世界で初めて国立公園として認定された「イエローストーン国立公園」。アメリカ合衆国のモンタナ州・ワイオミング州・アイダホ州にまたがる総面積8,980km²もの広大な敷地に地球上の約半分の温泉、約3分の2もの間欠泉があり、七色に輝く巨大な温泉など、熱水現象による極めて特異な自然景観を成しています。
1800年代に当時のトーマス・ジェファーソン大統領が、未開の地を調査するために構成した探検隊により初めて報告され、それから数十年後のミシシッピ川上流域の調査により、ようやくその存在が知られるようになりました。
イエローストーンを初めて目にした人々はそのあまりに素晴らしい大自然の姿に「ここは全ての人類の霊域。私有物として少数の利益のために開発すべきものではない」と政府に提言。
それがきっかけとなり1872年、ユリシス・グラント大統領が「イエローストーン公園法」に署名、世界初の国立公園が誕生しました。
人の手を加えずそのままの自然を保存する法律が定められているイエローストーン国立公園では、例え山火事が数ヵ月おさまらないような場合にも見守るのみで一切手を加えません。
そのため天候や自然保護の理由により交通制限や道路閉鎖されることもありますが、4月下旬から夏の間が観光のベストシーズンとされ、多くの観光客が訪れています。
公園内の観光ルートはしっかりと整備されていますので、気候に合わせさえすれば軽いハイキング程度の装備で十分に観光が可能です。
七色に輝く巨大な温泉
イエローストーンで必ず見たいもののひとつに、「グランドプリズマティック・スプリング」と呼ばれる直径113mほどの巨大な温泉があります。常に湯気が立ち上っており、その湯気に泉の青い色が映ることで幻想的な光景が現れます。
源泉の中心は高温のため、空の青さを反映したコバルトブルー。泉の外側に向かうにつれ温度が下がり、バクテリアが繁殖するため、白・黄色・オレンジ・茶色と様々な色に変化します。これは種類の異なるバクテリアが繁殖しているため。周辺は鮮やかな朱色に染まっています。
近くにはボードウォークが一本用意されており、観光客はその一本道を通ってこの絶景を眺めることが出来ますが、おすすめは日中の一番気温の高い午後2時~5時の間に訪れること。気温が高いほど湯気が少ないため、水面の美しい色合いを楽しむことが出来ます。
圧倒的な大自然の息吹「イエローストーンの間欠泉」
広大な敷地のイエローストーン国立公園には、世界の約3分の2もの間欠泉があります。数もさることながら、その規模もまた世界最大級!
特に観光客に人気の間欠泉が「オールド・フェイスフル」。100年以上もの間、定期的に熱水を噴き上げていることから「フェイスフル=忠実な」と呼ばれるようになりました。
現在でも約80分ごとに吹き上がる熱水の量は約4万リットルと言われ、その高さは40mにも及び、大地の力強さを間近で体感することができます。
イエローストーン国立公園には、間欠泉や七色の池の他にも数多くの絶景ポイントがあります。例えば、北米最大の山岳湖である「イエローストーン・レイク」は、常に青色の水をたたえた美しい湖。湖面が朝日に染まる光景は、一見の価値アリです。
また、数あるアメリカの国立公園の中でも野性動物の宝庫として有名なイエローストーン。景色を楽しみながら、野性動物の観察をするのも楽しみ方のひとつといえます。
グランドティートン国立公園
イエローストーンのすぐ隣にある国立公園。
ジャクソンの街
イエローストーン観光の拠点となるジャクソンは、まるで西部劇の舞台のような街。東西南北にある4つの大きなゲートは、本物のエルクの角を積み上げて造られています。
大自然のリゾートとしても有名です。
イエローストーン国立公園を目指すには、アメリカ・ワイオミング州のジャクソンへ。
日本からの直行便はなく、アメリカの主要都市で乗り継ぎ約18時間~で到着します。
ジャクソンの空港からイエローストーン国立公園までは車で約1時間半。
ジャクソンを拠点として観光するか、イエローストーン国立公園内もしくは付近にも宿があります。
公園内の観光には専用車でのガイドツアーもおすすめです。