青い空や青い海といったリゾート地のイメージが強い沖縄ですが、中国との交易の歴史が古く、中国文化の影響を受けた建物が今なお独特の景観をつくっています。
今回紹介する沖縄観光の穴場スポット「中国式庭園・福州園(ふくしゅうえん)」もそのひとつです。
2022年にリニューアルをし「歩けるアート」として生まれ変わった福州園の魅力を解説します。
穴場スポット福州園
沖縄県那覇市のオフィス街・久茂地近くに、ふいに現れる白い壁と中国風の門。
そこには中国の福建省福州市の庭園をモデルとして造られた庭園が広がります。
2022年に「歩けるアート」としてリニューアルを遂げた福州園は「沖縄の定番観光地は行き尽くしたかも」と思っている沖縄旅行のリピーターの方にはぜひおすすめしたい、穴場スポットのひとつです。
朝の散歩、午後の読書、幻想的な夜の庭園と時間帯によって見える景色が変わります。
いつもよりゆっくりしたペースで、庭園を歩いてみては?
なぜ那覇市に中国式庭園?
沖縄が琉球と呼ばれていた時代に明(当時の中国)との交易が始まり、多くの技術や文化がもたらされました。
その時期の交易の拠点となったのが、福州市と那覇市・久米(くめ)。福州市は台湾北西の東シナ海に面する港湾都市です。
その友好的な歴史を踏まえ、1992年に那覇市と福州市は友好都市関係を結び、友好のシンボルとして建設されたのが「福州園」です。
ここで使用されている石材などの建設材料は福州から輸入し、福州から建築の技術者を招いて建てられたそう。
福州市にも「琉球館」や「琉球人墓地」があり、交流の歴史を大切にしています。深い歴史があるからこそ、本物にこだわった空間となっています。
歩くアートの魅力とは
園内には、いたるところに龍を象(かたど)った石像や、季節を感じさせる植物が植えられています。
「春夏秋冬」をテーマとしていて、左から時計回りに園内を散策すると、1年間の季節の移り変わりを楽しめるという凝ったつくりになっています。
各エリアには休憩ができる屋根があり、例えば円形の屋根は「円満」を意味しているのだとか。
それぞれのモチーフの意味を考えながら散策するのも趣があります。
園全体がフォトスポット空間に
福州園はいたるところまで細かく計算されています。
何気ない造形に目を凝らしながら園内を巡ることで、オリジナルのフォトスポットとなることも。
夜にはライトアップされ、昼間とは異なる景色が広がります。
隣接する「クニンダテラス」は、琉球や久米村(クニンダ)の歴史文化に触れることができる展示や、飲食店、交流室からなる複合施設です。
福州園と屋上庭園とが緩やかにつながった「丘」のような建築は、自然と融合したゆったりとした空間を演出しています。
野外イベントスペースでは地域のイベントが開催されることもあります。
休憩コーナーもあるので、街歩きの途中で立ち寄ってみるものいいですね。
実はお子様も楽しめる?福州園の魅力とは
庭園のゆったりとしたイメージから、一見「子供がいると退屈にさせてしまいそう。」と思う方も。
園内一番奥にある滝の横には通路があり、滝の裏側に入ることができます。
水のカーテン越しに庭園を眺めると、なんだか探検をしているような気分になって刺激的。
裏側までは数段の石段で登れるので、小さなお子さんを連れている方も、安心して一緒に探検気分が味わえます。
滝の上には展望台があるので、そこから庭園を一望する楽しみもあります。
園内は、約20分で一周できるほどの広さなので、のんびり休み休み散策するのもいいですね。
「新しい沖縄を発見したい!」と思ったら、福州園に立ち寄ってみるのはいかがでしょうか。
【福州園】基本情報
- 住所:〒900-0033 沖縄県那覇市久米2-29-19
- アクセス:ゆいレール「県庁前駅」から徒歩7分、「那覇空港」から車で約15分
- 那覇空港から車で「うみそらトンネル」を通り15分ほど