ロライマ山は、ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの3つの国の国境に位置する山。標高は約2,810m、山頂が平らになっているテーブルマウンテンです。麓には標高1,000m前後の広大なギアナ高地が広がっており、上空から見ると山頂部が雲海を突き抜けどっしりと構えている様子が巨大な空母が宙を浮いているようにも見え、「陸の軍艦」とも称されます。
ちょうどギアナ高地の中心に位置するロライマ山は、大陸プレートが移動する際に火山活動や地震などの影響を受けなかったことから、太古の地球の姿をそのまま残しています。
山頂部はセンカンブリア時代の岩で形成され、SF小説「ロスト・ワールド」の舞台のモデルとなったことでも有名です。
むき出しの岩肌、断崖絶壁で足場が少なく、かつては攻略不可能な山として多くの探検家の登頂を拒んでいたロライマ山ですが、1884年に登頂が成功されて以降、今では崖沿いの坂道を唯一の登山ルートとして一般観光客でもチャレンジする事が可能となっています。
ギアナ高地は年間を通して湿度が高く、ほぼ毎日雨が降ります。特にロライマ山頂付近は気候の変化が激しく、10分と同じ天気が続かないと言われます。
そのため、ロライマ山へは雨季(5月~11月)は避け、比較的気候の安定する乾季(12月~4月)が観光におすすめです。
しかし、同じくギアナ高地の見所である世界最大の落差を誇る滝、「エンジェルフォール」の観光には水量の多い雨季が適していますので、どちらも楽しみたい方は雨季の終わり頃に訪れると良いようです。
トリプル・ポイント
ベネズエラ・ガイアナ・ブラジルにまたがって立つロライマ山。
山頂の3つの国境が交わる地点がトリプル・ポイントと呼ばれています。
水晶の谷
山頂付近にある、見渡す限り一面が水晶で埋もれているエリア。
ホテル
山頂付近に岩が突き出て雨風をしのげる天井のようになっているエリアがあり、登山者達がここでテントを設営するため「ホテル」と呼ばれています。
特異な生態系
ロライマ山の麓にはグランサバナと呼ばれる熱帯のジャングルが広がり、この地域特有の進化を遂げた珍しい動植物が生息していますが、その中でも更に、この山頂付近でしか見られない動植物も生息します。まさに「地球最後の秘境」と称されるにふさわしい絶景と言えるでしょう。
エンジェルフォール
ベネズエラのギアナ高地に位置する、世界最大の落差979mを誇る滝。
ギアナ高地で最大のテーブルマウンテン「アウヤンテプイ」の切り立った崖から流れ落ちる滝は、その落差から、落下する水が空中で霧散してしまうため滝壺が存在しません。空中に拡散した水が空気と絡み合い、滝の下部は暴風雨のようになっています。
滝の名前はアメリカ人探検飛行家ジミー・エンジェルにちなむもので、「天使の滝」の意味ではないそうです。
ロライマ山を目指すには、ベネズエラのカラカスへ。
日本からの直行便はなく、一般的にアメリカの主要都市で乗り継ぎます。
カラカスからはロライマ山のあるギアナ高地に一番近いプエルト・オルダスまで国内線が運航しており、所要時間は約1時間。
(※ベネズエラのカラカス空港は治安が非常に悪いことで有名。ご注意ください。)
プエルト・オルダスからは車をチャーターするか、
トレッキングツアーに参加して陸路でロライマ山トレッキングの拠点へ向かいます。