琉球王朝時代から続く独自の文化が今も色濃く残る沖縄には、各地に神話や伝説が残っています。
いたるところに御嶽(うたき)と呼ばれる祈りの場がある沖縄は、今もなお人々の深い信仰に守られている、スピリチュアルアイランドです。
そんな沖縄の、代表的なパワースポットを紹介します。
健やかな日々に感謝しつつ、心の癒やしや安産、縁結びなど、さまざまなご利益を期待しましょう。
久高島
神が舞い降り、沖縄の国づくりが始まった「神の国」
「存在そのものに深い意味を持つ」ほどの重要な“神の島”。
ここに、琉球開闢(かいびゃく)の祖であるアマミキヨが理想郷のニライカナイから舞い降り、沖縄の国作りを始めたとされています。
現在も、12年に1度の午年に開催される祭事の「イザイホー」など、沖縄の歴史や昔ながらの風俗を今に伝える島として、民俗学的にも貴重とされています。
久高島は、島全体がパワースポットと言ってもいいほどの聖地です。
なお、島のあらゆるものは神様につながると考えられているため、島の石や砂、サンゴなどは、絶対に持ち帰ってはいけません。
持ち出すと災厄があると言われています。
久高島へは、南城市の安座真(あざま)港から、高速船またはフェリーで向かいます。
乗船時間は高速船で約15分、フェリーで約25分です。
久高島は、周囲がわずか8kmの小さな島。島のいたるところに聖地があるので、のんびり島内散策をして、神々の息遣いに耳を傾けましょう。
レンタサイクルでも1〜2時間で一周できます。
最初に向かうのは、東側にある「イシキ浜」。
ここにニライカナイから五穀のタネが入った壺が流れ着き、沖縄の農業が始まったとされる神聖な浜辺です。
次に、琉球七大御嶽の一つである「フボー御嶽」。
ここは先祖の魂が宿るとされる琉球でも最高ランクの聖地で、中心地は立ち入り禁止になっています。
一般の人は外から参拝しましょう。
その後、海岸沿いの遊歩道「ロマンスロード」に出て、自転車を走らせます。
島の絶景を見渡せるスポットとして有名で、先々で自転車から降りて、久高島の風景を満喫しましょう。
途中には東屋やベンチもあり、自分のペースでゆっくりペダルを進めることができます。
最終目的地の「カベール岬」に至る一本道は「神の道」とも呼ばれ、今もあえて舗装がされていません。
岬から望むエメラルドグリーンの海は透明度がたいへん高く、美しい思い出となります。
斎場御嶽
国家的な祭事が行われた琉球最高の聖地「斎場御嶽(せいふぁうたき)」
首里城とともに世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に登録されている、琉球王国最高の聖地です。
伝説によると、斎場御嶽は琉球の始祖であるアマミキヨが造ったとされるなど、琉球開闢伝説にもその存在が示されています。
琉球王国時代には、「神の島」久高島から運んできた白砂を運んで御嶽全体に敷き詰め、国家的な祭事が行われてきました。
御嶽の中には、「イビ」と呼ばれる6つの神域があり、今も祈りの場としておごそかな空気が漂っています。
マナーを守って参拝しましょう。
斎場御嶽の最大のパワースポットとされているのが、もっとも奥まった場所にある「三庫理(サングーイ)」です。
三角形の岩間の突き当たりには「チョウノハナ」という拝所があり、今も多くの人々がここで祈りを捧げています。
ここからは、「神の島」である久高島も望むことができます。
より詳しく場内を巡りたい人は、ガイドを依頼するのがオススメです。斎場御嶽の神話をはじめ、琉球の歴史や文化などを聞きながら、御嶽の中を歩くことができます(所要時間は50分ほど)。
首里金城町の大アカギ
首里城から南部への幹線道路として整備されていた、首里金城町石畳道。
そのエリア内には、うっそうと茂った森があります。
この森は内金城嶽(うちかなぐすくたき)と呼ばれる霊域で、琉球王朝の信仰の対象となっていました。
この中に自生するのが、推定樹齢200年以上ともされる6本のアカギの巨木です。
木の高さは20mほどあり、この地の移り変わりを静かに見続けてきました。
その中でも威容を放つのは、樹齢300年とも言われる大アカギです。
言い伝えによれば、旧暦の6月15日には、この大アカギに神が降りてきて願いごとを聞いてくれるそうです。
首里金城町の大アカギ 基本情報
- 住所:〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町3-18
普天満宮
縁結びの霊験あらたかな琉球沖縄八社の一つ
宜野湾市普天間にある、本島中部最大の神社です。
琉球沖縄八社の一つとされ、初詣には約11万人もの初詣客が訪れます。
そのルーツは、境内にある洞窟に琉球古神道神を祀ったことに始まりとされ、尚金福王から尚泰久王(1450〜60年)の頃に、熊野権現を合祀したと伝えられています。
洞窟から仙人が現れて「我は熊野権現なり」と話したとされるなど、さまざまな伝承が残っています。
境内には、市指定文化財「名勝」の「普天満宮洞穴」があります。
全長280mで、中には大きな広場が3カ所あり、この一帯からは約3000年前の遺物が多数発掘されています。
洞穴内にある霊石「陰陽石」は、縁結びや恋愛成就にご利益があると口コミで話題となり、女性に人気のパワースポットとなっています。
シルミチュー霊場・アマミチューの墓
琉球創世神にまつわる2つのパワースポット
うるま市から海中道路を渡り、平安座島を経由して訪れる「浜比嘉島(はまひがじま)」。
南部の久高島と並び、沖縄の神聖な島として知られています。
そんな浜比嘉島にある、琉球創世神にまつわる2つのパワースポットが、「アマミチューの墓」と「シルミチュー霊場」です。
「シルミチュー霊場」は、森の中にある大きなガマ(洞窟)で、琉球の祖神であるアマミキヨ(アマリチュー)とシネリキヨ(シルミチュー)が暮らしたとされる場所です。
洞窟内の鍾乳石は、子宝が授かる霊石とされています。鳥居をくぐると長い階段があり、登り切るとその姿を現します。
そのシルミチューの墓は、「アマンジ」と呼ばれる小さな島にあります。
毎年の年頭拝みには、ノロ(祝女)が中心となり、多くの島の人々が参加して、豊穣や無病息災、子孫繁栄を祈願しています。
シルミチュー霊場・アマミチュー 基本情報
- 住所:〒904-2316 沖縄県うるま市勝連比嘉
- 電話:098-978-0077(うるま市観光物産協会)
果報バンタ
龍神さまの力みなぎる絶景
沖縄本島から海中道路を経由し、平安座島を超えてたどり着く宮城島。
その東部に位置する標高120mの絶壁が、「果報(かふう)バンタ」です。
バンタは、沖縄の言葉で「崖」を意味します。
ここから見下ろす大海原は、沖縄本島でも指折りの絶景スポットとして有名です。
この「果報」という名前からも分かる通り、一帯はパワースポット。
周辺には、ぬちまーす観光製塩ファクトリー「ぬちうなー」の中にある御嶽「龍神風道」があります。
ここは竜宮神のエネルギーが広がり、霊験あらたか。
またここには、三天御座(みてぃんうざ)と呼ばれる小さな鍾乳洞の拝所(うがんじょ)もあります。
果報バンタ 基本情報
- 住所:〒904-2423 沖縄県うるま市与那城宮城2768
- 電話:098-978-0077(うるま市観光物産協会)
大石林山
2億年かけて作られた神々の巨大彫刻群
沖縄本島最北部に広がる、「やんばる」と呼ばれる亜熱帯の森。
大石林山(だいせきりんざん)・安須杜(アシムイ)の山々は、古から聖なる地として伝えられてきました。
2億年前の石灰石が、雨水などで削られてできた風景は、荒々しい「悟空岩」など、ダイナミックな風景が続きます。
岩間から野生のソテツが縦横に生えているのも印象的です。
「骨盤石」や「輪廻生まれ変わりの石」そして「御願ガジュマル」など、場内にはさまざまなパワースポットがあります。
それぞれの意味を詳しく知りたいならぜひツアーに参加しましょう。
「美ら海展望台」からの眺めも素晴らしく、辺戸岬のさらに奥には与論島の姿も見ることができます。
ほとんどトレッキングのような行程なので、歩きやすい靴や服装で出かけましょう。
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