エメラルドの島と呼ばれる大西洋に浮かぶ島国アイルランド。この国では自然の造形とは思えないような風景がいたるところで旅人を魅了します。
なかでも奇跡の絶景ともいえるのが首都ダブリンから西に約250kmに位置する「破滅の崖」の意味を持つモハーの断崖。大西洋からそびえ立つ高さ約200mもの断崖絶壁が8kmにわたって連なる景色はまさに圧巻です。
崖の最高地点・214mに建つオブライエン塔はかつてのアイルランド王の子孫サー・コーネリアス・オブライアンによって、当時すでに多く訪れていた観光客のために1835年に建てられました。
晴れた日には遠くアラン諸島までが眺望できますが、霧に覆われていても息を呑むようなすさまじい景観が訪れる人々を楽しませてくれます。
アイルランドは北海道より北に位置するものの、島の西側を流れる暖流の影響で年間を通じて寒暖差が少なく穏やかな気候です。特徴としては1日のうちにも天気が変わりやすく、日が照り付けると思ったら雨が降り急に冷え込むことも。
変わりやすい気候のため、夏場でも長袖の上着や携帯用雨具があると便利です。
観光シーズンは花が咲き始める4月下旬から9月下旬で、特に過ごしやすいのは6月から8月です。
夏季は日照時間が長く、夜11時頃まで明るいので夜遅くまで観光することが出来ます。
足がすくむほどのダイナミックな景観は迫力満点。
晴れていれば遠くアラン諸島までが眺望できますが、霧に覆われていても
息を呑むようなすさまじい景観が訪れる人々を楽しませてくれます。
オブライエン塔の近くに建つビジターセンターでは、どうやって断崖絶壁ができたのかという成り立ちはもちろん、周辺の生態系や歴史などをパネルや映像を用いて紹介しています。
空撮映像でモハーの断崖やその周辺に生息する生物などを紹介する
「Ledge Experience」は迫力があります。
かつてヨーロッパ大陸から渡ってきたケルトの人々は、この地で独特のケルト文化を育み、ハイクロスやケルト文様、そして神秘と謎に包まれたまま多くの伝説や神話を残しました。大陸ではローマやゲルマン民族の支配下に置かれ、ケルト文化は衰退をたどることになりましたが、直接影響を受けなかった島国アイルランドには古代ケルトの文化が今も色濃く残ります。
ハイクロス(ケルト十字)
十字架に太陽を象徴する日輪を組み合わせたケルト十字。読み書きができない人々の為に、聖書の場面や教訓がレリーフとして施された、人の背丈よりも高いハイクロスが今も残ります。
ケルズの書
アイルランドの国宝「ケルズの書」。8~9世紀に作成された全て手書きによる装飾写本の傑作は、ケルト文化の影響を受けた美しい絵と細かな文様から「世界で最も美しい本」と称えられています。
妖精
「妖精の国」と呼ばれるアイルランド。自然を信仰の対象とした古代ケルト民族から語り継がれ、今でも妖精が生き続けていると信じられています。
ダブリン
アイルランド共和国の首都。クライストチャーチや聖パトリック大聖堂など見どころに溢れ、アイリッシュ・パブが並ぶテンプルバーなど思い思いにアイルランドの文化を楽しむのに最適。
カイルモア修道院
アイルランドで「最もロマンティックな建物」と言われる修道院。
コネマラ国立公園内の湖畔に建つ姿はまるで絵画のようで幻想的です。
ジャイアンツコーズウェイ
イギリス領北アイルランドにある、噴き出したマグマが徐々に固まってできた、マグマと氷河が造り上げた究極の自然美。
独特の6角形の柱群が約4万本も密集した景観は「巨人の石道」と呼ばれています。
ベルファスト
イギリス領北アイルランドの首都。造船業で大きく発展し、あのタイタニック号も造船されました。
タイタニックゆかりの施設や美しいヴィクトリア時代の街並みが楽しめます。
7000件のアイリッシュ・パブがあり、 どんなに小さな村でも数件パブのあるアイルランド。
日中は主婦や子供、夜は大人たちが集まる本場のパブ文化は是非とも楽しんでみたい。
モハーの断崖に行くにはまずアイルランドの首都ダブリンへ。日本からは成田・羽田空港からブリティッシュエアウェイズ利用のロンドン乗継やターキッシュエアラインズ利用のイスタンブール乗継が便利です。
モハーの断崖への起点となるドゥーランまではダブリンから約250km。まずはダブリンから鉄道でゴールウェイまで約2時間30分、その後ゴールウェイからドゥーランまでバスで約2時間。ドゥーランからはバスで25分。ドゥーランからはモハーの断崖までの遊歩道も整備されており、距離は8kmで所要約2時間~2時間30分。個人で行くよりはツアーで行くのが便利。ゴールウェイからはバスツアーのほか、バレン高原と一緒にまわる日帰りツアーも出ている。