アメリカのニューメキシコ州の荒野に忽然と現れる純白の砂漠、それがホワイトサンズ国定公園です。面積は約581km²と、東京の約4分の1。
この砂漠の白い砂は、アラバスターという雪花石膏です。石膏は水溶性のため、通常は雨などで川から海へと流れていき留まることはありません。しかしこの一帯には川がないため雨や雪解け水によって溶かし出された石膏などの鉱物が平地を覆うように溜まり、乾燥して結晶となりました。その結晶が長い年月をかけて風化し、浸食され、砂状に砕かれて現在の白砂漠を形成するに至ったのです。
この現象は世界的にとても珍しいもので、ホワイトサンズ国定公園が世界最大の石膏砂丘とされています。
広大な砂漠はアメリカ軍のミサイル実験場になっており、国定公園として指定されているのはこの実験場の敷地内。NASAのスペースシャトルの着陸にも使用されます。
9月~11月の期間が観光におすすめです。
砂漠の気候のため、6月~8月は最高気温が40℃近くなることも。ただ、ホワイトサンズを形成している石膏は太陽熱を吸収しにくい性質を持つため、酷暑でも素足で砂の上を歩くことができるそうです。
太陽の光で表情を変えるホワイトサンズの絶景
広大な白い砂丘上には、自然の風が作りだした美しい波紋状の紋様が刻まれています。
それ以外にあるものは、この過酷な環境に順応したわずかな動植物の痕跡のみ。さえぎるものの無い絶景が広がっています。
そのため、ホワイトサンズでは太陽光が当たる角度によって砂丘の表情が刻々と変化します。
特に日の出から2時間と、日の入りまでの2時間はゴールデンタイムとされ、その絶景を写真におさめるべくプロ・アマ問わず多くの人が撮影に訪れています。
ホワイトサンズでアクティビティを楽しむ
広大なこの公園では、いくつかのアクティビティを楽しむことが出来ます。
一番人気は、真っ白な砂丘を滑り降りるソリ遊び!公園のビジターセンターでソリを販売しており、大人も子供も白い砂山を滑り降りて楽しんでいます。
その他にも、白砂漠の光景を楽しめる5本のトレッキングルートが整備されています。車いすでも入れるものからハードなものまで用意され、それぞれに合った楽しみ方が出来るように配慮されています。
公園内にはキャンプができる場所もあり、ビジターセンターで登録すれば満天の星空を満喫しながら夜を明かすことも可能です。