沖縄の離島、八重山諸島(やえやましょとう)を代表する石垣島。
観光スポットといえば、川平湾(かびらわん)に代表される海の印象が強いものの、 意外と市街地周辺やテーマパークなどの観光も楽しいことを知っていますか?
今回は石垣島に初めて行く人や石垣島ビギナーのための基本情報、必ず訪れたいマスト観光スポットから、 地元の人に親しまれている穴場的スポットまで、たっぷりご紹介します!
石垣島ってどんな島?
沖縄本島那覇から南西へ約400km(那覇空港から飛行機で1時間)の東シナ海に浮かぶ石垣島は八重山諸島の中心的な島で、八重山諸島の中では西表島に次いで2番目の大きさを誇ります。
2013年に「南ぬ島(ぱいぬしま) 新石垣空港」の愛称で呼ばれる新石垣空港が開港すると、注目度が一気に増し、島を訪れる観光客数も飛躍的に伸びたことで、新たな観光スポットやリゾートホテルも増えました。
石垣島の魅力
透明度の高いエメラルドグリーンに輝く海はマンタ(オニイトナキエイ)との遭遇率がとても高く、世界中から多くのダイバーが訪れることで有名です。
郊外に車を走らせれば標高526mの於茂登岳をはじめとした山々と、そこから眺める雄大な風景など、豊かな自然に恵まれ、海も山も両方満喫できます。
また、石垣島はり星空の島としても知られ、2018年3月に国際ダークスカイ協会によ「星空保護区」に認定されました。
石垣島の気候・服装
他の沖縄の島々と同じく亜熱帯海洋性気候の石垣島は、近海を黒潮が流れる暖かい海に囲まれ、年間平均気温は約24℃と一年を通して過ごしやすい気候です。
日本一夏が早い石垣島は、日本一早く梅雨入りすることでも知られますが、石垣島の梅雨はシトシト雨が続くものではなく、 スコールのようなまとまった雨が短時間に降ります。
6月上旬頃には梅雨が明け、 一定期間の強い南風(かーちばい)が吹き終わるといよいよ夏本番。
夏の終わりごろ~10月には台風のピーク時に突入しますが、それ以外はまだまだベストシーズンが続きます。
冬でも半袖で過ごせる日が多いものの、11月下旬頃より徐々に気温が下がり、夜は少し肌寒いのでパーカーやウィンドブレーカーなどの上着の持参がお勧めです。
石垣島への行き方
2013年にそれまで市街地にあった旧石垣空港に代わり、大型機も発着可能な「南(ぱい)ぬ島 石垣空港」が開港すると、発着路線・便数が増えて飛躍的に利便性が増しました。
また2022年10月には国際線ターミナルのリニューアルが完成し、国内線ターミナルともつながったことで、フロアがさらに拡張し、コンビニエンスストアも新設されました。
【航空機利用】
■東京(羽田・成田)から
[羽田発着]JAL・日本トランスオーシャン航空(JTA)、ANA
[成田発着]Peach(APJ)
■大阪(関空)、名古屋(中部・セントレア)から
JAL・日本トランスオーシャン航空(JTA)、ANA、Peach(APJ)
■福岡から
Peach(APJ)
■那覇から
日本トランスオーシャン航空(JTA)、ANA、ソラシドエア(SNA)、琉球エアコミューター(RAC)
■宮古・与那国から
琉球エアコミューター(RAC)
【船でのアクセス】
石垣島は八重山諸島の離島(竹富島、西表島、黒島、小浜島、鳩間島)へ、船舶でアクセスするためのハブの役割も果たしており、離島航路は「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」から、安栄観光、八重山観光フェリーの2社の高速船やフェリーが発着します。
【島内での交通手段】
路線バス(東運輸)が島内各地を結んでいますが、路線によっては本数が少ないので事前確認をおすすめします。
空港と市街地(石垣港離島ターミナル)間は、東運輸が5系統(ホテル経由便、一周線、平野線を含む)、カリー観光が石垣港離島ターミナル直行便を運行、空港から川平方面へは東運輸が米原キャンプ場線を運行しています。
東運輸では新石垣空港~石垣港離島ターミナル往復乗車券や、路線バス全線で使える1日フリーパス(利用開始時刻から24時間利用可能)もあるので、レンタカーを使わない旅行で非常に有効ではないでしょうか。
空港、市街地、石垣港離島ターミナル、川平湾周辺ではタクシーも拾いやすいですが、郊外では流しのタクシーはないので電話等で予約・呼び出しが必要です。
最近はレンタカーの他に、電動バイクのレンタルもあるので市内中心の移動であれば、充電スポットも増えてきたこちらもおすすめです。
石垣島のおすすめ観光スポット
有名定番スポットから、地元島民御用達の穴場スポットまで、観光に精通したHISスタッフが厳選しました!
川平湾
石垣島の中でも特に美しい、島随一の景勝地として定番の観光スポット「川平湾(かびらわん)」 その美しさは、世界的旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」において沖縄県内で唯一、最高評価の「三つ星」に格付けされるほど。
ちなみに三つ星は「わざわざ旅行する価値があるほどの場所」という評価で、国内外問わず人気のスポットとなっています。
湾内は潮の流れが速いため、遊泳禁止となっていますが、グラスボート遊覧が有名で服のまま気軽に参加することができ、サンゴや魚のきれいなポイントへ船長が案内してくれます。
また、公園内の遊歩道にはハイビスカスが植えられているので、湾を背景に花をフレームに入れて撮影してみるのもおすすめです。
平久保崎(平久保埼灯台/平久保サガリバナ群生地)
市街地から車で約1時間半、石垣島の最北端にある平久保半島の突端に位置する、大海原を背に立つ雄大な眺望スポット。
白亜の平久保埼灯台が紺碧の海との美しいコントラストを見せ、灯台より東側に太平洋、西側に東シナ海の大海原が広がる素晴らしいロケーションが楽しめます。
灯台の裏に歩くと、灯台よりも高い位置に丘があり、そこから眺める景色も素晴らしいのひと言です。
2016年には一般社団法人日本ロマンチスト協会および日本財団により「恋する灯台」に選出され、黄昏時、大海原に沈みゆく夕日が青空を紫とオレンジのグラデーションに溶け合う光景は、恋する灯台の名にふさわしい絶景間違いなし!
平久保崎の手前には、国内最大級と言われる「サガリバナ群生地」があり、花が咲く6月から8月には島民を始め大勢の人が花見に訪れます。
沖縄や八重山諸島に生育する熱帯植物の「サガリバナ」は、日没前後から咲き始めて深夜に満開となり、翌朝には散ってしまうため別名「一夜限りの幻の花」とも。
枝から垂れ下がった軸に 白やピンクの無数の糸状の雄しべがつき、バニラのような甘い香りを放ちます。
真夜中なら満開の花を楽しめ、早朝なら足元に散ったばかりの花の姿も美しく、その儚さに魅了されることでしょう。
バンナ公園(バンナ岳)
絶景スポットが数多い石垣島の中でも、市街地からのアクセスが良く手軽に行けるのが「バンナ公園」です。
石垣市街地の北方にそびえる標高230mのバンナ岳周辺に整備された日本最南端の森林公園で、東京ドーム60個分と、すべて回るには1日では足りないほどの広さを誇ります。
園内は5つのゾーンに分かれ、数多くの展望台、世界の昆虫館、子どもが遊べる広場などがあり、特におすすめは、島内随一のビュースポット「エメラルドの海を見る展望台」です。
市街地をはじめ新石垣空港、竹富島まで見渡せる眺めは必見! 昼間は青い空と海、緑豊かな市街地の眺め、日没後は街の夜景を楽しめます。
その他、石垣ダムを渡る「聖紫花(せいしか)の橋」も絶景ポイントとして知られています。
バンナ公園 基本情報
- 住所:〒907-0023 沖縄県石垣市石垣961-15
- アクセス:新石垣空港から車で約25分、石垣港離島ターミナルから車で約15分
石垣鍾乳洞
竜宮城のような入り口がインパクト大の石垣島鍾乳洞は、市街地から車で約10分ほどの場所にあり、愛媛大学の調査隊によって発見され1994年から公開された日本最南端の観光鍾乳洞です。
約20万年もの時を経てサンゴ礁から生まれた石垣島最大規模の鍾乳洞で、全長3.2kmのうち、約660mの区間が公開されています。
鍾乳洞の魅力は、なんといっても自然が作り上げた神秘的な鍾乳石の造形美!見学コースはうねうねと曲がりくねっていて、見どころ豊富です。
落ちそうで落ちない「受験石(おちてたまるか)」といったゲンのいい石もあれば、シャコ貝の化石など、悠久の歴史を感じさせるものもあります。
その中でも大きな見どころは長さ40m、幅20m、高さ6mの大きな広場「神々の彫刻の森」で、周囲10mの大石柱をはじめ、石筍が無数に立っていて、神々の彫刻が並んでいるようです。
特に記念撮影スポットとして人気なのは、あの有名アニメ映画の森の妖精によく似た「トトロ鍾乳石」で、鍾乳洞内はイルミネーションやライトアップによりロマンチックに演出されています。
鍾乳洞以外にも、亜熱帯植物が生い茂り日本最大級の蝶「オオゴマダラ」や「ヤシガニ」の姿が見られる「熱帯果樹・亜熱帯植物」や各種体験教室も豊富で大満足の施設です。
石垣やいま村
石垣島の名勝「名倉湾」、ラムサール条約に登録された「名蔵アンパル」に隣接し、石垣島をはじめとした八重山諸島の民俗文化や生活習俗、自然を体験できる、日本最南端のテーマパークです。
豊かな自然を背景に古き良き八重山の家並みを再現してあり、国の有形文化財に登録されている赤瓦の古民家からは三線の音色が響き渡り、独特の情緒があります。
散策するだけでも楽しいのですが、八重山の昔ながらの民謡ショー「家あしび」や、島ぞうりアート、琉球衣装体験やシーサーの絵付けなどの体験メニューも充実し、八重山文化や自然をより身近に感じることができるでしょう。
また、マングローブ散策路で自然と親しむことができるほか、村内には水牛の池、カンムリワシの保護ケージ、園のマスコットキャラクターやいまるくんのモデルとなっているリスザルの森があり、これら動物との触れ合いも楽しみです。
ユーグレナモール(石垣市公設市場・石垣市特産品販売センター)
石垣市街地には日本最南端のアーケード商店街「ユーグレナモール」があり、「中央通り」と「銀座通り」の2本の通りで構成され、石垣島のみやげ物のほとんどが揃う他、石垣島ならではのグルメも満喫できます。
2本の通りの間にある「石垣市特産品販売センター」は、ユーグレナモールに来たらぜひ足を運びたいスポット!
ここには文字通り、石垣島の特産品を扱う40近い店舗が運営していて、ずらりと並ぶその商品の豊富さは目移りするほど。
特に「美味食彩 花 原田シェフの手作り生ちんすこう」は石垣島以外ではめったに手に入らない人気商品です。
石垣市特産品販売センターと同じビルの半地下にある「石垣市公設市場」は、地元の人が日常の食料品を買いに行く、まさに「島民の台所」と言えるでしょう。
獲れたての鮮度抜群な魚介類を始め、島野菜や肉類、石垣島でおなじみのかまぼこなどの加工食品を扱う他、2021年5月18日のリニューアルオープンにより イートインスペースを設置し、これまでより店舗数も増えました。
ユーグレナモール/石垣市特産品販売センター 基本情報
- ユーグレナモール 住所:〒907-0022 沖縄県石垣市大川203番地 まちなか交流館ゆんたく家内
- 石垣市特産品販売センター 住所:〒907-0022 沖縄県石垣市大川208番地 石垣市公設市場2階 ユーグレナモール内
- アクセス:新石垣空港から車で約25分、石垣港離島ターミナルから徒歩約10分
あざみ屋 みんさー工芸館
いつの世までも、末永く・・・
石垣島をはじめとする八重山諸島で5つの■と4つの■で構成された模様を目にすることがあると思いますが、この絣(かすり)の模様が伝統的工芸品として知られる「八重山みんさー織」の特徴で、 冒頭の「いつ(五つ)の世(四つ)までも、末永く」という意味が込められています。
元々は、藍一色の「ミンサーフ(ウ)」という帯であり、八重山の女性はこれを愛する男性に贈ったものでした。
帯の両脇にあるムカデの足に似た||||||||||模様には、通い婚の時代を反映して 「足繁くおいでください」という意味が表現されているといわれます。
この伝統的工芸品である「八重山みんさー織」製作の最終工程である「織り」を実際に体験できるのが「あざみ屋 みんさー工芸館」です。
およそ30分程度で仕上げられるみんさー織のコースターから、本格的なテーブルセンターまで、 熟練の指導員さんが丁寧に教えてくれるので、機織りがはじめての方でも楽しみながら体験できます。
石垣島の旅の思い出に、世界に一つだけ自分だけの「みんさー織物」を作ってみませんか?
あざみ屋 みんさー工芸館 基本情報
- 住所:〒907-0004 沖縄県石垣市字登野城909
- アクセス:新石垣空港から車で約25分、石垣港離島ターミナルから車で約5分
しらほサンゴ村(白保海岸)
豊かな生命を育む石垣島の珊瑚礁(さんごしょう)、 その中でも新石垣空港にも近い白保の海は、世界最大級といわれるアオサンゴの大群落を擁し、120種以上のサンゴ、300種以上の魚類、 巨大なハマサンゴなどが見られる、国際的にも貴重な自然が残る場所です。
「しらほサンゴ村」は、白保の海・珊瑚礁の生態系や自然環境の保全活動(サンゴの白化や赤土流入被害の調査や対策など)、珊瑚礁と共に暮らしてきた人々の文化についての調査を行う保護研究センターとして2000年4月に設立されました。
現在は白保公民館の所有となり、NPO法人 夏花(なつぱな)の管理のもと、海の保全をはじめとする地域のさまざまな活動の拠点として活用されています。
その活動のひとつとして毎週日曜日の午前~昼に「白保日曜市」が開催され、地元の方のみならず観光客で賑わっています。
白保に住むおじぃ、おばぁや地域の方が中心となり、島の特産物や島野菜、果物などを販売している、いわゆる朝市ですが、 観光客には島の食材を使って作ったお弁当やお味噌やラー油などの調味料が人気の的となっています。
飲食だけではなく、ハンドメイドのアクセサリー、お守り、小物などの雑貨も多数販売され、一般的な土産物店では見られない一点物や掘り出し物があるかもしれません!
日曜日、石垣島に滞在している方は白保海岸を散歩しつつ、ぜひ白保日曜市に足を運んでみてください。
しらほさんご村 基本情報
- 住所:〒907-0242 沖縄県石垣市白保118
- アクセス:新石垣空港から車で約10分、石垣港離島ターミナルから車で約25分
石垣島でのおすすめアクティビティ
ダイビング/シュノーケリング
マンタの聖地とも言われ、ダイバーに人気の石垣島。
優雅に泳ぐマンタとの遭遇率が高い「石崎マンタポイント」など、いくつか有名なポイントがあります。
またマンタだけでなくニモ(カクレクマノミ)やウミガメにも会えるかも!?
ナイトツアー
全部で88ある星座のうち84もの星座を見ることができ、国内初の星空保護区に認定された石垣島。
石垣島で観測できる星の数は日本一ともいわれ、南半球でしか見られない南十字星を12月末から半年くらい日本で見られることも、天文ファンには見逃せないところ。
「石垣島天文台」では通常の見学のほか、立体的な宇宙の姿を見ることができる4次元デジタル宇宙(4D2U)シアターの観賞、口径105cmの光学・赤外線反射式望遠鏡「むりかぶし望遠鏡」を使って月、惑星、恒星などの天体を楽しむ夜の天体観望会が人気です。(いづれも事前予約が必要です。)
星空観測やフォトツアーから、マングローブやジャングルを探索して夜行性の生き物に出会えるコースなど、夜の石垣島も見どころいっぱい!
夏には、夜に咲き夜明けには散ってしまう…まさに幻の花!日本では南西諸島の一部でしか見ることができない「サガリバナ」を観賞するツアーや、3~5月なら幻想的な森の妖精「ヤエヤマボタル」を観賞するツアーなど、マリンスポーツだけでなくナイトツアーも充実しています。
石垣島天文台 基本情報
- 住所:〒907-0024 石垣市新川1024-1
- アクセス:市街地から車で約20分(バンナ公園南口の向かい側から側にある前勢岳林道へ)
- 天体観望会は土・日曜日・祝日の夜20時~(6&7月は15分遅れでスタート)開催
八重山諸島・離島めぐり
八重山諸島の中心「石垣島」、ユーグレナ石垣港離島ターミナルからは西表島や、竹富島、小浜島など、周辺の人気の離島へのアクセスも抜群です。
旅行日程が長くとれない場合には、オプショナルツアーで島めぐりはいかがでしょうか?
石垣島や宮古島とはまた違う、それぞれの島の見どころをぎゅっと凝縮したプランなので、日帰りでも存分に満喫できるはずです。
最後に
世界に誇るサンゴ礁の海はもちろん、それ以外にも見どころ盛りだくさんで魅力的な石垣島。
すでに何度か訪れたことがある方にとっても、更なる魅力を感じていただけたら、ぜひふたたびの石垣島旅行を計画してみてください。
最後までお読みいただき、しかいとぅみーふぁいゆー!※「どうもありがとう」の石垣島の島くとぅば(方言)
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