シルクロードとは、中国、中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ古代の通商路の総称。諸説ありますが、一般的に西は中国の洛陽を起点とし、東はローマまでの道がシルクロードとされています。その西域にはウイグルと中国の文化が融合した砂漠とオアシスの街から、標高6,000m級の山々を抱く天山山脈といった大自然の絶景が広がります。
シルクロードとして最も有名なものが、敦煌を経ていくつかのルートに分かれる陸路「オアシスの道」。
敦煌から北上してトルファンを経てウルムチを通り、天山山脈の北側をサマルカンドへ抜ける「天山北路」。そして同じく敦煌からトルファンに抜けて天山山脈の南側、タクラマカン砂漠を囲むオアシス都市を辿る、三蔵法師が通ったともされる「天山南路」。これらの道沿いには史跡なども数多く残り、はるか古代のシルクロードを感じられます。
特に紀元前2世紀頃から中国と西域を結ぶ交通の要衝として栄えた敦煌は、多民族が融合したシルクロード文化の中心地として知られます。4世紀から1000年以上かけて築かれた一大石窟群の「莫高窟」は必見。
莫高窟(ばっこうくつ)
4世紀から1000年以上にわたって築かれた一大石窟群。壁画や仏教美術が描かれた492の石窟が残っており「砂漠の大回廊」とも讃えられています。
高昌故城(こうしょうこじょう)
約1000年にわたって栄えた城塞都市跡。三蔵法師が天竺に向かう途中に滞在し、仏教を講じたと伝えられています。
玉門関(ぎょくもんかん)
敦煌市の東90kmに位置する関所。漢代には西端に位置する拠点として発展し風化した城壁が長い年月を感じさせます。
鳴沙山・月牙泉(めいさざん/げつがせん)
シルクロードで最も美しいとも言われる、約20kmにわたって続く砂山。谷間に何千年もの昔から湧き続けている三日月の形の「月牙泉」があり、砂漠の中に泉と楼閣が浮かぶ様は敦煌を代表する景色のひとつ。
トルファン
交通の要衝として栄えたオアシス都市。中国で最も乾燥した地域として古来より「火州」とも呼ばれてきました。近郊に火焔山やベゼクリク千仏洞などの見所があります。
火焔山(かえんざん)
赤い砂岩の山肌に炎を思わせる深い縦じわが刻まれた、トルファンの象徴。陽の光でまるで燃えているかのように見える光景は、西遊記にも「炎の山」として描かれました。中腹にベゼクリク千仏洞が築かれています。
天池(てんち)
天山山脈のボゴダ峰(標高5,445m)の中腹にある美しい湖。空と湖のブルーが織りなす絶景は、中国のスイスとも言われています。
ラクダ乗り体験
敦煌の周辺に位置する砂漠の鳴沙山では、さながらシルクロードを旅する商隊の気分が味わえる「ラクダ乗り体験」が楽しめます。
気候
7月~8月のシルクロードは猛暑が続きます。乾燥した気候ですが、日差しが強いために日焼け止め、サングラス、帽子などは必ずご準備ください。
9月になると、朝晩の気温がぐっと下がり寒暖差が激しい季節になります。上着があると便利です。
シルクロードの分岐点都市として栄えた敦煌へは、東京からは一般的に西安や北京などの都市で乗り継ぎ便を利用します。
乗り継ぎ都市までの所要時間は約4時間~5時間半ほど、さらにそこから敦煌まで約2時間半~で到着します。乗り継ぎ時間によっては一泊する必要があります。
同じく北京などの都市での乗り継ぎ便を利用し、ウルムチを起点としてシルクロード観光に向かうルートもあります。