大ブームを巻き起こし、一世を風靡した調味料の「食べるラー油」。その発祥は、沖縄の石垣島からでした。今も人気の沖縄ラー油はもちろん、沖縄には個性的な調味料がいっぱい。スパイス天国オキナワならではの楽しみや、調味料のおすすめ活用法も紹介します。南国生まれのかわいいスパイスたちは、ボトルなどパッケージの可愛さも相まって、ユニークなおみやげとしても重宝します。
食べるラー油の元祖!「石垣島ラー油」
映画「ペンギン夫婦の作りかた」にもなった、石垣島の「辺銀食堂」が、沖縄ラー油の元祖です。この店のもっとーは「食は命薬(ぬちぐすい)」。野生や自生、無農薬や低農薬の野菜を食材にするというこだわりです。
石垣島ラー油は、小指の先ほどの大きさの島唐辛子を主役に、ウコン、ピパーチ (島コショウ)、石垣の塩、黒糖、ニンニク、白ゴマ、黒豆といった、島産の香辛料や食材をふんだんに使用。体にいい素材ばかりなので、油だけでなく具材も一緒に食べるという点が画期的でした。今では沖縄みやげの定番の一つとなっています。
なお公式サイトによれば、ボトルが液ダレしやすいので「広口の瓶や器に移し替えて」スプーンですくって使って欲しいとのことです。
かつてはその人気のため、出荷数が限られていましたが、現在は辺銀食堂内の直販店「石垣ペンギン」などで購入が可能です。
島ラー油はこうして食べよう!
油だけでなく、具材も一緒に食べられる画期的な島ラー油。アイデア次第で、応用方法は無限大です。いろいろな食べ方を紹介しましょう。
シンプルにご飯にかけて!
ごくシンプルにご飯にかけて食べると、ご飯の味わいが引き立つのはもちろん、島ラー油の味わいもストレートに楽しむことができます。熱々の炊きたてご飯、しっとりした冷やご飯とも、それぞれの美味しさがあります。
また、卵かけご飯(TKG)、納豆ご飯といった、他の「ご飯のお供」とのコラボレーションも効果絶大です。島ラー油の程よい辛みと風味が食欲を増進させます。
料理全般の調味料として!
島ラー油は辛みを抑えているので、料理の味の引き立て役に徹します。料理そのものの味わいを壊すことはありません。炒め物、汁物、麺物などオールマイティに活躍します。
冷や奴やしゃぶしゃぶなどの薬味に!
程よい辛みとニンニクの風味がある島ラー油は、薬味にもってこい。冷や奴の薬味に島ラー油と白髪ネギを添えれば、淡白な豆腐にネギの青い酸味と島ラー油のコクがよく合います。また、しゃぶしゃぶでは、ポン酢に入れればもみじおろしの代わりに。ゴマだれに入れれば、ニンニクの代わりになります。
これは意外!刺身にもベストマッチ
島ラー油を刺身にかければ、韓国ユッケ風の味わいが楽しめます。上品な味わいの白身、脂の強いブリ、味わい濃厚なマグロと、それぞれの味わいごとに寄り添ってくれます。
島ラー油を手作り体験!
おいしい島ラー油を、自分でも作ってみたい!そんなワガママをかなえさせてくれるのが、石垣島の「手作り体験工房ゆんたく」です。
ここでは、ラー油に入れる食材を、石垣島産のものを中心とした約30種から選べます。選んだ食材は、スタッフがアツアツの特製オイルを注いでブレンドしてくれます。完成した「世界に一つのオリジナル島ラー油」は、2瓶分にもなるのでボリュームたっぷり。他にも、フォトフレームやクリアキャンドル作り、素焼きのシーサーの絵付けなども楽しめます。
島ラー油だけじゃない!ユニークでおいしい沖縄の調味料
沖縄には、島ラー油だけでなく昔から独自の調味料文化が存在します。どれも、沖縄料理に風味を増したり、味のコク深めたりする名脇役。生活に深く根ざしているので、スーパーなどで簡単に入手できます。
おみやげにも人気で、売店などではギフト用にパッケージされたものも販売されています。
コーレーグース
コーレーグース(コーレーグス)は、簡単に言えば、島唐辛子を泡盛で漬け込んだものです。島唐辛子は本土のタカノツメに比べて1.5倍以上の辛みがあり、激辛調味料として知られています。
実は歴史は比較的新しく、明治期以降にハワイに移住した沖縄の人たちがハワイのチリウォーターをまねて作り、それが沖縄でも定着したのだとか。
沖縄料理とは切ってもきれない存在で、特に沖縄そばにかけると、スープにキリッとした締まりが出ます。他にも、炒め物やラーメン、ピザなど、辛みを足したいときは何でもござれ。わさびやタバスコの代わりに使ったり、またナンプラーとの相性も抜群です。
油みそ
みそをラード(豚の脂肪)で炒め、泡盛や砂糖で味を整えた調味料です。沖縄では「アンダンスー(油=アンダ、味噌=ミスー)」と呼ばれることも。
味噌の味わいと脂身のコク、そしてやさしい甘みが絶妙のバランス。食べ方としては、シンプルにほかほかご飯の上に載せたり、おにぎりの具材にするのがオーソドックスです。他にも、ナスやピーマンなど野菜の炒めものなど、味噌だけあって料理の応用範囲が広いことが特徴です。
元々は各家庭で作るような庶民的な調味料ですが、おみやげ品ではアグー豚や石垣牛を使ったり、島唐辛子を配合するなど、プレミアム感の高い商品も少なくありません。
ピパーチ
石垣島特産の島コショウで、「ヒバーチ」や「フィファチ」などさまざまな呼ばれ方があります。原材料は「ヒハツモドキ」という植物で、この実を煎って乾燥・粉末にしたもの。コショウに似ていますが、独特な香味があります。
八重山方面に足を伸ばすと、石垣そば/八重山そばの店には、ほとんどこのピパーチが常備されています。振りかけると、辛みと香味がそばの味わいを引き立てます。
ピパーチはエスニックが風味が強いので、麺類や煮物、炒め物、イタリアンなど、いつもの料理にアクセントを加えたいときに好適です。
ぬちまーす
海洋県の沖縄は、昔から製塩業が盛んで、いろいろなブランド塩が知られています。「ぬちまーす」も、そんなブランド塩の一つです。
作られているのは、沖縄本島と海中道路で結ばれている「宮城島」。同島の太平洋側でとれる海水を「常温瞬間空中決勝声援法」という特殊な製法で製塩しています。海水の水分だけを飛ばし、海水に含まれているミネラル分はそのまま。一般の塩よりも塩分が25%低く、21ものミネラル成分が含まれ、これはギネス認定の記録となっています。またマグネシウムも一般の塩の200倍も入っています。
粉雪のようなサラサラの塩は、あらゆる料理をまろやかに味付けします。また、水に入れてミネラルドリンクにしたり、オリーブオイルと合わせたりと、非常に幅広く活用できます。
「ぬちまーす観光製塩ファクトリー」では、ぬちまーすの製塩過程の見学や「塩ソフトクリーム」などの試食ができます。また絶景ポイント「果報バンタ」も近くにあります。
沖縄の調味料はここで購入しよう!
島ラー油や油みそといった沖縄の調味料。元々は素朴なローカルフードでしたが、いまはかわいいボトルやパッケージをまとい、沖縄みやげとして人気です。
沖縄の調味料は、那覇空港のターミナルや、国際通りのみやげショップ、リゾートホテルのみやげコーナー、各地にある道の駅など、さまざまな場所で販売されています。
また最近では、沖縄産プロダクトを扱うおしゃれ系のセレクトショップでも販売されています。
ポートリバーマーケット
衣、食、住。沖縄の暮らしを心地よく楽しめ、地域に優しいライフスタイルを提案する、ハイセンスなセレクトショップ。
やちむんなどの雑貨類のほか、沖縄の素材を使った食べ物や調味料、香料などもそろえています。
ポートリバーマーケット 基本情報
- 住所:沖縄県浦添市港川2-15-8
- 電話:098-911-8931
ゆいまーる沖縄 本店<Storage & Lab.>
「琉球絣の里」と呼ばれる、南風原町宮平にあるショップ。琉球ガラスややちむん、琉球藍染といった沖縄の雑貨や食品、調味料などをそろえています。イオンモール沖縄ライカム内にある「OKINAWAセレクトショップ みらいやSANGO」も、同系列です。
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