太古の時代から独自の文化が発達し、スピリチュアルな神話スポットが多い沖縄。運気が上がるというパワースポットも県内のいたるところに多数存在し、今も信仰の対象になっている場所も少なくありません。
今回は、沖縄本島や沖縄本島から比較的近い場所にある、観光にオススメのパワースポットを紹介します。パワースポットを巡礼して、沖縄の歴史や心に触れてみましょう。
なお、パワースポットは神聖でおごそかな場所です。地元の人の迷惑にならないよう、敬けんな気持ちを持って足を運びましょう。
斎場御嶽(せいふぁうたき)
琉球開びゃくの伝説を有する沖縄最高のパワースポット
「御嶽」とは、琉球の信仰で儀式などを行う神聖な場所で、神様がいらっしゃる場所とされています。沖縄の各地に御嶽はありますが、ここ斎場御嶽は、数ある御嶽の中でも最高に神聖な場所とされています。
斎場御嶽は、琉球の始祖とされる「アマミキヨ」が造ったとされ、琉球開びゃくの伝説にも登場します。琉球王国時代は、国家的な祭事がここで執り行われていました。祭事のときは、「神の島」とされる久高島の白砂が御嶽全体に敷き詰められました。2000年、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして、世界遺産に登録されました。琉球国王などの聖地巡拝の行事を今に伝える「東御廻り」(アガリウマーイ)では、14ある参拝地の一つとなっています。
御嶽の中は、「イビ」と呼ばれる6つの神域があります。その中でも、最大の見どころは、「三庫理(サングーイ)」です。巨大な岩で作られた三角形の岩間の奥に、祈りの場所があり、今も地元の人がここで祈りを捧げています。ここから海を眺めると、海の向こうに久高島を望むこともできます。
斎場御嶽や琉球神話のことを詳しく知りたい人は、ガイドツアーへの参加がオススメです。ガイドが御嶽の中を歩きながら、一つ一つの見所をていねいに説明してくれます(所要時間は50分ほど)。
久高島(くだかじま)
沖縄の国づくりが始まったとされる「神の国」
琉球開闢(かいびゃく)の祖とされる神のアマミキヨが、理想郷のニライカナイから舞い降りたとされる島。沖縄の国づくりはこの島から始まったと言われ、今もなお、12年に1度の午年には「イザイホー」という祭事が行われています。琉球の歴史や古い風俗を伝える島として、民俗学的な価値も高い島といえます。
久高島は「島全体がパワースポット」と言ってもいいほどの聖地。島のすべてのものが神様につながると考えられていて、島の石や砂、サンゴなどは、持ち出すと災厄があると言われています。絶対に持ち帰らないようにしましょう。
周囲がわずか8kmの小さな島で、レンタサイクルでも1〜2時間で一周できます。しかし、島のいたるところに聖地があります。ニライカナイから五穀のタネが入った壺が流れ着き、農業が始まったとされる神聖な浜辺の「イシキ浜」、琉球七大御嶽の一つとされる「フボー御嶽」など、時間をかけて見て回りましょう。
ガンガラーの谷
数10万年の自然のパワーを感じさせる洞窟
鍾乳洞だった場所が崩落して生まれた、数10万年の歴史を体感できる自然のパワースポット。亜熱帯の森林が生い茂り、ミステリアスな雰囲気に満ちています。現在も発掘調査が継続されていて、約1万8,000年前に沖縄にいたとされている原始人の「港川人」が、ここに住んでいたのではないかとも言われています。
谷の広さは約1万4,500坪と圧巻のスケール。歩行距離は約1kmもあります。見学は専任のガイドが同行するガイドツアーになり、豊かな亜熱帯の自然の中でちょっとした探検隊気分を味わうことができます。見どころは、いにしえの時間が流れる「イナグ洞・イキガ洞」のほか、「ガンガラーの谷の番人」と呼ばれる「大主(ウフシュ)ガジュマル」など、豊富です。
また、ガンガラーの谷の入り口にはその名も「ケイブカフェ」があり、鍾乳洞を見上げながらの飲食はここでしか体験できない神秘的なひととき。この雰囲気を過ごすだけでも、足を運ぶ価値があります。
大石(だいせき)林山
圧倒的迫力の巨石群が織りなすやんばるの風景
「やんばる」と呼ばれ、亜熱帯の自然が手付かずで残っている沖縄本島の北部。大石林山は、やんばるの自然を五感で体感できる、とびっきりのパワースポットです。石灰岩が雨水などで2億年の年月をかけて削られ、異空間のような男性的な情景を作り上げています。岩間からは野生のソテツが縦横に伸びているのが、亜熱帯の自然ならではです。
岩にはさまざまな名前が付けられていて、一つひとつ見ていくと、何かしらの形に見えてくるから不思議です。大石林山は自由に歩き回ることができますが、できればガイドツアーに参加しましょう。ガイドの説明から、大石林山の中にあるパワースポットをくまなく知ることができます。神木の「御願(うがん)がじゅまる」や、「美ら海展望台」からの眺めも必見です。
浜比嘉島(はまひがじま)
アマリチューとシルミチューが暮らした神話の島
久高島と並び、「神々が暮らす島」とされ崇敬されているこの島。島といっても、沖縄本島とは海中道路経由で平安座島から浜比嘉大橋でアクセスできるので、実質的に地続きで行くことができます。
ここには、琉球創世神にまつわる2つの聖地があります。それが「シルミチュー霊場」と「アマミチューの墓」です。「シルミチュー霊場」は、琉球の祖神とされるアマミキヨ(=アマリチュー)と、シネリキヨ(シルミチュー)が暮らしたと伝えられる伝説の場所です。ここは森の中にある大きなガマ(洞窟)で、その中にある鍾乳石には子宝が授かる霊力があるとされ、女性の参詣が絶えません。
「アマンジ」と呼ばれる小さな島にはアマミチューの墓があり、毎年の初めには、島の人々が五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄を祈願する年頭拝みが行われています。
なお浜比嘉島には、昔ながらの赤瓦の古民家が多いので、のんびりと散策をするのも一興です。
浜比嘉島(はまひがじま) 基本情報
- 住所:沖縄県うるま市勝連比嘉
- 電話:098-978-0077(うるま市観光物産協会)
波上宮(なみのうえぐう)
波の上にある?風光明媚なパワースポット
沖縄では、琉球王国時代に「琉球八社」と呼ばれる8つの代表的な神社が定められました。波上宮は、その中でも最上格の地位にある神社です。インスタ映えする風光明媚なパワースポットとして知られています。
場所は、海水浴が楽しめる「波の上ビーチ」にあり、崖の上に鎮座しています。神社の由来には不明な点が多いのですが、元々は沖縄神話の理想郷「ニライカナイ」の神々に対し、この崖の上から祈りを捧げたのがルーツと言われています。今も、エメラルドグリーンの海を望む実に沖縄らしい眺めの中で参拝ができます。また、狛犬ではなくシーサーが神社を守っているのも、なんとも沖縄風です。
投稿日:2018.09.18
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