赤瓦の屋根が連なり、昔ながらの八重山の風景が色濃く残るのが竹富島。
その風情あふれる景観と居心地の良さで、八重山諸島の中でも多くの観光客が憧れる存在です。
水牛車がゆったりの~んびりとのどかに通り、集落のどこからか三線の音が響く、竹富島の魅力をご紹介します。
竹富島ってどんな島?
八重山諸島に位置し石垣島から船でわずか10分ほどの距離の竹富島は、島の全周が9kmしかない小さな島で、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれているほど、古き良き沖縄の原風景を残しています。
色鮮やかな花が咲き、赤瓦の屋根が並ぶ風景は、誰もが観光パンフレットなどで目にしたことがあるでしょう。
のんびりと散策したり、竹富島観光の代名詞と言える水牛車など、楽しみ方は様々で、石垣島から近いこともあり、日帰り旅行でも十分楽しめる観光スポットです。
竹富島憲章
観光の印象が強い竹富島ですが、竹富島を生かす島づくりは、すぐれた文化と美しさの保全がすべてに優先されることを基本理念として、5つの原則が「竹富島憲章」に制定されています。
2.『汚さない』 海や浜辺、集落等島全体を汚さない、また汚させない。
3.『乱さない』 集落内、道路、海岸等の美観を、広告、看板、その他のもので乱さない、また、島の風紀を乱させない。
4.『壊さない』 由緒ある家や集落景観、美しい自然を壊さない、また壊させない。
5.『生かす』 伝統的祭事行事を、島民の精神的支柱として、民俗芸能、地場産業を生かし、島の振興を図る。
観光で竹富島を訪れる私たちも、竹富島憲章を尊重する行動を心掛けたいものです。
竹富島の魅力
竹富島といったら、真っ先に思い浮かべるのは、やはり水牛車でしょう。
水牛が観光客の乗る牛車を曳き、赤瓦屋根の昔ながらの街並みや、ガジュマルの木、デイゴなどの四季の花々を眺めながら、の~んびりまったりと巡ってくれます。
ガイドさんが途中で三線を持ち出して「安里屋ユンタ」などの沖縄民謡を唄ってくれたりと風情たっぷり。
所要時間はおおよそ30分ほどで集落をほぼ一周します。
水牛車での島内観光を運営するのは45年以上の歴史を誇る老舗の「新田観光」と、「竹富観光センター」の2社。
沖縄が本土に復帰して間もない頃、民宿の宿泊客をコンドイビーチまで送迎していたのが、竹富島における水牛車観光のはじまりです。
当時はまだ竹富島では自動車が珍しく、農作業だけでなく荷物の運搬なども水牛が行っていたため、力持ちで働き者の水牛は、当時の島民にとって生活に欠かせない大切なパートナーでした。
今でも水牛は、先人たちが残した伝統文化を継承し、生態系を護り、後世に伝えていくための大切な役割も担っています。
竹富島への行き方
本土や沖縄本島から竹富島への直行ルートはありません。
また竹富島に空港はありませんので、定期船によるアクセスのみです。
石垣島から竹富島への行き方
石垣島から竹富島への定期船は「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」から、安栄観光、八重山観光フェリーの2社が運航しています。
定期船は通年運行で所要時間は約10~15分、朝7時台から17時台まで、1~2時間に1本の割で出ているのでアクセスには困りません。
他の島から竹富島への行き方
竹富島へは石垣島のほか、1日1~2本程度ですが島間航路(アイランドホッピング)もあります。
西表島(大原)⇒竹富島、小浜島⇒竹富島(いずれも竹富島行のみ)、竹富島⇒黒島(黒島行のみ)
八重山観光フェリー 基本情報
- 住所:〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地ユーグレナ石垣港離島ターミナル内
- 電話:0980-82-5010
島内での交通手段
日帰りプランや観光コース以外で個人的に島を回る場合など、自由行動に便利なのがレンタサイクルです。
水牛車観光を運営するの2社の他、合計4社が営業しています。
なお、レンタカーやタクシー(一般的なメーター制での運行)はありませんが、港と集落やビーチ方面、集落とビーチとの間で「竹富島交通」が路線バスを運行しています。
港発は定期船の到着にあわせて出発する為、予約不要ですが、それ以外は電話で事前予約が必要です。
丸八サイクル(レンタサイクル) 基本情報
- 住所:〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町竹富523
- 電話:0980-85-2260
はじめての竹富島モデルコース
安栄観光、八重山観光フェリーの2社をはじめ、島内観光付きプランが豊富に用意されているので、竹富島観光が初めてという人は、そちらを利用するのがオススメです。
(午前)石垣港発 ~ 高速船約15分 ~ 竹富東港着
→送迎車にて水牛車乗り場→赤瓦の集落街並みを水牛車で観光(約25分)
→集落内のお食事処で昼食、集合時刻まで浜辺を散策→水牛車乗り場から送迎車で港へ
→竹富東港発~ 高速船約15分 ~ 石垣港着
(午前)石垣港発 ~ 高速船約15分 ~ 竹富東港着
→ドライバーの案内でバス観光(約30分)星砂の浜※下車観光やコンドイビーチ※車窓
→赤瓦の集落街並みを水牛車で観光(約25分)
→集落内のお食事処で昼食→水牛車乗り場から送迎車で港へ
→竹富東港発~ 高速船約15分 ~ 石垣港着
(午前)石垣港発 ~ 高速船約15分 ~ 竹富東港着
→グラスボートにてサンゴ礁見学(約25分)
→送迎車にて水牛車乗り場→赤瓦の集落街並みを水牛車で観光(約25分)
→集落内のお食事処で昼食→水牛車乗り場から送迎車で港へ
→竹富東港発~ 高速船約15分 ~ 石垣港着
※いずれのコースも戻りの船便は現地で選択可能な為、最大で8時間弱滞在可能です。
フリータイムを長くとれる場合にはレンタサイクルを使って、「竹富島のおすすめ観光スポット」で紹介する「アイヤル浜」や、「竹富島フィールドミュージアム」、「竹富島自然学習歩道」の散策はいかがでしょうか?
竹富島のおすすめ観光スポット
赤瓦屋根の集落
竹富島でのいちばんの見どころは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている「赤瓦屋根の町並み」そのものでしょう。
沖縄全体を見渡しても、ここまで伝統的な建物が整然と残っている一帯はなかなか見ることができません。
竹富島の赤瓦屋根の町並みには、島民の島や集落に対する思いが込められています。
竹富島の家は、赤い屋根瓦と積み上げられた白い石垣が特徴です。
屋根瓦漆喰で固められ、台風や暴風雨などで瓦が吹き飛ぶことがありません。
また、瓦の上にちょこんと鎮座している魔除けのシーサーのユーモラスな表情も見どころです。
古き良き町並みを一望できる「なごみの塔」という展望台があります。
残念ながら2016年に閉鎖されてしまい、2020年に保全・改修工事が行われましたが、現在でも閉鎖されたままとなっています。
なごみの塔の赤山公園脇にある「あかやま荘」の2階では「HaaYa nagomi-cafe」が営業しており、島ならではの食材を使ったスイーツのほか、季節の島野菜カレーなど、食事メニューも提供しています。
ちなみにあかやま荘は島では珍しい2階建ての建物で、ドラマの撮影用に民宿として使用したそうですが、実際に宿泊はできません。
そのほか、沖縄を代表する民謡曲「安里屋ユンタ」のモデルとなった安里屋クマヤの「生誕の地」も見どころスポットとして人気があります。
コンドイ浜
集落外の竹富島の見どころといえば、やはり美しい海の景色でしょう。
その筆頭は、八重山諸島でも指折りの透明度と美しさを誇ると言われる「コンドイ浜」です。
竹富島で唯一泳ぐことができるビーチで、その評判のほどは実際に見てみれば一目瞭然!透明度も抜群!
透んだコバルトブルーの海が広がり、白い砂浜とのコントラストはまばゆいほど美しく、遠浅で波もほとんどありません。
遠浅なので本格的なシュノーケリングには向きませんが、のんびりと海水浴にはこれ以上ないビーチです。
カイジ浜(星砂浜)
もう一つの有名な浜「カイジ浜」は、漢字で「皆治浜」と書き、近くにある皆治御嶽(カイジオン)という御嶽(うたき)に由来します。
潮の流れが速いため残念ながら遊泳禁止ですが、ここは別名「星砂浜」と言われているロマンチックなスポットです。
砂浜の砂をすくって見ると、星のような形をした砂が目に止まりますが、これは実は、砂ではなく有孔虫という原始的な生物の殻が砂浜に流れ着いたもの。
カイジ浜の星の砂は、旅の思い出に拾って持ち帰ることが許されていません!
しかし、心配はいりません!木陰にある売店で、各種お土産として販売しているので、こちらで購入可能です。
西桟橋
日帰り観光では味わえない、宿泊者だけが目にすることができるフォトジェニックな光景が夕陽の風景です。
特に、西表島方向にまっすぐ伸びる「西桟橋」から眺める夕陽は素晴らしいのひと言。
この眺めを目に焼き付けるために、夕暮れ時になると多くの人がこの桟橋に集まります。
日没に向かって空の色がだんだんと変化していく様子も、実にロマンチックです。
西桟橋は、西表島へ耕作に行く際の港として建設され1971年頃まで使用していましたが、今ではその役目を終え、2005年に国の有形文化財に登録されました。
アイヤル浜
アイヤル浜は島の東側にある海岸で「アイヤル」は島の言葉で「東の浜」を意味します。
集落からは少し距離があるので、時間をたっぷりとって自転車で行くのがおすすめです。
浜までの道中「アイヤルミチ」は未舗装路で、草木に囲まれているところもあり、蝶々が数多く飛んでいることでも知られ、ちょっとした探検気分が味わえます。
太平洋側にあたるアイヤル浜の海は、西側のコンドイ浜より青さが際立っており、一味違った美しさを堪能できます。
また、海に向かって左側には石垣島が見えたり、水平線を高速船が行きかったりと、ここでしか見られない景色も楽しめます。
竹富島に宿泊する方は、ぜひ早朝散歩で日の出を見に行ってみてください!
空と海を照らし輝かせながら太平洋から昇る朝陽は、島での素晴らしい一日の始まりを期待させることでしょう。
※なお、カイジ浜同様、潮の流れが速いためこちらも遊泳禁止です。
竹富島フィールドミュージアム
竹富島には昔からずっと守り続けてきた様々な「物語」が今も息づいています。
自然の営みから、島人の暮らしから、長い年月をかけて生まれ、暮らしの中で大事にされてきた「竹富島物語」。
竹富島フィールドミュージアムは、そんな「竹富島物語」に出会えるチャンスをつくり、本物の「竹富島」を体感してもらおうという仕組みで、6つのサポート施設があります。
竹富島ゆがふ館(ビジターセンター)
2004年6月24日に開館した西表石垣国立公園の環境省ビジターセンター。
島の自然と伝統文化・芸能を紹介する施設で、フィールドミュージアムの拠点となっています。
「天からのご加護により豊穣を賜る」という意味の「ゆがふ=世果報」から名付けられました。
島の玄関口である竹富東港の近くに位置する旬の情報提供の場で、環境省おすすめの「竹富島自然学習歩道」の出発地点でもあります。
現在は営業再開しています。
まちなみ館
沖縄の伝統的な木造軸組工法、赤瓦葺きで建設された竹富島の集会所で、島での祭りや伝統行事などを執り行う中心となっています。
喜宝院蒐集館
「喜宝院」は日本最南端に位置するお寺で、島の歴史を語る「歴史民俗資料館」でもあります。
浄土真宗本願寺派の寺院で、境内には釣鐘があり、毎日正午と18時に島に鐘の音が鳴り響きます。
併設の「蒐集館(しゅうしゅうかん)」には、住職の上勢頭亨(うえせど とおる)氏が60年かけて集めた美術工芸、民具など約4,000点が展示されています。
展示の内、842点が竹富島の伝統的生活用具として2007年3月7日に沖縄県初の国指定の有形民俗文化財に指定されました。
また、文字がなかった時代に島で使われていた記号「ワラサン(結縄)」、ミンサー織りの模様の由来なども、丁寧に教えてくれます。
竹富民芸館
「民芸の島」として紹介されたことから全国に知られるようになった竹富島は、 八重山ミンサー、八重山上布、グンボウ(交織)、芭蕉布などの染色技術が、他の地域と比較しても群を抜いていました。
民芸館はこの伝統を継承する後継者育成のため、1972年に開設された工房です。
ここでは、島で自生または栽培している植物(染料や原料として使用)、それらで制作した作品が制作工程の解説とともに展示されており、機織の実演も見学することができます。
てぇどぅん かりゆし館
竹富東港の船客待合所として2003年に完成した施設で、「てぇどぅん」とは竹富島のこと、「かりゆし」とは旅人の航海の安全を祈るという意味があり、名づけられました。
施設内に総合案内所があり、おみやげやグラスボートのチケット、石垣島への乗船券の販売のほか、観光、宿泊、飲食、マナーやルールなど、島での過ごし方のアドバイスもしてくれます。
船客待合所という事もあり、施設内にはトイレは勿論のこと、コインロッカーもありますので、日帰りプランなどで身軽に観光したい時に便利です。
売店はアットホームな雰囲気で、ミニチュアシーサーや手ぬぐいなどの民芸品や食品など、竹富島の様々なおみやげを取り扱っているため、船を待っている間のおみやげ選びにも最適でしょう。
旧与那国家住宅
大正2年に建築されたとされるフーヤ(主屋)を中心に、トーラ(台所)、ジージョン(拝所)、豚小屋、そしてフクギの防風林、サンゴ石の石垣で構成された竹富島の伝統的な屋敷形態の建築で、「マイユヌンニャ(前与那国屋)」という屋号で呼ばれていました。
2003年から島の大工さんを中心に、皆で屋根や床に敷く簀の子を作り、石垣を積み直すなどの修理・整備を行って、2006年3月に落成しました。
2007年12月4日には、竹富島における近代の住居形態と生活様式を理解するうえで、高い価値があるとして、国内最西端の国指定重要文化財建造物に指定されました。
世持御嶽
集落の中央辺りにある広場の突き当り、ここには1914年から38年の間、村役場がありました。
その跡地に火の神と農耕の神を祀るようになったのが世持御嶽(ユームチオン)のはじまりです。
世持御嶽には「弥勒奉安殿」と呼ばれる建物があり、五穀豊穣と島民の健康繁栄を祈る「種子取祭(タナドゥイ)」の際に使われる、来訪神ミルク神のお面が安置されています。
なお、「種子取祭」は国の重要無形民俗文化財に指定されている竹富島最大の祭りで、10月後半に行われる祭りの内2日間は、島内の店舗や施設もお休みとなります。
この2日間は観光ツアー等も一切行われないので、この前後で旅行を予定している場合には注意が必要です。
竹富島の宿泊
これまでは、民宿や小さな旅館が数軒あるだけだった竹富島ですが、2012年に最高級リゾートホテルで知られる、星野リゾートが手掛ける「星のや 竹富島」が開業しました。
星のや 竹富島
施設ごとの独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供するラグジュアリーブランドである「星のや」。
約2万坪の敷地には、伝統的な琉球赤瓦の客室が全部で48棟並び、1棟ずつ独立しているためプライベート感があり、まるで島に暮らすように心地よく滞在できます。
テードゥン(竹富島)の旅
小さな竹富島の魅力をめいっぱいご紹介してきましたが、日帰りプランだけでなく、ゆっくり宿泊して楽しみたくなりましたでしょうか?
ゆったりと流れる島時間の中での~んびりと、島の人々とテードゥンムニでゆんたくしてみてましょう!
最後まで読んでいただいて、みーふぁいゆー(ありがとうございます)!
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