沖縄県で唯一の鉄道路線といえばモノレールの「ゆいレール」。
「那覇空港駅」から「てだこ浦西駅」までを結ぶ総延長17kmのモノレール路線です。
沖縄観光といえば、レンタカーを借りて行動するのがスタンダードでしたが、昨今のレンタカー不足や、そもそも運転免許をもっていない、慣れない土地での運転に不安を感じる方も多いのでは。
またクルマ社会の沖縄では渋滞が日常。
そのためタイムロスも観光にはもったいないもの。
那覇市内の観光スポットをめぐるゆいレールは、観光のアシとしても大きな味方なのです。
ゆいレールの概要と、上手な使い方をご紹介します。
ゆいレールとはどんな交通機関?
「ゆいレール」で那覇市内の観光なら効率的に観光地を巡ることができます。
沖縄の唯一の鉄道、モノレール路線の「ゆいレール」。
ゆいレールという名前は愛称で、正式には「沖縄都市モノレール」という名前があります。
「ゆいレール」という愛称は、沖縄のことばで「助け合い」を意味する「ゆいまーる」から名付けられました。
沖縄唯一の鉄道路線で「那覇空港駅」から「てだこ浦西駅」までを結ぶ、総延長17kmの路線です。
那覇空港駅からてだこ浦西駅までを38分で結んでいます。
ゆいレールを観光に使うメリットとは?
観光巡りにゆいレールを活用すると、さまざまなメリットがあります。
ゆいレールは那覇市内の主要な観光スポットを巡っているため、那覇市内の観光なら効率的に観光地を巡ることができます。
→慣れない沖縄の道路を運転するのは不安な人も多いはず。
運転免許をもっていない方も、効率よく那覇市内を観光できます。
・駐車場探しを気にする必要なし
→レンタカーは運転だけでなく、駐車場を探したり、駐車料金を気にしたりと、なかなか落ち着けません。
ゆいレールのフリー乗車券で動けば、そんな心配も不要です。
・お酒を楽しめる
→行く先々でお酒が楽しめることも大きなメリットと言えます。
これはレンタカーを運転するなら、運転担当を立てないと絶対にできないことです。
ゆいレールを使えば、例えば牧志公設市場で飲んでから、ゆいレールで移動して栄市場で飲み直すことも可能です。
ゆいレールの運行時刻や運賃は?
ゆいレールの運行時刻
ゆいレールの運行時刻は、日中は約10分おきに発車があり、繁忙時間は増便します。
那覇空港では朝は6時台~夜は23時台まで運行しています。
深夜、早朝は便数が少なくなりますので事前に確認しましょう。
ゆいレールの運賃は?Suicaなどの交通ICカードは使えるの?
運賃は、初乗りが230円で、那覇空港から首里城までの最大運賃は340円となっています。
沖縄独自の交通カードOKICA(オキカ)の使用はもちろん、最近はスイカやパスモといった全国交通系ICカードが利用できるようになりました。
料金は、1日フリー乗車券が大人800円、子ども400円。
2日フリー乗車券が大人1,400円、子ども700円となっています。
乗車券を購入後、24時間または48時間有効なので、例えば24時間乗車券なら、午後1時に購入すれば翌日の午後1時まで利用が可能なので、上手に使いましょう。
ゆいレール沿線には観光スポットがいっぱい!
那覇市の中心部を走るモノレール路線のゆいレール。
沿線には、さまざまな観光スポットがあります。
その中でも、代表的なスポットを最寄り駅ごとに紹介します。
旭橋駅
▼波上宮
「旭橋駅」から徒歩約15分
那覇で海水浴が楽しめる「波の上ビーチ」を臨む由緒ある神社波上宮(なみのうえぐう)。
崖の上に鎮座していて、沖縄らしい美しい眺めで知られています。
神社の由来は古く詳らかではありませんが、ニライカナイ(沖縄の神話で、はるか海の彼方にある理想郷)の神々に、この崖から祈りを捧げたのが神社の始まりと言われています。
琉球国時代には「琉球八社」と呼ばれる8つの代表的な神社の中でも最上格の地位にあり、いわゆるパワースポットとしても人気があります。
狛犬の代わりにシーサーが神社を守るのも沖縄風です。
波上宮(なみのうえぐう) 基本情報
- 住所:〒900-0031 沖縄県那覇市若狭1-25-11
- アクセス:「旭橋駅」から徒歩約13分
「県庁前駅」から徒歩約13分(タクシーで約3分)
「那覇空港」からタクシーで約8分(うみぞらトンネル経由)
「那覇クルーズ船ターミナル」からタクシーで約2分(徒歩約8分)
県庁前駅
▼国際通り
「県庁前駅」から徒歩5分沖縄最大の繁華街として知られる国際通りは、那覇市の県庁北口交差点から安里三叉路にかけての約1.6㎞のストリートを指します。
戦後の沖縄復興のシンボル的な存在で、ちょうど1マイルほどの距離があることから「奇跡の1マイル」という別名もあります。
元々は、かつてストリートの中心に「アーニーパイル国際劇場」という映画館があったことが、この名前の由来になっているそうです。
道の両側にはショップや飲食店がぎっしりで、実ににぎやか。
沖縄観光の入り口でもあり、沖縄を出発する直前に立ち寄る「おみやげ購入スポット」でもあります。
ナイトスポットとしても賑やかで、民謡酒場に行けば沖縄民謡を楽しく聴くことができます。
毎週日曜日は、昼から夕方まで歩行者天国になり、さまざまなイベントが行われるのも国際通りの魅力といえます。
国際通り 基本情報
- 住所:〒900-0013 沖縄県那覇市牧志(まきし)松尾(まつお)久茂地(くもじ)
- アクセス:「県庁前駅」下車約5分又は「牧志駅」下車すぐ
▼福州園
「県庁前駅」から徒歩7分
福州園は中国福建省福州市(ふっけんしょう・ふくしゅうし)と那覇市の友好都市締結10周年と、那覇市市制70周年を記念して、1992年に完成しました。
園内は中国の雄大な自然と福州の名勝をイメージして造られていて、異国情緒にあふれています。
福州園のある那覇市久米は、今から600年ほど前に福建省から移住してきた人たちが住み始めたところでもあり、中国とのゆかりの深い場所です。
牧志駅
▼壺屋やちむん通り
「牧志駅」から徒歩約10分
国際通りから平和通りを抜けて歩くこと約5分ほどでさっきまでの喧騒がまるで嘘のような穏やかな空気感漂う石垣や赤瓦屋根の街並みが広がります。
そこが「壺屋やちむん通り」です。
やちむんとは沖縄の言葉で「焼き物」のこと。
通りには壺屋焼という沖縄伝統の窯元が十数軒並び、独自のやちむんを販売しています。
陶器やシーサー、小さなアクセサリーなどを販売しているだけでなく、中には陶芸体験が出来る窯元もあります。
カフェを併設している窯元では、壺屋焼のカップでコーヒーを味わったり、沖縄伝統の「ぶくぶく茶」をいただけたりと、ちょっとした散策スポットとしても楽しめます。
壺屋の細道を歩きながら古き良き沖縄を感じることができるガイドツアー「壺屋まちまーい」(要事前予約)は、朝10時スタートで所要時間約1時間30分程にて実施されていますので、こちらに参加するのもおすすめです。
例年11月には「壺屋やちむん通り祭り」も実施され、やちむんの割引セール、壺屋焼物博物館の特別展示や、三線(さんしん)ライブに伝統的な行事のエイサー、旗頭の実施など通り全体が賑わいます。
▼第一牧志公設市場
「牧志駅」から徒歩約10分
60年以上の歴史を持つ「沖縄の食の台所」ですが、ディープな沖縄の姿を手軽に見られると、観光客にも大人気のスポットです。
ここに来れば、鮮魚や精肉、野菜、珍味など、沖縄のありとあらゆる食文化を目にすることができます。
特に見どころは、鮮魚店が並ぶエリアの風景。
ブルーやレッドなど南国ならではの魚たちが陳列され、実にカラフル。
アバサー(ハリセンボン)やイラブチャー(アオブダイ)といった、沖縄独自の呼び名も勉強になるでしょう。
購入した鮮魚は、2階の飲食店で調理してくれ、刺身や唐揚げなど好みの味で楽しめます。
安里駅
▼栄町市場
「安里駅」徒歩約4分
栄町市場は、ゆいレール安里駅すぐそばにあるため、市内ホテルからのアクセスも良くふらっと立ち寄れるスポットです。
市場内に足を踏み入れると、迷路のような狭い道にテーブルと椅子が出てまるで異世界!
昼間は、青果店、精肉店・豆腐店・洋裁店などがひしめき合っていますが、夜になると飲み屋街に!大小たくさんのお店が立ち並ぶので、ちょい飲みやハシゴ酒にピッタリ!
沖縄の鮮魚や、餃子に沖縄らしいつまみなど、お店により個性があります。
お酒や食事に加え、フレンドリーな店員さんとの会話を楽しみながらお気に入りのお店を探してみては。
おもろまち駅
▼Tギャラリア 沖縄 by DFS
「おもろまち駅」直結ゆいレール「おもろまち駅」に直結!パスポートを持たずに、有名ブランドを免税価格でゲットできる、日本で唯一の路面型免税ショッピングモールです。
バーバリーやディオール、カルティエなど世界的な高級ブランドなど150ものブランドが軒を連ねています。
2階のエントランスには手荷物カウンターがあり、手ぶらで回れるので荷物を持ち歩く必要がありません。
また、購入した免税品は那覇空港内の専用カウンターで受け取れるのも嬉しいところです。
▼沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)
「おもろまち駅」より徒歩約10分2007年に開館した、県内最大級の博物館・美術館。
外壁は琉球石灰岩や白セメント、サンゴなどを用いており、城(グスク)のような威容が特徴的。
古代から琉球王国時代、現代の沖縄美術の系譜を豊富な展示品で紹介しています。
博物館では、沖縄特有の自然に育まれた歴史・文化などを紹介。
美術館では、沖縄県の出身作家をはじめ、沖縄に縁の深い作家の作品などが展示されています。
- 住所:〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号
- アクセス:「おもろまち駅」下車、徒歩約10分
儀保駅・首里駅
▼首里城
「首里駅」から徒歩15分国際通りと並び、沖縄本島でトップクラスの人気観光スポット。
14世紀後半に築城したとされ、1429年の琉球王国成立後は、1879年までの450年間、琉球王国の王の居城となりました。
政治・文化の中心地で、琉球文化のシンボル的な存在です。
戦争で焼失しましたが、1992年に復元され、首里城跡が2000年には世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして登録されました。
2019年10月に正殿とその周辺が火災により消失してしまったことは記憶に新しいですが、弐千円札の絵柄になっている「守礼門(しゅれいもん)」や付近一帯の首里城公園はこれまで通り見学できます。
2026年正殿完成に向けて復興中の正殿周辺有料エリアも入場可能で、新設された見学デッキからは、「今」しか見ることが出来ない貴重な復興の様子を見学できます。
▼首里金城町石畳道
「首里駅」から徒歩約20分首里城から南部につながり、港に至る基幹道路として14〜19世紀に整備された石畳道。
琉球石灰岩でできていて、現在残っている石畳は238mにわたります。
1本入ると古い民家も並び、古き良き琉球文化の風情を感じさせます。
この一帯には大アカギや琉球エノキの巨木があり、もっとも古い大アカギは樹齢300年で国の天然記念物に指定されています。
- 住所:〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町2-35付近
- アクセス:「首里駅」下車、徒歩約20分
浦添前田駅
▼浦添城跡
「浦添前田駅」から徒歩約20分浦添城跡は13世紀~15世紀の初頭200年余りに渡り、舜天(しゅんてん)王統、英祖(えいそ)王統、察度(さっと)王統の居城として琉球国中山(ちゅうざん)の歴史の舞台となったお城の跡です。
標高約130mの琉球石灰岩の丘陵に位置しているため、東シナ海や読谷まで見渡せます。
城の北側には王陵「浦添ようどれ」があります。
最後に
那覇市内を観光するならおすすめの「ゆいレール」。
ゆいレールは中部・北部エリアまでは線路が伸びていません。
沖縄全土を走行していると勘違いされている方も多いので気を付けましょう。
また、それぞれの駅の近隣には、たくさんのホテルが立ち並んでいますが、駅から少々離れたホテルもあります。
駅にほど近いホテルはある程度限られているため、駅からの距離を重視する場合などはしっかり調べた上で予約しましょう。
ゆいレールは高架を走行しているため、眺めも良く、沖縄らしい古民家が見えたりと楽しめます。
距離感や位置関係をつかむのにもいいですね。
ぜひ、一度ゆいレールに乗車してみてください。
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