石垣島のマングローブ林で大いなる自然にふれあう!

石垣島のマングローブ林で大いなる自然にふれあう!
マングローブ林 提供:OCVB
提供:OCVB

八重山諸島の中心的な島といえる石垣島。
リゾートアイランドとして賑わう一方で、亜熱帯の気候が豊かな自然を育んでいます。
そんな亜熱帯の自然とふれあうなら、マングローブ体験がオススメです。
深緑のマングローブとサファイアブルーの川面のコントラストは、南国ならではのトロピカルなロケーション。
干潟を散策して水辺の生き物を探したり、カヌーやカヤック、SUP(スタンドアップパドル)を楽しんだりと、アクティビティも豊富です。

シーサーと川 adobe_136755078
石垣島のマングローブ林で大いなる自然に触れる!

そもそもマングローブって?

ヤエヤマヒルギの支柱根
支柱根が呼吸根の役割もしているヤエヤマヒルギ

マングローブとは、実は特定の植物の名前ではありません。
世界中の熱帯・亜熱帯地方の河口付近、海水と淡水が混ざる汽水域に生える植物や、その森林を指します。
マングローブを構成する植物は100種類以上とも言われ、石垣島を含む八重山諸島では約8種類のマングローブの木を見ることができます。
その中でも代表的なのが、ヒルギ科の「オヒルギ」や「メヒルギ」などで、沖縄が北限であることにちなんだ「ヤエヤマヒルギ」もあります。
ちなみに「オヒルギ」や「メヒルギ」の北限は鹿児島県なので、奄美群島のマングローブでも見ることができます。

その他、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、ハマザクロ(マヤプシギ)、サキシマスオウノキ、ニッパヤシなどが日本でよく見られるマングローブの木々です。
いずれも、空中に根を出す呼吸根(こきゅうこん)をもつこと、胎生種子(たいせいしゅし)植物であること、海水(塩水)でも枯れないこと、海と森のどちらの生態系も持ちあわせること、の4つの特徴があります。

西表島サキシマスオウ
板状の呼吸根(板根)を持つサキシマスオウノキ

石垣島のマングローブの特徴

石垣島 ヤエヤマヒルギ
市街地に近いことも石垣島のマングローブの特徴のひとつ

天然のマングローブは、日本では沖縄県の八重山諸島周辺と鹿児島県の奄美群島にあります。
八重山諸島の中でも石垣島はマングローブを見られる場所が多く、市街地から30分ほどでアクセスできるなど、気軽にふれあえることが特徴です。
また、先ほど紹介したタコの足の様に張り出した支柱根が独特な「ヤエヤマヒルギ」を多く見ることが出来るのも石垣島のマングローブの特徴といえるでしょう。
マングローブは、海水域、汽水域、淡水域といった、水中の塩分濃度の変化によって自生する植物が変わるのもポイントです。
石垣島のマングローブ林なら、それぞれの水域の違いによる変化も気軽に体感できます。

石垣島のマングローブ名所

マングローブ 提供:OCVB
提供:OCVB

石垣島はマングローブの名所の宝庫!亜熱帯地方ならではの自然が、訪れる人の心を和ませています。
マングローブは河口周辺、つまり海辺の近くに生育するので、島の外周をドライブするとマングローブの名所を訪ね歩くことができます。

宮良川のヒルギ林

宮良川マングローブ(ヒルギ林)adobe_131475761

宮良川(みやらがわ)は、石垣島でもっとも大きな流域面積を誇る河川。
河口域の約1.5kmのエリアにマングローブ林が広がり、国の天然記念物に指定されています。
ここで見られるマングローブが「ヤエヤマヒルギ」が中心で、干潮時にはタコの足のように川面へ張り出した支柱根が現れ、ジャングルのような景色が広がります。
ヤエヤマヒルギの他、オヒルギやメヒルギが大群落を形成していることから「ヒルギ林」と呼ばれます。

車を止めて橋の脇から階段を降りてマングローブ林を歩いたり、片方だけ大きいはさみを動かす姿がユーモラスな「シオマネキ」や、地元ではトントンミーと呼ばれている「ミナミトビハゼ」などの生き物を観察するチャンスも!
またカヤックツアーに参加すれば、川の上流にあるコウモリの住む洞窟も探検できるコースもあるので、ちょっとした探検気分も楽しめますね。

沖縄石垣島 シオマネキ
大きなはさみを振る姿が手招きしてるように見える、シオマネキ

宮良川のヒルギ林  基本情報

  • 住所:〒907-0243 沖縄県石垣市宮良ほか
  • アクセス:新石垣空港から車で10分、東運輸バス「宮良橋」バス停下車

 

名蔵湾(名蔵アンパル)

石垣島名蔵湾(干潮時)
干潮時の名蔵湾

石垣島市街地から車でわずか20分、石垣島の南西部に広がる島内最大の広さを誇る名蔵(なぐら)湾。
県内最高嶺の於茂登岳(おもとだけ)を源流とする名蔵川が流れ込み、水辺の植物や動物を育んでいます。
名蔵湾の中にはマングローブの自生地があり、潮が引くと広大な干潟が姿を現します。
このマングローブの林と干潮時の干潟からなるエリアが「名蔵アンパル」と呼ばれ、2005年に登録されたラムサール条約で保護されている八重山地方で唯一のエリアです。
また、環境省の特定植物群落である「名蔵川河口域のマングローブ林」にも指定されています。
名蔵アンパルでは、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの他、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、ハマザクロ(マヤプシギ)の6種類です。
名蔵湾を北限地とするハマザクロの別名「マヤプシギ」は沖縄地方の方言で、マヤは「ねこ」、プシギは「しっぽ」のこと。
干潟の泥地からニュッと直立した姿が「ねこのしっぽ」に似ているからだといわれています。
(※プシ=関節など諸説あります)

また、名蔵アンパルがある名蔵湾は干潟越しに夕陽(サンセット)が見られることも有名で、夕焼けにマングローブのシルエットが映える名蔵湾の夕景は、石垣島の中で最も美しいと評判です。

石垣島 名蔵湾の夕日
名蔵湾の夕景

名蔵湾・名蔵アンパル  基本情報

  • 住所:〒907-0021 沖縄県石垣市名蔵
  • アクセス:新石垣空港から車で20分、東運輸バス「やいま村入口」「元名蔵」バス停下車

 

吹通川のヒルギ群落

吹通川(ふきどうがわ)adobe_83698479

石垣島の北東部に突き出した平久保半島、そこに流れる吹通川(ふきどうがわ)の河口エリアにもヒルギの群落があります。
この群落は石垣市の天然記念物になっていて、石垣島最大級のマングローブが生い茂っています。
吹通川のヒルギ群落は、川を覆うように葉が茂っているため、熱帯のジャングルの様な景色が見られるのが特徴のひとつ。
カヌーで緑のトンネルの中を漕いでゆくのは、さながらジャングルクルーズの様です。

石垣島 吹通川カヤック
ジャングルクルーズの様な景色の中、カヤックで上流へ

野底岳(のそこまーペー)を源流とする吹通川の全長は約2.2kmで、宮良川と比べるとややコンパクト。
その分、海水域~汽水域~淡水域とマングローブの種類が変化する様子を観察することが出来、上流まで簡単にアクセスできます。
上流には恋愛のパワースポット“縁結びの滝”と言われる「屋比久の滝(やびくのたき)」があり、SUPやリバーカヌーと、滝に向かうトレッキングやシャワークライミング、キャニオニングといったアクティビティを組み合わせて楽しめるのがポイント♪

沖縄県 石垣島 吹通川 adobe_83698531
吹通橋の手前右側あたりから階段で吹通川へ入れます。

レンタカーなどの場合には、吹通橋の手前右側あたりに駐車場があり、そこから階段で川まで入れます。
干潮時にはマングローブの根の部分が姿を現し、ゆっくりと散策を楽しめるでしょう。

🚣ジャングルの様な吹通川を楽しむならば、このアクティビティがオススメ!

吹通川のヒルギ群落  基本情報

  • 住所:〒907-0333 沖縄県石垣市野底ほか
  • アクセス:新石垣空港から車で20分、東運輸バス「伊土名」バス停下車徒歩10分

 

石垣島のマングローブの遊び方

サンセットSUP ※イメージ
サンセットSUP ※イメージ

石垣島では、マングローブをフィールドにしたさまざまなアクティビティが楽しめます。
石垣島の素晴らしい自然を満喫できる遊びや学び、体験は、石垣島観光の素晴らしい思い出になるでしょう。

リバーカヌーやシーカヤック、SUP

カヤック ※イメージ
カヤック ※イメージ

宮良川や吹通川では、静かな川の流れの中、ゆったりとマングローブ林をめぐる「リバーカヌー」が楽しめます。
マングローブに生息しているさまざまな動物の姿を見ながら、石垣島の自然に包まれているかのような落ち着きがあります。
名蔵湾では、マングローブを見ながら海でカヤックができる「シーカヤック」が楽しめます。
また「SUP(スタンドアップパドルボート)」もマングローブ林の中で楽しめます。

干潮時の潮干狩り

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干潮時の潮干狩り ※イメージ

マングローブは海水と淡水が混じり合う汽水域の浅瀬や干潟でよく繁殖します。
そのため、干潮時には一年を通して周辺で潮干狩りができますが、本土のようなアサリの潮干狩りではなく、取れるのはヒメイナミガイやリュウキュウマスオ、イソハマグリといった二枚貝です。
しかし、地元ではみんな総称してアサリと呼んでいます。

また、3月〜5月には、アーサ(海苔の様な海藻)などを取ることができます。
※一部保護地域では採取禁止となっている場合もありますので、地元の方やツアーガイドさんに確認しましょう。

水辺の生物観察

ミナミトビハゼ
マングローブの干潟で見られる海辺の生き物(写真はミナミトビハゼ)

マングローブは干潮になると、干潟が姿を現します。
潮だまりやマングローブの根の近くを注意深く探してみると、ミナミトビハゼやシオマネキなどの小さなカニ、小エビ、モミジガイ(ヒトデ)など、さまざまな生き物を観察できます。
特に、片側のツメだけ大きなシオマネキの仲間(オキナワハクセンシオマネキ、ヒメシオマネキなど)は種類豊富で、ユーモラスな動きがとてもかわいいです。

石垣島のマングローブを楽しむその他のアクティビティ

沖縄県石垣島 マングローブと海

ご紹介した以外にも、マングローブおよび石垣島を遊びつくすアクティビティがいっぱいあります!
気になるアクティビティをチェックして、石垣島をカラダ全体で五感をフル活用して満喫してみては?

 

石垣島のマングローブの注意事項

亜熱帯地方の石垣島なので、本土よりもUV(紫外線)が強め。
日焼けが気になる人や肌質が敏感な人は、季節を問わず帽子やサングラス、日焼け止めなどは必須です。
また、不意の雨(亜熱帯地方は夕方のスコールも多い)対策で、ウインドブレーカーやラッシュガードなどを着用しましょう。

マングローブ散策や自然体験、潮干狩りなどは、干潮時に出現する干潟のぬかるみを歩くことになります。
サンダルや島ぞうりはぬかるみにはまると脱げてしまい、簡単に壊れてしまうこともあるのでNG
そのため膝下くらいまである長靴か、マリンブーツの着用が好ましいといえます。
雨具やマリンブーツなどは、現地ツアーに参加する場合は貸し出してくれるところもあります。
貸出の有無など、ツアーの参加条件や「ツアー代金に含まれるもの」などを事前に確認しておきましょう。

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干潟を歩くなら膝下くらいまである長靴か、マリンブーツの着用が好ましい

マングローブや自然体験おすすめ観光スポット

石垣島には、マングローブのアクティビティを提供したり、自然体験できるテーマパークがいろいろあります。
その中から、いくつかの観光スポットを紹介します。

石垣やいま村

提供:石垣やいま村
提供:石垣やいま村

名蔵アンパルに隣接し、石垣島をはじめとした八重山諸島の民俗文化や生活習俗、自然を体験できる、日本最南端のテーマパークです。
豊かな自然を背景に古き良き八重山の家並みを再現してあります。
ここではウッドデッキの上から、ベニシオマネキやオキナワハクセンシオマネキ、トントンミー(ミナミトビハゼ)といった貴重な小動物を観察できます。

提供:やいま村
提供:やいま村

村内ではその他にも、八重山の昔ながらの民謡ショー「家あしび」や、島ぞうりアート、琉球衣装体験やシーサーの絵付けなどの体験メニューも充実し、八重山文化や自然をより身近に感じることができるでしょう。

石垣やいま村  基本情報

  • 住所:〒907-0021 沖縄県石垣市名蔵967-1
  • アクセス:新石垣空港から車で約25分、石垣港離島ターミナルから車で約20分

米原のヤエヤマヤシ群落

石垣島と西表島だけに生育するヤエヤマヤシ(八重山椰子)は、国の天然記念物に指定されている貴重な植物です。
その八重山椰子が400~500本自生する米原地区の群落は国内最大規模といわれるスポット。

石垣島・米原のヤエヤマヤシ群落
八重山諸島固有の八重山椰子(ヤエヤマヤシ)は見上げるほどの高木

高さ15~20mもある椰子の高木がうっそうと茂り、ジャングルを思わせる米原地区の群落には遊歩道も整備され、散策を楽しめるようになっています。
八重山椰子のほか、八重山地方特有の高木「ギランイヌビワ」などを見ながら、石垣の自然を満喫できますよ!

八重山椰子群落を歩き回った後は、入口にあるジュースの店(パーラーぱぱ屋とやし屋の2軒あります)で、サトウキビや果物を絞ったフレッシュジュースを飲んで喉を潤しましょう。

群落内に国内希少野生動植物種のイシガキニイニイ生息地保護区・立入禁止区域がある為、遊歩道以外は立ち入らないようにしましょう。

米原のヤエヤマヤシ群落  基本情報

  • 住所:〒907-0451 沖縄県石垣市桴海
  • アクセス:石垣バスターミナルから東運輸キャンプ場線・一周線で「米原ヤシ林入口」バス停下車
    新石垣空港から車で約25分

 

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投稿日:2018.07.09

         

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