌ文化情報センターなどがあります。
これらアイヌ文化関連施設がある一帯を「二風谷コタン」と呼び、いずれも徒歩圏内で見学可能です。
アイヌ工芸作家の工房が並ぶ「匠の道」や「平取町アイヌ工芸伝承館ウレㇱパ」では、現代に伝承される「アイヌ工芸」の技術を見ることができます。
また、クラフト体験のメニューもあり、楽しく学ぶこともできます。

判官岬（判官館森林公園）【新冠町】

標高約80mの断崖絶壁の上に展望台があり、太平洋と新冠町の素晴らしい景観を一望できる絶景スポットです。

兄の源頼朝に追われる身となった義経は、通説では今の岩手県平泉で自害したとされています。
しかし、北海道で語り継がれているのが、生き延びて蝦夷地（えぞち：北海道の旧称）を目指し、この岬に上陸してしばらく暮らしていたという伝説です。
義経は自らの名前「源九郎判官義経」にちなんで、この地を「判官館」と名付け、アイヌの酋長の娘「ピリカメノコ」と恋をしたり、馬で絶壁を駆け登ったといわれています。

岬の周辺は、キャンプ場、フィールドアスレチック、広場、遊歩道などがある海辺に面した多目的公園「判官館森林公園」が整備され「ひだか桜十景」の一つ「憩いの広場」などの花の名所もあります。

太陽の森ディマシオ美術館【新冠町】

北海道日高の雄大な山々や牧場に囲まれた大自然の中にある「太陽の森 ディマシオ美術館」は、「自然との共生」や「自然とアートとの融合」をコンセプトに、幻想的な雰囲気を楽しめる美術館です。
フランス幻想絵画の鬼才として活躍するジェラール・ディマシオの油彩画、パステル画、デッサン等、代表作200点以上を収蔵・展示しています。

見どころの一つが、高さ9m、幅27mに及ぶ超大作「世界最大の油彩画」で、ディマシオ1人の手で3年の月日を経て完成した幻の作品です。
1997年にカルタゴの大聖堂で初公開された後、2013年7月に、この美術館で上下左右へ画を取り囲むように鏡を張り合わせ、ディマシオの「無限」の幻想世界が完成しました。
大きさもさることながら、表現されているディマシオならではの世界感に圧倒的な迫力を感じます。
なお、ディマシオの作品には題名がないそうで、この「世界最大の油彩画」も絵の題名ではありません。
1日8回、光と音の演出プログラムによってその表情を大きく変え、様々な色の光が当たったり、暗転し一部分にのみ光が当たったりすることで、明るい光の元で観る絵画とは全く違った雰囲気やストーリーを感じるでしょう。

ディマシオ美術館は2008年に廃校になった「旧・太陽小学校」を再利用している、地域密着型の美術館であることも特徴です。
旧・太陽小学校のプールを再利用した「ガラスの美術館」では、ガラス芸術の巨匠ルネ・ラリック自身が手がけた、100年以上前の作品を国内最大級の300点以上展示、美術館の周りの「彫刻庭園」、館内至る所に多数のステンドグラス作品も展示するステンドグラスミュージアムなど、見どころがたくさんあります。

新冠町レ・コード館【新冠町】

新冠町とレコードのつながり、その発端は 1989年頃、ふるさと創生事業として全国の地方自治体に、地域独自の個性的な町づくりが求められていた時期に、町内音楽サークル「一枚のレコード」のアイデアから発展したものです。
「レ・コードと音楽によるまちづくり」を推進するため、新冠町が全国のレコード愛好家にアナログレコードの収集を呼びかけ、収集したレコードを保存・公開するユニークな町営施設として、中核施設「新冠町レ・コード館」がオープンしました。
全国から寄贈されたレコードの収蔵総数は、100万枚を超えるそうです。

レとコの間の点（・）は、レコードを「レ」は「RE（くつろぐ、再び、新たに）」からはじまる言葉、「コード」はラテン語で「心」を意味する言葉、レコード盤を単なる物としてではなく、レ・コード＝「REの心」「人の心」として捉える象徴です。

館内はレコードの歴史の紹介や、蓄音機など音響機器の歴史を展示する「ミュージアム」、昔懐かしいレコードを個室で楽しめる「リスニングブース」があり、レコードや音楽を五感で体感できます。
コンサートや演劇に使用できる町民ホールも併設されており「オールホーンスピーカー」という特別設計されたスピーカーシステムは、全長3.4m、開口部1.7mもある日本最大級のもの。
大迫力な音響システムで高音質なコンサートを楽しめます。

「新冠町レ・コード館」の中央部にそびえ立つ高さ36mのタワーが「優駿の塔」です。
25mの位置に展望室から、太平洋や日高山脈、サラブレットたちが草を食む牧場など、360°広がるパノラマがが眺望できます。
「道の駅 サラブレッドロード新冠」も隣接しているので、日高観光の拠点としてあわせて利用してみては。

桜を愛でる、日高・えりもの春

北海道のご当地ソングとしても大ヒットした歌にもある「えりもの春」の観光は、桜の名所を楽しむのがおすすめです。

二十間道路桜並木【新ひだか町】

直線7kmにわたって2,000本を超える桜が咲き誇るこの道は、かってこの地にあった宮内省御料牧場の道路として造成されたのがはじまりとされています。
造成時の道幅がちょうど二十間（約36m）あったことから「二十間道路」と呼ばれるようになりました。
道の両脇を彩る「エゾヤマザクラ」などの桜の樹は、1916年から3年の歳月を費やして、近隣の山々から移植されたものです。
｢日本の道百選｣｢さくら名所100選｣｢北海道遺産｣にも選ばれたことから、日本屈指の桜の名所として多くの人から親しまれます。

艶やかに咲き誇る桜並木を観ようと、春の連休に開催される「しずない桜まつり」の期間前後には全国各地から10万人もの観光客が訪れます。

並木道の入口にある、桜舞馬公園（オーマイホースパーク）には、静内にゆかりのある名馬の墓碑があり、その中にはサクラの名を冠した名馬も。

優駿さくらロード（西舎桜並木）【浦河町】

優駿（ゆうしゅん）の里公園の入口から、約3kmにわたって1,000本を超える「エゾヤマザクラ」が道路の両側に立ち並び、桜のトンネルとして親しまれています。
例年、桜の開花にあわせて「浦河桜まつり」が開催され、桜並木のライトアップも行われます。
元々は地名から西舎（にしちゃ）桜並木と呼ばれていましたが、2004年4月に町民から新しい名称を募集し「優駿さくらロード」と名付けられました。

周辺には、うらかわ優駿ビレッジAERUがあり、JRAの調教コースを利用した本格的な乗馬体験も可能なほか、宿泊やキャンプ、バーベキューを楽しむこともできます。

うらかわオバケ桜【浦河町】

優駿さくらロードにも近い西舎の丘にひっそりと立つ、樹齢80年以上（推定）のエゾヤマザクラの大樹です。
樹高約16m、枝張りは約10m、幹周は4.8mと、その大きさは道内最大級を誇ります。
JRA日高育成牧場内の敷地内にあり、通常は関係者以外立ち入ることができないことから、長い間知る人ぞ知る浦河町の名木でした。

2021年から期間・時間を限定して公開されるようになり、道内最大級（幹周4.8m）の桜に認定。
近くを流れる「オバケ川」から「うらかわオバケ桜」と命名されました。
その名のとおりモンスター級の巨大桜で、タイミングが合えば満開の桜と馬とが共演する、名馬のふるさとらしい写真が撮れるかも。

※公開期間以外は立入禁止です、詳細は浦河町のホームページ等でご確認ください。

庶野さくら公園【えりも町】

庶野（しょや）漁港と桜が一緒に望める場所で、北海道の桜の名所の一つとして広く知られるようになりました。
かつて行われた「北海道観光地百選」で、高台に自生する桜の群落が入選したことがあり、現在も地域の団体「庶野桜保存会」の方々によって、公園内の清掃や桜の保護・植栽など維持管理活動が続けられています。
桜の見頃は、北海道の春の訪れからはやや遅れて、毎年5月の中旬頃です。
庶野さくら公園を奥に進むと、推定樹齢300年を越える「エゾヤマザクラ」の大樹があります。
元は別々の2本の樹だった桜が互いに支えあい、いつしか1本の大樹になったと言われていることから「夫婦桜」と呼ばれるようになりました。
毎年きれいな花を咲かせ、多くの花見客で賑わいます。

温泉で癒される北海道日高の観光

太平洋に面する日高では、海を望む絶景の温泉や、日高山脈を眺めながら楽しめる温泉があります。

新冠温泉 ホテルヒルズ【新冠町】

判官岬と太平洋が見える丘に建つ山小屋風のログハウスで、西側に位置する露天風呂からは、太平洋に沈む夕陽の絶景を眺められます。
泉質はナトリウム―塩化物・塩冷鉱泉（低張性アルカリ性冷鉱泉）。
神経痛や筋肉痛、関節痛、運動麻痺、間節のこわばり、疲労回復など様々な効能があります。
内風呂には天然鉱石ブラックシリカを入れてあり、温泉の効能にプラスして石の持つマイナスイオンと遠赤外線の働きにより、発汗や血液の循環を促進、リラックス効果とともに体の免疫力も高めてくれます。
サウナは、ミストサウナとドライサウナを備え（男女日替わり）、美肌効果のある「泥パック」も人気です。

ホテルのラウンジサービスでは生ビールやワイン、特製カレーなど時間限定の無料サービスが充実。
温泉棟では夜20時からキャンドルの灯りの中、レコードを聴いて癒しのひとときを過ごせる「キャンドルナイト＆レコードコンサート」を毎日開催しています。

みついし昆布温泉「蔵三」【新ひだか町】

みついし昆布温泉「蔵三（くらぞう）」のある新ひだか町三石は、有名な日高昆布の産地です。
日高昆布は「みついし昆布」の銘柄の一つで、こちらの温泉では、すぐ裏で獲れたみついし昆布をお料理のだしに使うだけでなく、 なんとお風呂にも浮かべています。
三石産昆布を浮かべた「昆布湯」は、みついし昆布温泉「蔵三」ならでは！
ミネラル成分がたっぷりしみ出たお湯は、肌がしっとりとして肌荒れや傷の回復にも良いと言われています。
泉質は、ナトリウム－炭酸水素塩泉 （弱アルカリ性低張性冷鉱泉）、きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症などに効能があります。

太平洋を一望する「海舟露天風呂」は、その名の通り舟をイメージしたもので、昼は大海原の圧倒的な解放感、夕暮れには太平洋に沈むロマンティックな夕景、夜は波音をBGMに満天の星空を堪能できます。

門別温泉「とねっこの湯」【日高町】

日高門別（ひだかもんべつ）にある、門別温泉「とねっこの湯」は、たっぷりのお湯が湧出する豊かな源泉かけ流しの天然温泉（加温）です。
大浴場と露天風呂には、まるでコーヒーのような褐色のナトリウム－塩化物泉（低張性アルカリ性低温泉）を使用。
慢性皮膚病、慢性婦人病、やけど、きりきず、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性などに効能があります。
そのほか、月替わりで効果が楽しめる薬湯、気泡湯ヘルストンやドライサウナも完備。

「とねっこ」とは、北海道の方言で「生まれたばかりの仔馬」のことで、名馬のふるさと日高にちなんだ名前です。
また、売店では地場産品と並んで、絵本コンテストで受賞歴もある支配人さんが描かれた、オリジナルの絵本も販売しています。

日高・えりもへのアクセス

JR日高本線の鵡川駅から様似間が、2015年の高波被害で休止（のちに廃止）となった以降、札幌や新千歳空港などからのアクセスは、レンタカーまたは高速バスを利用します。
日高管内の静内～様似間、様似～えりも間はJR北海道バス・道南バスが路線バス「日勝線」を運行しています。
※高速バスはいずれも完全予約制です。また高速「えりも」号と高速「とまも」号は1日1往復のみの運行。

■札幌から

道南バス 高速「ペガサス」号

札幌駅・大谷地バスターミナル～静内まで約2時間40分、浦河まで約3時間50分

JR北海道バス 高速「えりも」号

札幌駅・大谷地バスターミナル～様似まで約3時間45分、えりもまで約4時間25分

■苫小牧から

JR北海道バス 高速「とまも」号

苫小牧駅～静内まで約1時間45分、浦河まで約2時間50分、えりもまで約3時間50分

道南バス（路線バス） 

苫小牧駅～静内まで約2時間35分

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