火山の多い日本列島は火山活動による地殻変動や、長い時間をかけて大自然が作り出した「鍾乳洞」や「洞窟」が多数あります。
1年を通じて温度や湿度に変動が少ないことから、暑い夏にはひんやり涼しい空間が避暑にもってこいです。
この記事では自然の神秘を感じる「日本三大鍾乳洞」をはじめとした全国の鍾乳洞と、探検家気分で探索したくなる洞窟をご紹介します。
鍾乳洞とは
地殻変動によって石灰岩が積もった層が、地表に現れた時に酸性の雨を受けると石灰岩が溶けだし、形成された洞窟を「鍾乳洞」といいます。
石灰岩は、海中のサンゴや貝など炭酸カルシウムを含む殻や骨核などを持った生物が、堆積してできた石灰質の岩石のことです。
雨水や地下水によって石灰岩の層だけが溶け、それ以外の岩石や土の層は残るため空洞となり「鍾乳洞」が出来上がります。
また、石灰岩の溶けこんだ地下水は、滴り落ちることで再び石化して堆積していき、長い長い年月を経てできあがるのが「鍾乳石」です。
「鍾乳洞」は、この自然がつくり上げた神秘的な空間を体感できるのが魅力です。
日本各地に点在している「鍾乳洞」の中から気になるスポットを見つけて、探検してみてはいかがでしょう。
北海道・東北エリア
石炭の炭鉱の多かった北海道では、鍾乳洞はあまり見られませんが、東北の太平洋側では「日本三大鍾乳洞」の「龍泉洞」を筆頭に、有名な鍾乳洞が複数点在しています。
当麻鐘乳洞【北海道上川郡】
今から1億5,000万年前の「ジュラ紀」から、地下水の溶触作用によって、ゆっくりと時間をかけて作り上げられた石灰洞窟です。 1957年に石灰石の発掘中に発見され、1961年には北海道天然記念物に指定。
当時は洞窟の形が2頭の龍が横たわるように見えたことから「蝦夷蟠龍洞(えぞばんりゅうどう)」とも呼ばれていました。
当麻鐘乳洞の見どころは、天井から同じ太さでパイプ状に連なる「鍾乳管」で、学術的にきわめて珍しく、別名「マカロニ鍾乳石」とも。
他にも、つららのように天井から吊り下がる「つらら石」や、天井から落ちる水滴が徐々にタケノコ状になった「石筍(せきじゅん)」、つらら石と石筍がつながった石柱など、多彩な鍾乳石を見学できます。
また、夏休み期間中には期間限定で1日1組限定(最大8名)で、営業が終了した当麻鐘乳洞の中を、ヘッドライトの灯りのみで歩くガイドツアー「洞窟ナイトツアー」を毎年実施しています。
(※詳細は当麻観光協会 公式ホームページでご確認ください。)
冬期の閉鎖中には、洞内で日本酒「龍乃泉」の熟成が行われ、約2か月間熟成された「龍乃泉」は、当麻鐘乳洞の神秘的な力もあって、芳醇でまろやかな味わいと評判です。
当麻鐘乳洞 基本情報
- 住所:〒078-1341 北海道上川郡当麻町開明4区
- アクセス:JR石北本線 当麻駅からタクシーで15分
龍泉洞【岩手県】
龍泉洞は、秋芳洞(しゅうほうどう)【山口県】、龍河洞(りゅうがどう)【高知県】と並んで「日本三大鍾乳洞」の一つです。
洞内に棲むコウモリと共に「岩泉湧窟及びコウモリ」として「史跡名勝天然記念物」に指定されました。
「日本鍾乳洞九選」にも選ばれている龍泉洞の中にはウサギコウモリをはじめとした5種類のコウモリが生息。
1つの洞内に5種類ものコウモリが生息しているのは、日本でも非常に珍しいとされています。
鍾乳洞内の総延長は知られているだけでも4,088mあり、そのうちの700mが洞内観光ルートとして一般公開され探索可能です。
洞内は現在も調査が継続中で未知の部分も未だ多く、総延長は5,000m以上ではないかとも言われています。
洞内の広くなった空間は、鍾乳石が月の世界を思わせることから「月宮殿」と名付けられ、光の変化が醸し出す幻想的な雰囲気を楽しめるでしょう。
観光コースのルートでは「月宮殿」は行き帰りで2回通ります。 帰る際の進行方向から眺めてみると、岩の重なりによって空間がハート型に見える場所があるとか。
神秘的な龍泉洞のさらなる神秘スポットを探してみては。
月宮殿の先には、見つかっている8つの「地底湖」のうち、一般公開されている3つの地底湖があります。
第一地底湖は上からのぞける展望台があり、天井にはつらら石などの鍾乳石群が広がっています。
龍泉洞を紹介する写真やポスターなどはここから撮られたものが多く写真スポットとしておすすめです。
龍泉洞での見どころのひとつでもある「地底湖」は、雨が降らず水量も安定している冬の時季が、一番きれいに見えるそうです。
冬は地表が凍る影響で、上から落ちる雫がなくなり、波紋によって起こる水面の揺らぎやさざ波が少なく、さらに透過性が高まります。
どこからが水面か分からなくなるほど、世界有数の透明度と青さを誇る地底湖が観賞できる冬は、龍泉洞観光のおすすめシーズンです。
※2024年8月12日(月)より集中豪雨の影響で閉洞していましたが、8月25日(日)から営業再開いたしました。
あぶくま洞【福島県】
全長4218.3m公開部600mの洞内(一般コース)に、悠久の歳月をかけて作られた鍾乳石が続く福島県の「あぶくま洞」。
鍾乳石にはそれぞれ「クリスタルカーテン」や「きのこ岩」などの名前が付けられています。
なかには「クリスマスツリー」や「妖怪の塔」など、ユニークな名前の鍾乳石もあり、ここでしか見ることのできない貴重な鍾乳石を、間近に観賞することができます。
空洞部分も「若人の窟(いわや)」に「竜宮殿」や、洞内最大のホール「滝根御殿」、日本の鍾乳洞で初めて舞台演出用の調光システムが導入された「月の世界」など、見どころがたくさん!
また、一般コースの途中で枝分かれした約120mの「探検コース」もあり、子ども連れでの観光におすすめです。
探検コースでは、狭い所をかがんで進んだり、丸太のはしごを登ったり飛び石を渡ったりするので、一般コースよりもさらに冒険気分を味わえるでしょう。
周辺には、次に紹介する「入水鍾乳洞(いりみずしょうにゅうどう)」もあり、両方を探索するのがおすすめです。
あぶくま洞 基本情報
- 住所:〒963-3601 福島県田村市滝根町菅谷字東釜山1
- アクセス:JR磐越東線 神俣駅からタクシーで約5分、磐越自動車道 小野ICから約15分
入水鍾乳洞【福島県】
「三山(仙台平・中平・駒ヶ鼻)の大地の地底は、篭(洞窟)になっている。」という、古老の言い伝えにより、地元の人々の探索で1927年に発見されました。
当初は「滝根不動洞」と呼ばれ、滝根カルスト台地の東側を流れる早稲川(わせがわ)の水が、結晶質石灰岩を溶かしてできた「入水鍾乳洞」の全長は約984mです。
洞内に無数に垂れ下がる鍾乳石の奇岩は、最も大きなもので直径1mにも及び「不動滝」「地蔵洞」「雛壇」「ライオン岩」などの名所があります。
入水鍾乳洞には往復300mのAコース、同1,200mのBコース、最長で1,800mのCコースの3つが設定され、Aコースは一般的な観光洞で予約や特別な準備などは必要ありません。(Aコース受付時間 8:30~16:30)
Bコースからは、照明が少なく常に、鍾乳洞の中を流れる水の中を進むため、ヘッドライトや着替え、替えの履物が必要です。(Bコース受付時間 8:30~15:30)
Cコースは、入水鍾乳洞の公開部分全てを体験できるコースで、案内人が付きます。(要予約制)
入水鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒963-3601 福島県田村市滝根町菅谷大六89-3
- アクセス:JR磐越東線 菅谷駅からタクシーで約5分、磐越自動車道 小野ICから約20分、田村スマートICから約20分
関東・甲信越エリア
関東では、鍾乳洞をあまり見かけないようにも思われるかもしれませんが、意外と東京都の多摩地域周辺に大小の鍾乳洞があります。
また、富士山周辺では火山活動によって形成された洞窟があり、観光名所となっています。
橋立鍾乳洞【埼玉県】
秩父の名峰「武甲山」西麓の浦山川に面して、高さ約80mの石灰岩の大岩壁があり、その下に札所28番橋立堂(はしだてどう)があります。
石灰岩の岩壁は、約2億年前に5,000km以上離れた南洋で成長したサンゴ礁が、海洋プレートとともに移動して大陸プレートに押し付けられ隆起したもの。
この橋立堂から少し下ったところにある鍾乳洞が、埼玉県内唯一の観光洞「橋立鍾乳洞」です。
国内でも珍しい縦穴型の鍾乳洞で、急傾斜の割れ目に沿って地下水が浸透し、石灰岩が溶けてできた空洞が鍾乳洞となりました。
洞穴の長さは約140mほどで、内部は広くなったり狭くなったりと屈曲し、一番低い地点から最高地点までの高低差は約30mあります。
鍾乳石、石筍、石柱等が特有の文様をなしており「弘法の後ろ姿」や「下り龍の頭」など、ご利益のありそうな名前が付けられています。
日原鍾乳洞【東京都】
日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)は、古くからその名が知られる奥多摩の観光スポットの一つです。
かつては山岳信仰の対象として参拝者も多く、洞内からはお賽銭や古銅鏡なども発見されています。
「日本鍾乳洞九選」にも選ばれ、総延長は1,270m、高低差134mにおよび、探索時間が約40分と関東随一といわれる規模です。
洞内は旧洞と新洞に分かれ、特に新洞は石筍や石柱の発達が著しく、鍾乳石の豊富さとその美しい姿かたちに定評があります。
様々な形状の鍾乳石や岩には、巨大なカエルを連想させる「ガマ岩」や「連華岩」、「獅子岩」等の名が付けられ、その中には「百衣観音」や「護摩壇」「十二薬師」など、信仰の対象を象徴するような名前の鍾乳石や岩も。
大宮殿には自然の音を奏でる水琴窟も設置され、厳かな鍾乳洞の雰囲気の中で優雅な音が響くさまは、さらに幻想的です。
「地獄谷」や「三途の川」と名付けられた身の毛もよだつようなポイントを抜けると、迫力満点の大空間「死出の山」に出ます。
ランダムに赤、青、紫、緑色にライトアップされる岩肌が、非常に美しく時を忘れて魅入ってしまうでしょう。
日原鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒198-0211 東京都西多摩郡奥多摩町日原1052
- アクセス:JR青梅線 奥多摩駅から西東京バス日原鍾乳洞行で終点下車徒歩約5分
※土曜・休日は東日原止まりで下車後徒歩約25分
大岳鍾乳洞【東京都】
大岳鍾乳洞(おおたけしょうにゅうどう)は、東京都あきる野市の大岳山麓標高520m地点にあります。
都心から車で約90分で訪れることができ、東京都天然記念物に指定されている鍾乳洞です。
1961年に田中雄嘉造(おかぞう)氏が発見し、手掘りで中に人が入れるようにして翌年に開業しました。
全長は約300mあり、洞内の気温は11~13℃と一般的な鍾乳洞よりもさらに涼しいのが特徴。
洞内は照明も完備されており、所要時間約20分~30分で探索できます。
入口から入り、周回し戻ってくる「通常コース」に加え、約30年間閉じていたルート「チャレンジコース」が2019年7月に復活しました。
通常コースで巡るルートは「乳華殿」から「銀河殿」、天井が一番低い「明星湖」と進み、「銀漠坂」から石段を登って「止水滝」まで25の見どころがあります。
チャレンジコースは全長26m、所要時間約5分で通常コースよりも中腰の姿勢が続き、最後は直径60cmの穴をくぐり抜けて通常コースに合流。
「大黒殿」や「宝石殿」「新たな扉」などを巡り、通常コースよりもハードなコースですが、ヘルメットをかぶって探検家気分で冒険してみたい方は是非挑戦してみては。
大岳鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒190-0171 東京都あきる野市養沢1587
- アクセス:JR五日市線 武蔵五日市駅から西東京バス「上養沢」行きで27分「大岳鍾乳洞入口」バス停下車徒歩26分
富岳風穴・鳴沢氷穴【山梨県】
富士山の山麓に広がる、広大な青木ヶ原樹海の豊かな緑に囲まれた「富岳風穴(ふがくふうけつ)」と「鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)」。
これらは鍾乳洞ではなく、富士山の噴火による溶岩でできた洞穴ですが、鍾乳洞と同じような体験ができます。
国の天然記念物にも指定されている「富岳風穴」は、中に入ると夏でもひんやりと涼しく、平均気温はなんと3℃!
昭和初期までは蚕の卵の貯蔵にも使われていたという、まさに「天然冷蔵庫」です。
総延長は201m、高さは8.7mにおよぶ横穴のため比較的歩きやすく、玄武岩質が音を吸収する性質をもっているため、内部は不思議と音が響きません。
所要約15分の見学コースでは、クリスタルのような夏でも溶けない氷柱、溶岩棚や縄状溶岩などが見られます。
2012年に売店が”森の駅「風穴」”として、リニューアルオープンし、山梨・静岡のお土産やハイキンググッズを揃える他、ご当地グルメを味わえるフードコーナーも併設。
富岳風穴にも近い「鳴沢氷穴」も年間を通じて観光客がたえず、富士五湖観光のひとつに数えられています。
今から1,000年以上も前の864年に富士山の側火山・長尾山の噴火の際、古い寄生火山の間を灼熱に焼けた溶岩流が流れ下ってできた洞窟です。
1929年に文部省(現文科省)の天然記念物の指定を受けてから世界に紹介され、地質学上、貴重な存在となっています。
一年中氷に覆われていることから「氷穴」と呼ばれ、特に天井から浸み出した水滴が凍ってできた氷柱は見事です!
年によっては最大で直径50cm、高さ3mにまで成長します。
洞窟の総延長は153m、2つのトンネル式になった竪穴で、環状型なので洞内を1周することで様々な氷の表情が楽しめます。
富岳風穴 基本情報
- 住所:〒401-0332 山梨県南都留郡富士河口湖町西湖青木ヶ原2068-1
- アクセス:富士急行線 河口湖駅から富士急バスで約30分「富岳風穴」バス停下車
鳴沢氷穴 基本情報
- 住所:〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村8533
- アクセス:富士急行線 河口湖駅から富士急バスで約30分「鳴沢氷穴」バス停下車
中部エリア
数億年前は熱帯の浅い海底であった中部エリアは、海底だった地層が隆起して形成された山岳地帯が多いため、石灰岩層のカルスト地形には鍾乳洞が多数見られます。
竜ヶ岩洞【静岡県】
2億5千万年前の石灰岩地帯に形成された竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)は、東海地方最大級の観光鍾乳洞です。
標高359.1mの竜ヶ石山(りゅうがしやま)南麓にあり、総延長1,046mのうち400mが観光用に一般公開されています。
洞内は一年を通して平均気温18℃で、夏は涼しい避暑地としても人気の浜松のパワースポットです。
悠久の時と自然の力が生みだし鍾乳石など、U字型の洞内には45か所の見どころがあり、特に落差30mの地底の大滝(黄金の大滝)は圧巻!
水神様エリアはブルーライトによる演出で美しい景観に、鳳凰の間にはまるでシャンデリアのように垂れ下がる鍾乳石が広がっています。
竜ヶ岩洞の入口では、小さな瞳が愛らしいコウモリたちが出迎えてくれ、毎日11時と14時には「コウモリのモグモグタイム」を実施。
コウモリがフルーツをもらって食べる姿はとてもかわいらしく、ちょっと怖い様なミステリアスなイメージが一変するかもしれませんよ。
竜ヶ岩洞 基本情報
- 住所:〒431-2221 静岡県浜松市浜名区引佐町田畑193
- アクセス:浜松駅バスターミナルから遠鉄バス「奥山行き」で約1時間 「竜ヶ岩洞入口」バス停下車徒歩7分
大滝鍾乳洞【岐阜県】
水とおどりの城下町・郡上八幡にも近い場所にある、大滝鍾乳洞(おおたきしょうにゅうどう)は総延長2kmに及ぶ規模の大きい石灰洞窟です。
現在はそのうちの鍾乳石の発達した約700mの通路を観光用に一般公開しています。
洞窟内の最深部には「地底の滝としては日本一の規模」を誇る落差30mの地底滝があり、この豊富な地下水が今なお鍾乳石を成長させているのです。
そのため、大滝鍾乳洞は鍾乳石本来の色である乳白色のものが多いのも特徴のひとつ。
他にも鉄分などが溶け込んだ赤い鍾乳石や光を透す透明度の高い鍾乳石、壁面に咲いた無数の石華や石筍石柱など、さまざまな種類の鍾乳石を観賞できる鍾乳洞です。
洞内での一番の見どころは「天上界」と名付けられたホールで、見上げてみるとしばし時の経つのも忘れます。
大滝鍾乳洞の入口へは珍しい木製のケーブルカーが運行されており、これもここならではの体験です。
車で約3分のところに、縄文時代の住居跡が発見された「縄文鍾乳洞」があり、セット券も販売されているのであわせて探索してみるのもおすすめです。
飛騨大鍾乳洞【岐阜県】
飛騨高山と奥飛騨温泉郷の中間付近、岐阜県高山市丹生川町にある国内屈指の観光鍾乳洞です。
標高900mと観光鍾乳洞としては日本一高い場所に位置し「日本鍾乳洞九選」にも選ばれています。
1965年に発見された全長約800mにも及ぶ飛騨大鍾乳洞は、見どころも豊富です。
「ストロー」と呼ばれる白くて繊細な鍾乳石(鍾乳管)や、ねじ曲がりながら垂れ下がる「ヘリクタイト」など、大変珍しいタイプの鍾乳石を見られます。
また「愛深スポット」と名付けられた第1洞から第2洞へ渡る延長15mの地下道は、7色に光るLEDライトで幻想的にライトアップ。
「恋人の聖地」にも選定され、特にカップルの人気が高いスポットです。
このほか洞内には「子宝地蔵」や「子宝神社」もあります。
飛騨大鍾乳洞は、第1洞~第3洞までの3つ区間に区分され、鍾乳洞入口からの所要時間はそれぞれ、第1出口までは約10分、第2出口まで約20分、第3出口まで約30分です。
特に第2出口より先は急な坂道になるため、足腰の弱い方・体力に自信のない方は第1もしくは第2出口で出ることをおすすめします。
第1洞での見どころ「竜宮の夜景」は、青く照らされた地下水の上に広がる、蒼白の鍾乳石が実に神秘的な世界を演出しています。
第3洞での「月の世界」は辿り着くまでの道のりがかなり細く難所でもありますが、洞穴サンゴで形成され、大胆な石の裂け目は圧巻です。
飛騨大鍾乳洞に併設して「大橋コレクション館」があり、飛騨大鍾乳洞の発見者である、故・大橋 外吉氏が集めた世界の美術品や装飾品など約1,000点を展示しています。
中でも一度は強奪に遭ったものの「戻ってきた金塊」(※現在はレプリカと一部を展示)は必見の価値あり。
飛騨大鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒506-2256 岐阜県高山市丹生川町日面1147
- アクセス:JR高山本線 高山駅から濃飛バス(平湯・新穂高線)で「鍾乳洞口」バス停下車、無料シャトルバスに乗り換え
関西エリア
他の地域に比べて鍾乳洞の少ない関西・近畿エリアですが、奈良や和歌山などの山間部において、魅力的な鍾乳洞があります。
面不動鍾乳洞【奈良県】
奈良県の「特別天然記念物」の指定を受けた延長280mの鍾乳洞で、関西最大規模を誇ります。
「面不動鍾乳洞」は、海抜878mの高地で1933年橘本 広吉氏が発見し、同氏と井口 晃氏、大谷 実太郎氏の3名により、5年の歳月をかけて発掘されました。
洞川(どろかわ)付近一帯は石灰岩層のカルスト地形で、かつては現在集落のある場所全体が巨大な鍾乳洞だったと考えられています。
それが崩れ落ち、現在の面不動鍾乳洞はその末端だった所ではないかと推測されます。
洞内は無風で一年を通じての平均気温は10℃、長い年月をかけて形成された地下宮殿さながらの光景を楽しめるでしょう。
特に貴重なのは「ストロー」(鍾乳管)と呼ばれる鍾乳石で、ドーム状の「金糸の窟・銀糸の窟」では天井から無数の鍾乳管が垂れ下がり、大自然の芸術が見られます。
鍾乳洞内には、ここで発見されたテンやカワウソなど小動物の化石も。
洞川の町を一望する高所にあるため、鍾乳洞入口までは洞川八幡宮の脇から、丸太をデザインした面不動モノレール「どろっこ」に乗っていくのがおすすめです。
また周辺には、よりスリルたっぷりのモノレールで行くもうひとつの鍾乳洞「五代松鍾乳洞(ごよまつしょうにゅうどう)」もあるので、あわせて探索してみては。
面不動鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川673-89
- アクセス:近鉄南大阪・吉野線 下市口駅から奈良交通バス「中庵住」または「洞川温泉」行で「洞川温泉」バス停下車
戸津井鍾乳洞【和歌山県】
JRきのくに線(紀勢本線)紀伊由良駅から、海側に向かった先の高台、ペルム紀(2億5,000万年以上前) の石灰質地層に空いた洞穴が「戸津井鍾乳洞」です。
全長約100mほどと小規模ながら、夏は避暑地にもなる文字通りの穴場スポットで、スリル満点の神秘の地底世界が広がっています。
古くからその存在は知られていたものの、 大正から昭和中期ごろまでは石灰石の採石場として利用されていました。
現在のような観光洞窟として公開されるようになったのは平成になってからと、観光スポットとしては比較的新しい鍾乳洞です。
洞内は「針天井の間」や「玉石の間」などの空間があり、低い天井から成長する数cmの小さな鍾乳石に水滴が光る様子は、小宇宙か満天の星が輝く銀河を思わせます。
戸津井鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒649-1131 和歌山県日高郡由良町戸津井646
- アクセス:JRきのくに線(紀勢本線)紀伊由良駅から中紀バス小引線で「戸津井」バス停下車
または車で約10分
中国・四国エリア
日本最大級の鍾乳洞・秋芳洞(しゅうほうどう)【山口県】および龍河洞【高知県】と、日本三大鍾乳洞のうちの2つがあるほか、岡山県にも複数の鍾乳洞があります。
井倉洞【岡山県】
井倉洞(いくらどう)は、高さ約240mの断崖絶壁「井倉峡」の内部に広がり、岡山県の天然記念物に指定された鍾乳洞です。
西日本では秋芳洞に次ぐ大きさで、全長約1,200m、鍾乳洞内の高低差は約90mもあります。
高梁川(たかはしがわ)沿いにそそり立つ絶壁の壁面に入口があり、対岸から橋を渡っていきますが、迫りくるような壁面は圧巻!
鍾乳洞内を進むと、天井からぶら下がる「つらら石」、下からタケノコのように立つ石筍等、様々な形をした鍾乳石の奇石や怪石などが現れます。
照明に浮かびあがる「銀すだれ」「水衣」「くらげ岩」 等、約30の鍾乳石の中には、何かに似ているユーモラスな奇石も。
ルート上に立ちふさがるかのような鍾乳石の石筍には「とおせんぼ」と名付けられたものもあり、ここはさらに慎重に通らざるをえません。
また、鍾乳洞内では珍しい落差約50mの「天の岩穴」から落ちる「地軸の滝」があり、躍動する自然の力強さを感じさせられます。
見学所要時間は約40分、幻想的な地底空間で異世間感に没入できるでしょう。
井倉洞の近くには、1943年に製造された蒸気機関車「D51838」(通称デゴイチ)が保存・展示されています。
伯備線でお召列車(天皇陛下らが乗車する列車)をけん引したことがあることから、お召し仕様で鳳凰の紋章(レプリカ)で装飾され、鉄道ファンらに人気の撮影スポットでもあります。
羅生門【岡山県】
国の天然記念物にも指定されている「羅生門(らしょうもん)」は、これまで紹介してきた鍾乳洞とは様相が異なります。
地下の洞窟だった古い鍾乳洞が一部を残して陥没・崩落。
その一部が高さ約40mの石灰岩の巨大アーチとして残ったもので「鍾乳洞の成れの果て」とも言われています。
「第一門」から「第四門」までアーチはつながり、羅生門第一洞と呼ばれる最深部は、佐伏川につながる鍾乳洞となっているそうです。
現在は第1展望台、第1の門手前まで進入できます。
山間の遊歩道を5分ほど歩くと、突如目の前に巨大な天然の石門(アーチ)が現れ「羅生門」の名に相応しい光景に圧倒されます。
まさに、知る人ぞ知るパワースポットといえるでしょう。
この辺りは、洞口から吹き出す低温多湿な空気によって夏でも涼しく、主に高山や北方地域に繁殖する珍種のコケの宝庫です。
また、駐車場から羅生門へと続く遊歩道では、7月初旬にわずかな日数ですが、ヒメボタルを見ることができます。
駐車場横にある「羅生門さくら公園」があり、11種類約700本の桜の見ごろは、4月初旬から5月初旬にかけて。
毎年3月末から4月末まで「羅生門さくらまつり」を開催しているので、祭りの期間も含めると約2ヵ月弱お花見が楽しめます。
満奇洞【岡山県】
1929年に歌人・与謝野鉄幹・晶子夫婦が「奇に満ちた洞」と絶賛したことから「満奇洞(まきどう)」と呼ばれるようになりました。
元々は江戸時代末期に、地元の猟師が狸を追いかけている時に発見したといわれています。
岡山県の天然記念物に指定され、奥に地底湖が広がっている鍾乳洞です。
全長約450mと、それほど長くはないものの「洞窟博物館」といわれるほど、鍾乳洞内の変化が素晴らしいのも特徴の一つ。
静寂に包まれた鍾乳洞内はカラフルなLED照明でライトアップされ、最奥の地底湖にかかる「竜宮橋」や、日本屈指のリムストーンが広がる「千枚田」が見どころです。
また、鍾乳洞内にある「恋人の泉」は入口付近がハート形に見えることから「恋人の聖地」に選定されています。
自然の造形美とLED照明が生み出す幻想的な世界は、鍾乳洞内の随所が映えスポット!
ミステリー映画のロケ地としても有名で、コスプレ写真を撮りに訪れる人もいるそうです。
満奇洞上部にある遊歩道は、秋にはもみじがきれいに色づき、紅葉の穴場スポットとして知られています。
手が届くほど間近にもみじがあるため、他では見られないような絶景を存分に満喫できますよ。
秋芳洞【山口県】
日本を代表するカルスト台地として知られる秋吉台国定公園の地下100m、南麓に開口する「特別天然記念物 秋芳洞(あきよしどう)」。
東洋屈指の大鍾乳洞であり「日本三大鍾乳洞」のひとつです。
年間来洞者数は年間約40万人を誇り、「日本鍾乳洞九選」にも選ばれています。
鍾乳洞内の観光コースは約1km(鍾乳洞全体の総延長は11.2kmを超え国内第2位の規模)あり、一年を通じて気温は17℃で一定です。
ひんやりとした冷気が漂う杉の木立を抜けると、秋芳洞の正面入口が見えてきます。
正面入り口から入り「青天井」「長淵」を抜けて最初の見どころが、まるで棚田を思わせるような「百枚皿」。
大小さまざまな鍾乳石が平たく連なり、水を張った100枚もの皿のように見えることから名づけられましたが、実際には500枚以上にもおよぶそうです。
有名なトルコの世界遺産「パムッカレ」にも似た光景は、写真映え間違いなしの絶景といえるでしょう。
「洞内富士」のある「広庭」や「千畳敷」を経て、現れるのが秋芳洞のシンボル巨大な「黄金柱(こがねばしら)」。
天井から浸み出た地下水が、洞床まで壁を流れつたって数万年の時を重ね、何層にも積み重なった石灰華柱です。
その大きさは高さが15m、幅4mにもなり、レース編みのように繊細な表面の造形は、実に複雑で美しく、見惚れてしまうほど。
黄金柱より先は黒谷支洞と呼ばれ、これまでより幅が狭くなります。
この黒谷支洞での見どころが「巌窟王」です。
「洞窟の王」と称される高さ8m、直径3mの圧倒的な姿は、石筍が幾重にも重なってできたもの。
角度や方向によって、表情を変えるその姿はしばらく見ていても飽きることがありません。
秋芳洞の出入り口は、正面入り口のほか、黒谷支洞につながる黒谷入口、カルスト展望台に近いエレベーター入口の合計3か所。
正面入り口から入った場合には上りコース、黒谷入口と、千畳敷付近に降りるエレベーター入口から入った場合には、下りコースとなります。
また、正面入口近くには青天井付近の岩肌からスタートする特別コース「冒険コース」があるのはご存じでしょうか。
距離は短めですが、懐中電灯を片手にはしごを登ったり、鍾乳石の間をすり抜けたりと、よりスリリングな探検を楽しめます。
通常の入洞料金とは別に追加料金が必要ですが、懐中電灯の貸出も含まれているので、体力に自信のある方はぜひチャレンジを!
秋芳洞の正しい読み方とは
秋芳洞はかつては「瀧穴(たきあな)」と呼ばれていましたが、1926年の昭和天皇(当時は皇太子)が探勝されたのを契機として「秋芳洞(あきよしどう)」と正式に命名されました。
しかし、地名の「秋芳町」が「しゅうほうちょう」と読むことから、秋芳洞を「しゅうほうどう」と混同されるケースがあるようです。
秋芳洞 基本情報
- 住所:〒754-0511 山口県美祢市秋芳町秋吉3449-1
- アクセス:JR新山口駅から防長交通バスで約40分「秋芳洞」バス停下車
龍河洞【高知県】
「日本三大鍾乳洞」のひとつ、龍河洞(りゅうがどう)は、全長約4kmのうち、約1kmを見学できます。
国の史蹟・天然記念物に指定され、1億7,500万年もの歳月が作り出した自然のアートは、なんとも神秘的な空間です。
鍾乳洞だけでなく出口あたりでは弥生時代に使われていたとされる居住跡や、世界的にも珍しい石灰華に包まれた弥生式土器が見つかっており、約2,000年前この地に弥生人が生活していた証が残されています。
石灰華に包まれた弥生式土器は「神の壺」と呼ばれており、この「神の壺」のように「洞内に壺を置いておけば鍾乳洞に包まれるのか」という実験が、約80年にも渡って今も行われています。
この実験の過程を見届けるために、何度も訪れてみるのもいいですね。
九州・沖縄エリア
石灰石などで形成されたカルスト台地がある北九州周辺や、海底が隆起してできた地形の多い九州には大小さまざまな鍾乳洞が見られます。
また、石灰岩と同じく炭酸カルシウムを多く含むサンゴ礁が隆起してできた沖縄の島々には、本州以上に多くの鍾乳洞や洞窟があります。
沖縄に関しては、沖縄本島および石垣島などの離島にある鍾乳洞を別の記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。
千仏鍾乳洞【福岡県】
秋吉台と同じカルスト高原「平尾台」東端に開口する「千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう)」は、1935年に国の天然記念物に指定された由緒ある鍾乳洞です。
幾千万年の長い年月に渡ってカルスト台地に浸透した雨水によってつくられたもので、なかでも「千仏鍾乳洞」は平尾台にある洞窟の中でも最大規模のもの。
入口から900mまでは照明設備があり、誰でも楽に鍾乳洞散策を楽しめます。
480m付近から先「奥の細道」と名付けられたさらに奥は、一枚石灰岩の上を流れる地下の小川の中をジャブジャブと歩いて行くので探検気分も味わえます。※サンダルの無料レンタルあり。
さらに歩き進んでいくと、千仏鍾乳洞の見所のひとつである「初音乳」があり「堀サク門」のあたりまでが照明設備のある最奥。
ここから先は天井が大変低く上から水が降ってきますので、引き返すのが賢明です。
本洞入口において、大小30あまりの鍾乳石が垂れ下がっている「大偉観」は、日本ケイビング協会より「日本一」と称賛されました。
鍾乳洞探索の後は、平尾台の水で淹れたホットコーヒーと名物のカルスト饅頭で、喉と疲労を癒すのもおすすめです。
千仏鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒803-0186 福岡県北九州市小倉南区平尾台3-2-1
- アクセス:JR日田英彦山線 石原町駅から車で約20分
稲積水中鍾乳洞【大分県】
「稲積水中鍾乳洞(いなづみすいちゅうしょうにゅうどう)」は3億年前の古生代に形成された鍾乳洞で、 30万年前の阿蘇山の大噴火により水没して現在の姿となりました。
鍾乳洞内には水中鍾乳石や珊瑚石、ベルホール(鍾乳洞の中で水流が激しく渦巻き、おわん型にくりぬいた様な穴)、ヘリクタイト(鉱物が鍾乳石の様に堆積したもの)などが数多く見られる、世界的にも珍しい「水中鍾乳洞」です。
水深40mを超える深渕や、洞奥から湧き出る清流が作り出す美しい水中鍾乳洞のコントラストは、鍾乳洞を訪れる人たちを幻想的な世界へ導いてくれます。
洞内の温度は一年中16℃とほぼ一定なので夏は涼しく、そして冬は暖かく、マイナスイオンを感じる洞内で心も体も癒されることでしょう。
日本一の水中洞窟では、洞窟から川に向けての150mの区間で、スノーケリングやスキューバダイビングも楽しめます。(要予約)
また、最近ではテントサウナも設置され、サウナの後は鍾乳洞の水風呂に浸かって「ととのう」、稲積水中鍾乳洞でしか味わえない体験が「サウナー」たちの間で話題になっています。
稲積水中鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒879-7263 大分県豊後大野市三重町大字中津留300番地
- アクセス:JR豊肥本線 三重町駅からタクシーで約20分。
七ツ釜鍾乳洞【長崎県】
約3,000万年前の地層が隆起して出来た「七ツ釜鍾乳洞」は他の鍾乳洞と比べて生成年代が比較的新しく、材質も異なる世界的に稀な鍾乳洞です。
見学可能な国指定天然記念物の「清水洞」を中心としたエリアには、35か所の洞穴が発見されています。
その中でも、観光コースの設けてある「清水洞」は全長1,600m以上あるとみられ、今なお、その全容を確認できていない長大な鍾乳洞群です。
「日本鍾乳洞九選」にも選ばれています。
鍾乳洞観光コースでは、垂れ下がる鍾乳石とタケノコ状に伸びる石筍が結合して一本の柱になった「大石柱」や、仲良く並んだお地蔵様のように見える石筍「親子地蔵」などが見どころ。
鍾乳洞内は一年を通じて15℃前後に保たれ、鍾乳洞の奥から湧き出てくる澄んだ湧水の流れとともに、神秘に満ちた涼し気な空間を創りだしています。
また、七ツ釜鍾乳洞から湧き出る天然水を使った懐かしい味の「名水らむね」はお土産にもぴったりです!
※大雨の影響で鍾乳洞内の水位が上昇した場合には、洞内通路の一部に足場板を設置しての営業や、入洞禁止となる場合もあります。
七ツ釜鍾乳洞 基本情報
- 住所:〒857-2222 長崎県西海市西海町中浦北郷2541-1
- アクセス:西九州自動車道大塔ICから車で、国道202号を西海橋方面へ約30分
球泉洞【熊本県】
球泉洞(きゅうせんどう)は、1973年に愛媛大学学術探検部によって発見され、その全長は約5,000mにも及ぶ「九州本土最大級の鍾乳洞」です。
全国でも安家洞(あっかどう)【岩手県】、秋芳洞【山口県】に次いで、3番目の長さを誇ります。
「日本鍾乳洞九選」にも選ばれています。
約3億年前までは海中にあった石灰岩の層が隆起し徐々に侵食を受けながら形成されていったと考えられますが、その侵食は今もなお続いているそうです。
鍾乳洞を巡るコースは、30分かけてゆっくりと周回する「一般コース」と、40mある縦穴などを階段で下る「探検コース」の2つが設定されています。
世界的にも貴重な鍾乳石が豊富に点在する洞窟内には、神秘的な魅力と大自然の作り出した悠久の時を越える芸術がいっぱいです。
球泉洞の探検コース内にただひとつ、幸せを呼ぶと噂される「ハートストーン」があります。
恋人と一緒に見れば必ず結ばれる・・・と言われているそうですよ?
球泉洞 基本情報
- 住所:〒869-6405 熊本県球磨郡球磨村大字大瀬1121
- アクセス:人吉駅から球磨村コミュニティバス(人吉・神瀬線)で「球泉洞前」バス停下車。人吉ICより車で30分
昇竜洞【鹿児島県】
沖永良部島(おきのえらぶじま)は珊瑚礁が隆起してできた島で、地盤は琉球石灰岩で形成されています。
昇竜洞(しょうりゅうどう)をはじめ、地下には200~300の大鍾乳洞群が見られることから、沖永良部島は「花と鍾乳洞の島」とも呼ばれます。
昇竜洞は1963年に、愛媛大学学術探検部の調査団によって発見され、山内浩教授は当時「よく今まで自然の姿をそのままにのこしていたものだ」と驚かれたそうです。
全長3,500mのうち600mが一般公開されており、鹿児島県の天然記念物にも指定されています。
また「日本鍾乳洞九選」にも選ばれている鍾乳洞です。
鍾乳洞内の洞壁を覆うように形成された鍾乳石のことを「フローストーン」と呼びます。
壁一面を流れる巨大な滝が、まるで一瞬にして氷結したかのような美しさが壮観であり、昇竜洞の「フローストーン」はその規模と発達具合で全国最大級です。
そのほか、天井から板状に垂れ下がる鍾乳石「カーテン」、フローストーンの表面にサンゴのように形成された「ケイブコーラル」など、多彩な鍾乳石が見られます。
沖縄の鍾乳洞についてはこちらで特集しています。
まとめ
日本列島の北から南まで「鍾乳洞」や「洞窟」が、実に多数あることがお分かりいただけましたでしょうか。
「日本三大鍾乳洞」や「日本鍾乳洞九選」など、この記事でご紹介した以外にも、各地にはまだまだ多くの鍾乳洞や洞窟など、自然の神秘を感じるパワースポットがあります。
暑い夏にはひんやり涼しい空間が避暑にもぴったり、冬は地表よりもあたたかく水も澄んだ地底湖の探索など、「鍾乳洞」や「洞窟」を観光の目的とした旅行へ出掛けてみませんか?