新鮮な魚介類が沖縄の海の幸なら、山の幸といえば、アグー(アグー豚)がその代表格でしょう。
三元豚や薩摩黒豚といったブランド豚が知名度を上げる中、アグーも少しずつ知名度が浸透。いまでは、沖縄を代表する農産物ブランドの一つになりました。
沖縄旅行に行くなら、ぜひ、極上のアグーを味わいましょう。
アグーってどんな豚なの?
アグーは、沖縄固有の「琉球在来豚」。
黒毛で覆われ、背中がくぼんで腹が垂れ下がっている、独特の形をしています。
そのルーツは、約600年前に中国(当時の明朝)から導入され、沖縄で飼育されてきた小型の「島豚」にあります。
ちなみに「アグー」という名前は、「粟国島」からきているという説もあるそうです。
その後、戦争や西洋品種の導入で島豚の数は激減し、一時は絶滅したとさえ思われていましたが、1981年に約30頭の現存が確認。約10年かけて戻し交配(雑種化を取り除くための交配)が行われ、その結果、戦前に近い特徴を備えたアグーが復元されました。
アグーは小型の体系なので、1頭から取れる肉量が少ないというデメリットがあります。そのため、生産者によっては西洋品種と交配し、肉質を維持したまま、肉量の多い豚を生産しています。
アグーの肉質の特徴は?
アグーの肉質は、霜降りの割合が一般の豚肉に比べて5%と多く、脂肪の溶ける温度も一般の豚肉に比べて38.1度と低いことが特徴です。食味試験では、肉が柔らかく、脂に甘みと旨みがあると評価されています。コレステロール値が低く、ヘルシーなことも人気の秘密です。
アグーはどんな料理に合うの?
もともと沖縄料理は、食材として豚肉が多く使われます。
だからアグーと沖縄料理は、相性ぴったり。柔らかくて脂身に甘みがあるので、料理そのものの味わいがアップします。
チャンプルー
いわゆる「炒め物」のチャンプルー。
ゴーヤやソーメン、各種野菜など、炒め物全般にマッチします。アグーの脂身からしみ出るエキスが、絶妙なダシになり、料理のコクを深めます。
らふてー
アグーの部位の中でも、脂身が多い豚バラ肉は、沖縄料理の豚煮込み「らふてー」に最適。トロトロと煮込まれた三枚肉は、程よく味が染み込み、口の中でほぐれるような柔らかさです。
すき焼き・しゃぶしゃぶ・とんかつ
柔らかく甘みのあるアグーは、しゃぶしゃぶやとんかつといった豚料理全般に活躍します。すき焼きやしゃぶしゃぶは、ロースやバラ肉を。とんかつはロースやヒレ肉が好適で、締まったヒレ肉からしみ出る肉汁がとてもジューシィです。あまり火を通し過ぎず、柔らかな食感を楽しみましょう。
アグーと触れ合える!「豚我小谷(とんがおごく) アグー村」
沖縄県の県産豚であるアグー。
希少種なので、なかなか今までは触れ合える機会がありませんでした。そんな中、名護市にある「豚我小谷 アグー村」では、アグーを見る、触れ合う、そして味わうことができるユニークな施設。豚の餌やりや、豚やヤギ、与那国馬といった動物と触れ合えます。
レストランでは、「とんが丼」やとんかつ定食といった、アグーを使った料理が楽しめます。
また、人形やマグカップ、お面といったグッズも人気です。
豚我小谷(とんがおごく) アグー村 基本情報
- 住所:沖縄県名護市字大川73
- 電話:0980-55-8655
※只今お休み中です。訪問時には公式サイトよりご確認ください。