ギリシャのテッサリア地方ピンドス山脈の麓に、30m~400mの高さの岩の塔が60以上点在している「メテオラ」と呼ばれる地域があります。下界とは隔絶されたその岩の塔の頂上に、「メテオラ修道院」が建てられています。そそり立つ岩の塔に立つ修道院は、「メテオラ」(=現地の言葉で中空を表す)の名が示す通り、まるで空中に吊り下げられ、浮かんでいるかのように見えます。
「メテオラ修道院」の始まりは11世紀初頭といわれていますが、奇石群の洞窟にはすでに9世紀頃から修道士たちが祈りと瞑想のために隠遁していたそうです。修道士たちにとって、俗世から離れたメテオラは理想的な場所だったのでしょう。
現在残っている6つの修道院はいずれも拝観が可能ですので、修道院内部のフレスコ画や貴重な美術品を見ることができます。麓から見上げる「メテオラ修道院」も絶景ですが、修道院から眼下に広がる景観もまた絶景!
一年中観光が可能ですが、降水量はさほど多くないものの冬の雨季(12月~3月)には雪が降ることも。岩の塔の上に建つメテオラ修道院は、急な階段を上る修道院もあるため、足場の悪い冬よりも春~秋がおすすめです。
一番気温が下がるのが1月で、観光のベストシーズンは4月~10月頃とされています。エーゲ海での遊泳も楽しみたい方は夏真っ盛りがベストです。
15世紀~16世紀の最盛期には24もの修道院がありましたが、現在はわずか6つの修道院となってしまいました。
それが「メガロ・メテオロン修道院」「ヴァルラアム修道院」「アギオス・ニコラオス・アナパフサス修道院」「ルサヌー修道院」「アギア・トリアダ修道院」「アギオス・ステファノス修道院」です。
特に、「アギオス・ステファノス修道院」から見るカランバカの街の景観がおすすめ。
もともと俗世から隔絶された地に建てられた修道院のため、いずれも容易く行き着くことはできませんが、一見の価値ありです。
「メテオラ修道院」は、現在も修道士たちが瞑想し祈りをささげ、修業を重ねる神聖な場所ですので、来訪にはいくつかの注意点があります。
・一部の修道院では急階段を登るため、歩きやすい靴(スニーカーなど)を履いていくこと。脚に自信がない方は、ステッキを持っていると便利です。
・肌の露出が多い服装や、ズボン姿の女性は入場できません。大判のストールを巻くか、スカートを上からはく必要があります。
・修道院内部のビデオ撮影は禁止です。写真撮影も一部禁止の場所があります。
女性のズボンを隠すストールは、入口で貸してくれるところもあるようです。
入館時間が修道院ごとに決まっているので、事前のチェックもお忘れなく!
ギリシャの首都「アテネ」
日本からメテオラ修道院を訪れる場合の空の玄関口となるアテネ。
街を見下ろすようにそびえたつアクロポリスの丘には古代ギリシャの象徴でもあるパルテノン神殿が建ち、街の至るところに遺跡が残されています。
エーゲ海クルーズで周辺の島々の一日観光などもおすすめです。
メテオラ修道院を目指すには、まずギリシャのアテネへ。
日本からの直行便はないため、一般的に中東かヨーロッパの都市の乗り継ぎ便を利用します。
所要時間は約16時間~
アテネからは鉄道でカランバカに向かいます。
カランバカからは車で約1時間でメテオラ修道院に到着します。
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