無題ドキュメント
 

HIS FOOD PROJECT

人と人を繋ぐハチミツ
生産者インタビュー・橋澤義憲さん 橋澤小百合さん HANAP -Honey and Nature's Ability Productsー
生産者インタビュー・橋澤義憲さん 橋澤小百合さん
 
橋澤義憲さん 橋澤小百合さん(HANAP Honey and Nature's Ability Products)

養蜂との出会い

橋澤ご夫妻は2019年の娘さんの誕生をきっかけに東京から千葉県の外房にある長生村に移住してきました。

引っ越してきて、周りには使われていない空き地がたくさんあることに気づき
うまく活用できないかなと思っていたところ、自宅裏にも合った空き地の持ち主の方が
快く貸して下さることになり、最初は元々好きだったハーブを育てることから始めました。

そんな中、千葉県には養蜂をやっている方が多くいることを知ります。
元々動物や植物が好きだった二人は興味を持ち、調べていくと植物との関係性も高く、
ミツバチの生態系の面白さにどんどんはまっていきました。

ご主人の義憲さんは元々動物が好きで動物栄養の研究で博士号を修得され、畜産・飼料業界で、動物栄養学の技術普及、機能性飼料原料の販売などをしてきました。
前職では生産者の方とお話しをする機会が多く、いつしか自分も生産者側となっておいしいものを作りたいという想いがありました。

奥様の小百合さんも、食べるだけでなく、コスメになったり、薬としても使うことができたりと、ハチミツの利用価値の高さを知り、ハチミツを通して地域のいろんな人と関わりながら仕事ができるのではないかと思いました。

大好きな生き物や植物に携わりながら、地域の人たちと関わりあいながら仕事をする。
二人のやりたいことが叶えられるのではないかと思い、養蜂にチャレンジすることになりました。

ミツバチと向き合う

昔からの生産方法として、一つの種類の花の蜜(単花蜜)からハチミツを作るためにその花の開花に合わせて巣箱を移動させる移動養蜂という手法がありますが、
HANAPではミツバチの本来の生態を尊重し、移動させない定置養蜂でその地域に咲く様々な花の蜜(百花蜜)からハチミツを作っています。

  • 「一つの花、例えばアカシアとかクローバーなど特定の花のハチミツではないため、
    決まった特徴がなく売りにくい点はありますが、私たちは定置養蜂から採れる百花蜜は毎回採れるたびに味が変わっていくので、そこが面白さだと思っています。

    今回どんな味になるか楽しみを伝えながら、できたはちみつの味の特徴を自分たちで説明して販売できるのは強みにもなると思っています。」(義憲さん)
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HANAPでは採れた百花蜜の味をそのまま楽しんでもらうために、採れた場所や採れた時期をラベリングして、味の特徴の説明もつけてお届けしています。

さらにHANAPではなるべくハチミツにストレスをかけないよう様々な工夫をしています。

群毎にいつどんな作業をしたか毎回記録をつけてデータ管理をし、
ミツバチたちが求めていることを即座にキャッチして適切なタイミングで処置することを心がけています。
群の勢いや、病気になっていないかを記録することで必要以上に薬を使用することを防ぎ、何か起きた時にも原因を突き止められるようにしています。

採蜜する時には手間ではありますが、ボツリヌス菌の混入を出来るだけ防ぐためにも一度衛生的な屋内に持ち帰り、蜂がいない環境で採蜜をします。
衛生面も考慮し、さらに採蜜中の匂いに寄ってきた蜂が採蜜用の遠心機にはいって死んでしまうことを防ぐために、丁寧に作業をされています。

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  • 「ミツバチの世話が本当におもしろいですね。
    養蜂の仕事って意外と肉体労働で、巣箱から1枚2キロ以上の巣枠を1日に何百枚も上げ下げしたり、大変ではあるけど、一生懸命お世話しているとハチの数がちゃんと増えてくれて面白いです。

    巣箱毎にハチの個性が見られて、何かするたびに騒ぎやすい群れがあったり、逆におとなしい群れがあったりするんです。新しい女王バチが生まれた時だけ鳴く鳴き声があったり、、、

    ミツバチの生態をたくさん勉強しても、やって初めて知ることが多くて、本当に面白いです。」(義憲さん)

「ミツバチと一緒に過ごしていると四季を感じるようになりましたね。
今まで緑にしか見えなかった木にも、小さい白い花が咲いていることに気づくようになったり、ミツバチは暖かくなったら産卵したりと、気温の変化によって行動も変わってくるので私たちも温度の変化や季節を身近に感じるようになりました」(小百合さん)

とても穏やかで優しい雰囲気のお二人ですが、ミツバチの魅力を聞くといろんなお話しが溢れ出てきて、ミツバチに対する愛情と情熱を感じました。

家族で移住をしてきて、楽しく、人と繋がりながら仕事ができる養蜂に出会い、その土地、その季節の味を大切にしてそのままの味を届けながら、人間にも動植物などの自然環境にも優しいサスティナブルなものづくりを心がけていらっしゃいます。

  • 生産者インタビュー・橋澤義憲さん
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    橋澤義憲さん

    合同会社 HANAP 社長 1979年生まれ 東京都出身 博士(農学)
    日本はちみつマイスター協会認定講師
    愛玩動物飼養管理士

    日本獣医生命科学大学動物科学部を卒業後、新潟大学大学院で動物栄養の研究で博士号を修得。その後、畜産・飼料業界で、動物栄養学の技術普及、機能性飼料原料の販売などをしてきました。
    もともと生き物を育てること、自然環境の保全にも興味があり、2020年に養蜂にチャレンジすることを決意しました。これまでの技術者としての経験を活かして、ミツバチにも環境にも消費者にもより良い生産方法や製品開発、ミツバチやハチミツの正しい知識や楽しみ方を伝えるワークショップなどに挑戦していきたいと考えています。趣味は、料理とお酒、DIY、映画、アニメなど。

  • 生産者インタビュー・橋澤小百合さん
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    橋澤小百合さん

    合同会社 HANAP 副社長 1987年生まれ 愛知県出身
    視能訓練士・ファイナンシャルプランナー・食品衛生責任者・メディカルハーブコーディネーター・ハーブ&ライフコーディネーター

    愛知淑徳大学にて視覚科学について学び、視能訓練士として眼科に勤務してきました。眼科勤務を通して健康であることの大切さを体感し、病気の方だけでなく、多くの方のQuality of life (QOL)の向上に役立ちたいと考えています。
    今後はハーバルセラピストの資格を取得し、植物由来のフィトケミカルとミツバチ由来のアピセラピーの観点からハチミツやハーブの普及にも努めていきたいと思っています。また、地域の方々との繋がりを大切にし、環境にも配慮した商品開発や活動を行いたいと考えています。